喫煙(タバコ)と歯や歯茎との関係

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2018年04月16日10時25分 Edit By:院長 江頭伸行

喫煙の画像

喫煙は体の健康に限らずお口の健康にも悪影響を及ぼすことは、皆様もなんとなくご存知かと思います。
ただ、具体的にどうわるいのか?については曖昧な方も多いのではないでしょうか。

喫煙は歯茎の抵抗力を弱め、歯周病を悪化させる原因になることは以前から知られています。

それにくわえて近年は、タバコに含まれる有害物質が虫歯菌や歯周病菌の力を増強させることが明らかになっています。

さらに親が喫煙しているケースでは、子どもの虫歯リスクが高まることも指摘されています。

今回は改めて、喫煙(タバコ)がお口の中にどのような影響を及ぼすのかを詳しくご紹介していきたいと思います。


1. 喫煙によって起こるお口の中の変化


タバコからでる毒性の強い煙に直接触れてしまうのがお口の中です。
それではタバコを吸うとお口の中ではどのような変化が起こってしまうのでしょうか。

〇 免疫機能がうまく働かなくなる
タバコの有害物質によってまず大きな被害を受けてしまうのが、お口の中の免疫機能です。
虫歯歯周病といった歯科疾患は、お口の中の細菌が引き起こします。

喫煙によって免疫機能にダメージがくわわれば、当然ながらこれらの原因菌に歯や歯茎が対抗できなくなります。

特に喫煙者の歯周病は重症化しやすく、タバコを吸う人は吸わない人よりも歯を失う割合や失った歯の本数が多くなるというデータがでています。

電子タバコを喫煙する女性

〇 治癒機能が低下する
タバコの有害物質は免疫機能だけでなく、炎症や傷を治す治癒機能も低下させてしまいます。
そのため歯周病治療をおこなっても、タバコを吸い続けているかぎり良好な結果を得ることができません。

上記の免疫機能と治癒機能は加齢によっても衰えていきます。
つまり喫煙による弊害は、年齢を重ねるごとにますます深刻になっていく危険があるというわけです。

〇 虫歯菌や歯周病菌をパワーアップさせてしまう
喫煙による免疫力や修復力の低下はずいぶん前から指摘されていますが、タバコの有害物質によるお口の中の新たな被害が明らかになりつつあります。

それは虫歯菌や歯周病菌がタバコの有害物質にさらされることで、さらに悪性化してしまうということです。

お口の中にあるプラークと同じような細菌の塊にタバコエキスを垂らした実験では、虫歯菌がさらに粘り気のあるプラークを作り出すことがわかっています。

粘度の増したプラーク内で虫歯菌は活発になり、虫歯の原因となる酸をたっぷり溜め込むようになってしまうわけです。

また同じ実験において、歯周病菌はより強い毒素を吐き出すなどして攻撃的になることもわかっています。

〇 歯と歯茎の着色
歯にはタバコのヤニが付着し黒く着色することは知られています。
また、タバコに含まれるニコチンやタールなどの有害物質から歯肉を守るために、メラニン色素が作られ歯茎も黒くなります。また、タールが歯肉に付着したり、血行が悪くなることも歯肉の色に影響を及ぼします。

喫煙(タバコ)と歯と歯茎のレントゲン



2. 喫煙はお口の中にどんな悪影響を及ぼすのか


次に、喫煙が歯科領域にもたらす悪影響について具体的に解説していきましょう。

〇 喫煙が歯周病の発見を遅らせ、さらなる重症化を招く
喫煙が歯周病のリスクファクター(危険因子)であることは明白な事実であり、歯周病治療をおこなう場合はどの歯科医師も節煙や禁煙を呼びかけています。

喫煙が歯周病に与える弊害は、先に述べた免疫力や修復力の低下による歯周病の重症化だけではありません。
タバコに含まれる一酸化炭素は歯茎の血流を悪くしてしまうので、歯周病の症状である歯茎の腫れや出血を抑えてしまいます。

これだけ聞くとなんだか良いことように思われるでしょうが、症状が出にくいだけで歯周病自体が改善したわけではないのです。

症状があらわれにくいということは、それだけ歯周病の発見が遅れてしまうという結果を招いてしまいます。

〇 喫煙によって虫歯になりやすくなる
喫煙と虫歯の関係についてはあまり語られていませんが、実際のデータでもタバコを吸う人は吸わない人よりも虫歯になりやすいことが明らかとなっています。

その原因は先にも述べたようにタバコに含まれる有害物質によって虫歯菌の活動が活発になり、従来よりもたくさんの酸を吐き出すことにあります。

またタバコを吸うと歯の表面にヤニが付着します。
ヤニ特有のネバネバは多くのプラークを歯の表面に引きつけるばかりか、歯磨きをしてもなかなか落とすことができないため、さらに虫歯になるリスクを高くしてしまいます。

歯のクリーニング前後の画像

〇 喫煙が傷の治りを悪くし、インプラントの成功率を下げてしまう
喫煙でもう1つ見逃せないのが、インプラント治療成功率が悪くなってしまうことです。
タバコの有害物質によって傷口を治すのに必要な治癒機能が十分に働かず、インプラントの定着が妨げられます。

またこれはインプラント手術に限らず、抜歯などを含めた外科治療全般においても同様のことがいえます。
喫煙によってお口の中の免疫力や治癒力が低下すると、「痛みが引かない」「大きく腫れる」といった術後のトラブルが多くなってしまうのです。

