
オーラルフレイルってなに?年代別の口の老化対策

オーラルフレイルとは、年齢を重ねることで口の機能が低下し、食べる力や話す力が弱まることです。
それは、全身の健康や社会とのつながりにも影響を及ぼします。
最近では、厚生労働省もオーラルフレイルに着目し、歯医者で「口腔機能低下症」として健康保険で診断・治療できるようになり、気軽に相談・治療を受けられるようになりました。
今回はオーラルフレイルの正しい知識と、年齢ごとの具体的な対策、歯医者の新しい取り組みを分かりやすく解説します。
目次
オーラルフレイルとは?
オーラルフレイルは、「口腔機能の低下」が始まった状態です。
例えば、堅いものが噛みにくい、食事中にもむせる、口が乾く、外出や会話が少なくなったなど、その小さな変化が積み重なり、栄養状態や体力、全身の健康、さらには心の健康に波及するのです。
なぜ対策が必要なのか?
口の機能は食べる力、話す力、表情を作る力など、生活の質を支える重要な役割を担います。
口の機能が弱まると、食事量の減少や会話の減少で筋力・社交性が低下し、口腔機能低下の症状が顕著になると介護が必要なリスクにつながります。
一度、衰えた口腔機能は治療で元には戻りづらいの現状です。そのため、早期発見し口腔機能が衰える前にトレーニングや治療を行い、機能を維持していくことが重要です。
具体的な対策方法
1.毎日の口腔ケア習慣(歯を失わないために)
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歯磨きは歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスも使い、歯と歯の間の汚れまで気に落としましょう。
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洗口も大切です。 唇をしっかり閉じて水を口全体に行き渡せるように洗口をしましょう。
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1日2回以上、丁寧な歯磨きの習慣を続けましょう。
2.口腔体操・トレーニング
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「パタカラ体操」や「あいうべ体操」「舌ストレッチ」「早口言葉の練習」など、口と舌・頬の筋肉を動かす運動を毎日やりましょう。
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舌を突き出したり、戻したり、舌を動かしたりする「舌トレーニング」は、食べる・話す・飲み続ける機能に役立ちます。
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噛みむ力を維持するために、朝・夜に5分間ガムを均等なリズムで噛む「咀嚼訓練」も効果的です。
3. 食事の工夫と栄養
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食材は大きめに切ったり、やや硬めに茹でたりするので、噛む回数を増やして筋力低下を防止します。
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色々な食品をバランス良く選んで、栄養の偏りが生じないように心掛けましょう。 偏った食事はフレイル発症リスクがあります。
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一口ごとに箸を置き、よく噛んで食べることを意識しましょう。
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食事中は背筋を伸ばし、正しい姿勢で食べることで食べのものを飲み込みやすくなります。
4. 口の乾燥・唾液分泌への配慮
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唾液腺マッサージや梅干しなどすっぱいものも意識的に取りましょう。
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水分補給をこまめに行いましょう。
5. 社会参加・会話
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会話や、歌などで口の筋肉を使いましょう。人と話す機会を持つことが筋力と気持ちの両方に良い影響があります。
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通いの場やサークル活動など、地域での交流にも積極的に参加しましょう。
6. 定期的な歯科検診
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年に1回は歯医者で口腔機能検査を受け、歯や義歯のメンテナンスも行ってもらいましょう。
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口腔機能低下症と診断された場合は、健康保険での治療としてリハビリやトレーニングが受けられます。
7. 専門的なケア・治療
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歯周病や虫歯の治療、義歯の調整、噛み合わせ管理、飲み込みのリハビリ、歯のクリーニングなどは、歯科医院で専門的に指導・治療を受けることができます。
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噛む力や飲み込む力が弱かった場合、舌圧検査や咀嚼能力検査、嚥下機能検査が保険適用で受けられます。また個人に合わせたリハビリプランも立てられます。
オーラルフレイルの時代別の対策
50歳代
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歯と口の健康意識を高め、毎日の口腔ケアをしっかり行います。
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歯科健診や歯のクリーニングを定期的に受け、口腔の状態を維持します。噛む力が弱くならないよう硬いめの食材を取り入れます。
60歳代
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小さな違和感(食べこぼし・むせ・口の乾燥など)があれば、歯医者で口腔機能低下症の検査を受けて見ましょう。
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歯周病の治療や義歯の調整、唾液腺マッサージ、あいうべ体操など積極的な「口腔機能の維持」のための生活習慣を実践しましょう。
70歳代
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専門家指導のもと、口腔機能検査やリハビリを受けながら、口腔機能低下の進行予防や現状維持を重視する年代です。
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飲み込みの力・噛む力・発音の力など、複数の機能を同時にトレーニングすることで、要介護予防にもつながります。
歯科での保険適用と治療について
口腔機能低下症は2018年から医療保険の対象となり、改正により対象年齢が「50歳以上」に拡大されました。
2024年度の改定では「歯科口腔リハビリテーション料3」や「口腔機能管理料」など新たな保険点数が設けられ、さらに管理や指導も保険で対応できるようになりました。
検査内容には舌圧検査・咀嚼能力検査・咬合圧検査などが含まれ、症状に応じて入れ歯、ブリッジ、口腔リハビリテーションなどの治療も保険適応となります。
50歳以上から口腔機能低下症の診断が保険で受けられるようになりました。
検査では舌圧・咀嚼・嚥下などの機能の評価ができ、最近は診断後は歯科医院で保険を使った個別リハビリや生活習慣の指導がわかります。
義歯の調整・作りや噛み合わせチェックも対象となり、初期から「口の老化対策」がしっかり受けられる仕組みです。
まとめ
オーラルフレイルは、誰でも気付かないうちに進行してしまいます。
毎日の丁寧な口腔ケアや生活習慣の工夫、そして歯医者での定期的な検査と指導を受けることで、健康で楽しい食生活をすえ長く守ることができます。
阿倍野区の西田辺えがしら歯科では、口腔機能低下症の保険適用による検査やリハビリ・トレーニング治療を行っています。
口腔機能低下に関する気になる症状があれば、ぜひご来院ください。
阿倍野区の西田辺の歯医者 西田辺えがしら歯科
IDIA国際口腔インプラント学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
歯科医師 院長 江頭伸行
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