自然放射線と人工放射線
医療機関でレントゲン検査を受けた時の被爆についての不安を感じる方は多くいらっしゃいます。
少しでも不安を解消して頂くことを目的として記載しております。
日本人の3大死因は、がん(悪性新生物)、心疾患、脳血管疾患となっています。
「がん」は被ばくの影響で発生することがあります。
「がん」の全てが放射線が原因ではありません。
もし「がん」が発生しても被爆によるものなのか、自然に発生したものなのか判別できません。
しかし、ある一定量以上の放射線をあび被爆すると「がんになる確率が上昇する」との統計が出ています。
そこで、
国の規定では、一般の人が受ける放射線量としては、年間1ミリシーベルト以下としています。
緊急時は20~100ミリシーベルト、 緊急事故後の復旧時は年間1~20ミリシーベルトとなっています。
放射線には、自然放射線と人工放射線の2種類がります。
自然放射線
1. 太陽や宇宙から
太陽の光や熱は、太陽で水素原子と水素原子が核融合しHe(ヘリューム)になるときに発生します。
核融合が起きているので放射線も発生しています。
太陽では第2次世界大戦終結時に長崎で落とされた水爆がずっと起きている状態なのです。
年間2.4ミリシーベルト被爆している。
これを自然放射線として私たちは、日々浴びています。
大気中の空気に放射線があたり、弱まって地上に到達しています。
ちなみに飛行機は高いところを飛ぶため、被爆量は地上と比べて高くなります。
国内線の飛行では1回あたり約0.003ミリシーベルトの被爆と推定されています。
国際線の東京―ニューヨーク間は高度約1万メートルで飛びます。
この時、往復で約0.19ミリシーベルトです。
2. 地面から
石や土にごく少量かに含まれるウラン、プルトニウム、トリウム、ラジウム、カリウム40から、年間約0.33ミリシーベルトの被爆しています。
3. 空気中から
気体の放射性物質ラドンという物資により年間約0.48ミリシーベルト。
4. 食物から
ほとんどの食物には放射線を出すカリウム40などが含まれて年間約0.98ミリシーベルト。
人工放射線
歯科においてレントゲンはとても有効な検査方法です。
他の医科のレントゲン診断よりも、歯科においては 歯や骨など固い組織を主に扱います。
レントゲンは歯や骨、詰め物、金属などが白ぽく写ります。
逆に黒い写るところは、何もないところか、柔らかいところが黒くなります。
私たち歯科医師がレントゲンを見て診断するのは、本来白っぽいく写らなければならない所が黒くなっていたりすると虫歯によって穴が開いている、そんな診断をします。
虫歯の診断は虫歯の深さ、目では見えない歯と歯の間、詰め物の下や隙間などがレントゲンで見えてきます。
歯周病においても歯に対する歯茎の骨の位置を見ます。
通常、あるべき骨の位置までないと、歯茎の骨が歯周病で溶かされて骨が下がってきている、そんな診断をします。
1. 医療用放射線
医療用放射線レントゲンやCTなどによる診断やがんの治療など医療現場で使われる放射線です。
日本人が医療現場で受ける平均放射線量は、年間約3.87ミリシーベルト。
さて、歯のレントゲン写真は、どのくらいの放射線量なのでしょうか?
レントゲンの機種や撮影する部位にもよります。
歯科医院で撮影する部分的なレントゲン写真(デンタルエックス線撮影)の放射線量は1枚あたり0.001ミリシーベルト。
ほぼ問題にならない放射線量です。
急を要する場合において、妊婦のレントゲン撮影もこのデンタルエックス線撮影を最低の撮影を行います。
パノラマレントゲンは一枚のレントゲン写真に顎全体が写る撮影法です。
ざっと全体の顎を見渡すことができるので広い範囲での異常所見がわかりやすいです。
口全体を撮影するパノラマレントゲン写真の放射線量は1枚あたり0.02~0.03ミリシーベルト。
CT(コンピューター断層撮影)は骨や歯を3D画像として立体画像として見ることができます。
医科での胸部CT撮影は約6.9ミリシーベルト。
歯科用CTでは0.01~0.12ミリシーベルトです。(あくまで当院調べでの線量になります。)
2. 原子力発電所
場所により差が大きく、ここで詳しくは記載しません。
原子力発電所についての議論は色々とありますが、医療現場としては診断に必要な最低限の放射線は、言うまでも無く人の健康に有意義であるといえます。
放射線とは上手に付き合っていくようにしたいものですね。
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阿倍野区の歯医者 西田辺えがしら歯科
歯科医師 院長 江頭伸行
大阪市 阿倍野区 西田辺 医療法人優伸会 えがしら歯科