新型コロナウイルス予防と口腔ケアの重要性
新型コロナウイルスの予防法として、現段階ではインフルエンザウイルスと同じ予防法を徹底するよう厚生労働省からも通達があります。
インフルエンザの予防法の一つに「口腔ケア(歯のクリーニング)」が上がっています。
インフルエンザについての話をすると、インフルエンザウイルスは発症のために重要な2つの酵素を持っています。
HA(ヘマグルチニン:赤血球凝集酵素)…宿主細胞への侵入に関与する
NA(ノイラミニダーゼ:酵素)…ウイルスの増殖と拡散に関与する
この2つの酵素は、インフルエンザ・ウイルスが存在しなくても、口腔内の細菌が出す酵素でもあります。
この酵素が多いと、ウイルスがヒトの体に侵入し増殖と拡散しやすくなります。
つまり、口腔内が不潔であるとインフルエンザに感染しやすいと考えられる。
研究結果では、歯科衛生士が口腔ケアに介入した場合は介入していない場合に比べ10分の1までインフルエンザ発症率を軽減したと報告があります。
よって新型コロナウイルス肺炎予防とて口腔ケアの重要性が増しています。
また、米国CDC(Centers for Disease Control and Preventionアメリカ疾病予防管理センター)ガイドラインにも肺炎予防対策のひとつに「口腔ケア」が明記されており、先進国において口腔ケアの重要性は議論の余地がないものとなっております。
口腔ケアによる効果は、唾液細菌数や酵素活性を低下させるだけではありません。
口腔粘膜や口腔周囲筋を刺激することで、口呼吸を防ぎ唾液分泌も促す作用もあります。
これもインフルエンザ予防につながります。
タミフルやリレンザに代表される抗ウイルス薬は、発症後48時間以内に投与すると、発熱期間を短縮させることで効果を発揮するという。
しかし、48時間以上経過するとウイルスが増殖しきってしまい効き目がなくなります。
抗ウイルス薬はウイルスを感染を防ぎ、殺ウイルスするわけではなく、ウイルスの増殖を防ぐ予防薬です。
歯科衛生士による口腔ケア(歯のクリーニング)を受けることはインフルエンザ、新型コロナウイルス等の予防に効果が期待できることをご理解いただければ幸いです。
またご家族、ご友人でご心配されている方にもお伝え頂けると助かります。
そして、この事態が一刻も早く収束ことを医師・スタッフ一同、心より願っております
当院では、安心してご来院頂けるように下記の新型コロナウィルスによる感染予防の対策を行って診療しております。
・院内外のドアノブや自動ドア、受付カウンター、トイレノブ等を手指が触れる箇所を1日3回以上消毒
・診療室内に空気清浄機(プラズマクラスター)の設置
(下記は以前より行っています)
・「滅菌シート」に入れ、高圧蒸気を使った「オートクレーブ」で滅菌処理
・タービン・ハンドピース(歯を削る機器)は、毎回、専用の滅菌機DAC Universalで洗浄・滅菌
・患者さん毎にチェア、チェア周り、治療中に触れる部分の消毒
・使い捨てグローブ、コップ、ヘッドレストカバー、エプロンの使用
・スタッフは常時マスク着用で対応
2020年3月
阿倍野区の歯医者 西田辺えがしら歯科
歯科医師 院長 江頭伸行