そのため外科手術に際しては、タバコを必ず控えるように指導されます。

〇 喫煙によって口内炎や口腔ガンのリスクが高まる
タバコによる弊害は歯や歯茎のみならず、お口の中の粘膜にも及びます。

まず1つがニコチン性口内炎です。
ニコチン性口内炎は長期的なタバコの刺激によって粘膜のコラーゲンが失われ、粘膜が硬くなってしまう(角化する)ことで生じます。

粘膜が白っぽくなったり、唾液を出す穴(唾液腺)が赤く腫れたりするのが特徴で、食べ物や飲み物がしみる、などの症状を引き起こします。

また喫煙は舌にも影響を及ぼし、舌苔(ぜったい)と呼ばれる汚れが増えたり、味覚に異常をきたしたりする場合があります。

さらにタバコに含まれる発がん性物質は体のガンと同じように、口腔ガンのリスクを高めます。


3. 受動喫煙によって周りの人も虫歯や歯周病になるリスクが高まる


これまで喫煙による様々な弊害を述べてきましたが、これらはタバコを吸う人だけでなく、その周囲の人たちにまで及ぶことを忘れてはいけません。

タバコの煙のうち、火をつけた先からでる副流煙はタバコを吸う人が直接吸い込む主流煙よりもニコチンが2.8倍、タールが3.4倍、一酸化炭素は4.7倍も含まれています。

受動喫煙による健康被害はテレビなどでもよく取り上げられますが、一方でお口の中に対する影響についてはあまり多く語られていないようです。

しかし、お口の中も例外ではありません。
京都大学がおこなった調査では、家族に喫煙者のいる子供は喫煙者のいない子供に比べて、3歳までに虫歯になるリスクが2.14倍にのぼると報告されています。

レッドカードを出す子供の画像

また別の調査において、職場や家庭で1時間以上受動喫煙の状況に置かれる人は、歯周病になるリスクが1.7倍になるという結果がでています。

以上のように、喫煙はタバコを吸う人だけでなく、周りにいる方のお口の健康にも被害をもたらすことになってしまいます。

自身の体の健康とお口の健康、さらに周囲の人の健康のためにも、いまから禁煙をはじめてみませんか。


4. 電子タバコは歯や歯茎に大丈夫なのか?


患者様から「電子タバコもダメなの?」という問合せが来ることがあります。

加熱式タバコや電子タバコは、従来の紙で巻かれた従来の燃焼式タバコとは違う新型タバコ製品です。
煙が少なく副流煙などの受動喫煙に配慮したタバコ製品です。

「非燃焼・加熱式タバコ」と「電子タバコ」に大別されます。

日本では「電子タバコ」は認可されておらず、加熱式タバコ「iQOS(アイコス)」と「glo(グロー)」、火を使わない非燃焼式タバコ「プルーム・テック(Ploom TECH)」が日本では販売されています。

電子タバコ

この3つは共に原料は従来のタバコ同様に、タバコ葉を原料に使用しており、今までのタバコとほぼ同じレベルのニコチンや、揮発性化合物(アクロレイン、ホルムアルデヒド)などの有害物質が含まれるとする研究結果が出ています。

タールに関しては1/10の量なこと、煙が少ないことがメリットになっているようです。
しかし言い換えれば。まだ1/10も残っているので良いとは言えませんし、他にも有害な化学物質も含まれるので歯や歯茎にも良くないでしょう。

ちなみに正式な電子タバコには「VAPE」というものがあり、日本で販売されおらず個人輸入のものがあります。
この製品については、ニコチンやタールが含まれていないものがあり、歯や歯茎には無害の可能性があります。

しかし、フレーバーとして化学薬品が多数使われていますので注意が必要です。
そして、電子タバコについてはまだまだ研究が進んでいない為、今後の報告を待ちたいと思います。


4. 最後に…


この度はホームページをご覧頂きありがとうございます。

歯の豆知識ページの歯科治療において、皆様へ何かしらの参考やお役に立てればと思い作成させていただいております。

毎年、5月31日は世界禁煙デーと称し、世界保健機構(WHO)や厚生労働省では、「タバコをすわないこと」が一般的な社会習慣になることを目指し、様々な禁煙対策を推進しています。

タバコの煙にはニコチンやタールのほかに、200種類以上の有害物質、50種類以上の発がん性物質を含んでいます。

お口の中は元より、肺がんや食道がん、胃がんの他にも、全身に様々な悪影響を及ぼします。

先ほども記載したように喫煙者は、ニコチンの影響で歯茎の血流が悪くなり、歯茎が腫れるほど悪くなっていても症状がでにくく、症状がカモフラージュされていることが多くあります。

気が付いた時には手遅れで即抜歯になるケースもあります。

歯周病インプラント治療を行う上で、最良な治療したとしても予後が悪くとてもリスクが高くなります。

あなたもこの機会にタバコや禁煙について考えてみませんか?

当院では安心してご来院頂けるように、お口の状況・治療内容など詳しく検査し、歯科カウンセラーがご説明した上で、極力、痛くない治療を進めています。

皆様と笑顔で楽しい毎日、そして何でも食べられる喜びを分かち合えるよう、スタッフ一同しっかりサポートさせて頂きます。

お口に関するお悩みやご質問などございましたら、お気軽にご相談ください。


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