
痛くないのに虫歯と言われた方へ
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痛くないのに虫歯と言われた方へ
虫歯の代表的な症状は「歯痛(しつう)」です。
歯がズキズキと痛み症状は、一度経験すると忘れられないほど辛いものです。
日本人は一般的にこの自発痛が生じてから歯科を受診しますが、本来はもっと早い段階で治療を始める必要があるのです。
つまり、痛いという症状が現れていなくても、虫歯になっている可能性は十分にあるのです。
そこで今回は、痛くないのに虫歯と言われて戸惑っている方に向けたコラムを阿倍野区の歯医者、西田辺えがしら歯科がお届けします。
ズキズキとした痛みは進行した虫歯の症状
虫歯は、進行度によって症状が大きく異なります。
冒頭で取り上げた「歯がズキズキと痛む」症状は、神経まで侵された「C3」で生じるのが一般的です。
歯の神経と血管で構成される歯髄(しずい)が直接、細菌に感染しているため、安静時にも強い痛みが生じるのです。
患者さんの多くはこれを「虫歯による痛み」と捉えており、歯科医院での治療が必要となるひとつの目安と考えている方も少なくないことでしょう。
けれども、繰り返しになりますがこの段階は「C3」です。
虫歯が発生してから長い経過をたどっているだけでなく、もうすでに歯の神経を残すことができない状態まで進んでいることを理解しましょう。
COからC2までの虫歯の症状について
CO(シーオー)は、要観察歯とも呼ばれる段階で、歯の表面に穴が開いておらず、痛みも感じません。
この段階では積極的な虫歯治療を行うことはまずありません。
C1はエナメル質の虫歯で、痛みは感じないものの、歯の表面に穴は開いています。
痛くないのに虫歯と言われた方の多くは、この段階に当てはまるものと考えられます。
エナメル質には歯の神経が分布しておらず、歯痛が生じる可能性も限りなく低いのですが、自然治癒は見込めないため切削処置が必要となります。
C2は、象牙質の虫歯で、冷たいものがしみやすくなります。
人によっては症状が一切現れないことから、「痛くないのに虫歯と言われた」と不安に感じる場合もあるでしょう。当然ですが象牙質の虫歯は治療が必須となります。
歯の神経との距離が近い場合は、抜髄(ばつずい)が必要となることもあります。
虫歯は痛みだけで判断するのは危険
このように、虫歯に伴う痛みは、数ある症状のひとつでしかありません。
ですから、虫歯を痛みの有無だけで判断するのは誤りであり、同時に危険でもあります。
なぜなら痛みがないからといって放置すると、虫歯がどんどん進行していってしまうからです。
痛みが出た頃には歯の神経まで侵されており、抜髄や根管治療を行わなければ治せなくなることも珍しくないのです。
そうならないためにも「これって虫歯かも?」と感じた時点で、歯科を受診するようにしてください。
歯医者が虫歯の有無を誤診することはまずありません
今回は、「痛くないのに虫歯と言われた」という方に向けて、その理由を解説しました。
この場合はおそらく歯科医師が虫歯を誤診していたり、虫歯になっていないのに無理やり治療しようとしたりしているものと不安になっているかと思いますが、その可能性は限りなくゼロに近いといえますのでご安心ください。
歯科医師は痛み以外の所見でも虫歯の有無や進行度を診断できます。
ですから、痛くないのに虫歯と言われた場合は、どのような理由で診断を下したのか質問すると良いでしょう。
誠実な歯科医師であれば、わかりやすく説明してくれるはずです。
まとめ
虫歯は、進行段階によって症状が変わる病気なので、痛みだけにとらわれるのは良くありません。
歯の表面に白いシミができたり、穴が開いていたりした場合は、虫歯が疑われることから、できるだけ早く歯科を受診しましょう。
3ヵ月に1回くらいの頻度でメンテナンスを受けていれば、虫歯の早期発見・早期治療も難しくなくなります。
阿倍野区の西田辺の歯医者 西田辺えがしら歯科
IDIA国際口腔インプラント学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
歯科医師 院長 江頭伸行