アマルガム 歯科 阿倍野区 西田辺えがしら歯科

アマルガムの見分け方と対処法

アマルガム 歯科 阿倍野区 西田辺えがしら歯科

歯科用アマルガムの見分け方と対処法ついて、阿倍野区の歯医者 西田辺えがしら歯科の歯の豆知識ページです。

アマルガムとは何か

アマルガムは、昔に虫歯治療で歯にできた穴を直接詰めるために使われてきた歯科材料です。

一般的に「銀歯」と呼ばれ、詰めるときは軟らかく、歯にしっかり密着して封鎖します。

詰め終わると非常に硬くなり、強い噛み合わせにも耐えられます。
アマルガムは150年以上の歴史があり、銀・銅・錫などの金属粉末と水銀を混ぜて作られます。

世界と日本でのアマルガムの使用状況

現在、アマルガムの使用は世界的に大きく減少しています。

水銀を含むことから環境への配慮で使用を認めない国も増えていますが、欧米の一部や発展途上国などでは今も使われています。

日本では30年ほど前から使用が減り、現在ではほとんど使われていません。
歯学教育でもアマルガムの実習は行われていません。

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アマルガムの特徴と他材料との違い

メリット

  • 歴史が長く、耐久性・操作性に優れる
  • 強度があり、強い噛み合わせにも耐える
  • 比較的安価で、設備が少ない環境でも使用可能

デメリット

  • 金属色で目立つ
  • 歯に接着しない
  • 水銀を含む

近年の動向

歯の色に近いプラスチックやセメントなど、接着性・審美性・安全性に優れた材料が普及し、アマルガムの使用は減少しています。

見分け方・見た目の特徴

  • 銀色から黒っぽく変色していることが多い
  • 強い金属光沢がある
  • 奥歯の溝や小さな虫歯部位に使われることが多い
  • 歯と詰め物の境目がはっきりしている

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他の詰め物との比較

詰め物の種類 色・光沢 使用部位 経年変化
アマルガム 銀~黒色、強い光沢 奥歯の溝や小範囲 黒ずみやすい
銀歯(パラジウム合金) 明るい銀色、やや強い光沢 奥歯の広い範囲 やや黄みがかる
レジン(樹脂) 白~乳白色、光沢なし 前歯・小さな虫歯 着色や変色

歯科医院での確認

歯科医師であれば、見た目やレントゲン写真などからアマルガムかどうかを判断できます。

ご自身での判断が難しい場合は、歯科医院で相談しましょう。

アマルガムの安全性とリスク

  • アマルガムは、混ぜ合わせた後は化学的に非常に安定しており、通常の使用で水銀が溶け出すことはありません。
  • これまでの研究でも、アマルガムが人体に有害であるという科学的根拠はありません。
  • 水俣病の原因となった有機水銀(メチル水銀)とは異なり、アマルガムの水銀は無機(金属)で安定しています。
  • 金属アレルギーの心配がある場合は、アマルガム以外の金属も原因となり得ますので、皮膚科や専門医に相談しましょう。

除去・交換のタイミングと注意点

すぐに除去する必要はありません。

水銀が含まれていることだけを理由に除去する必要はありません。詰め物の周囲に虫歯ができた、詰め物が外れた、欠けた、見た目を改善したい場合などには交換を検討します。

除去時のリスク

アマルガムを削って除去する際、水銀が蒸気化し吸い込むリスクがあります。そのため、歯科医院ではラバーダム(ゴムシート)で口腔内を隔離し、吸引器を使って安全に除去します。

妊婦・授乳中の方へ

アマルガムは安定しており、胎児への影響は報告されていませんが、不要な除去は避け、出産や授乳が終わってから相談しましょう。

見た目の改善も可能

見た目を良くしたい場合、アマルガムを白い詰め物(レジンやセラミック)に交換することもできます。

よくある質問

Q. アマルガムの詰め物が取れて飲み込んでしまいました。大丈夫ですか?
→ ほとんどの場合、体に害はなく自然に排泄されます。気になる場合は歯科医師にご相談ください。

Q. アマルガムが全身の不調や精神障害の原因になることはありますか?
→ 科学的な因果関係は報告されていません。

Q. アマルガムと他の金属の詰め物の区別は自分でできますか?
→ 難しい場合もあるので、歯科医師に診てもらいましょう。

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自分でできるケアと相談のタイミング

  • 毎日の歯磨きやフロスで虫歯や詰め物の虫歯の再発や劣化を防ぐ
  • 定期的な歯科検診を受ける
  • アマルガムが欠けた、外れた、見た目が気になる、金属アレルギーが疑われる場合は、早めに歯科医院に相談する
  • 無理に自分で取ろうとせず、必ず専門家に相談する

当院でのアマルガムの対応

今回はアマルガムの見分け方と対処法について解説しました。

アマルガムは長い歴史と実績があり、強度も優れ安定した歯科材料です。私自身にも小学生時代のアマルガムが口腔に残っております。

当院ではアマルガムがあるからとの理由だけでのアマルガムの除去は積極的には行っておりません。

しかしアマルガムに不安を感じるようであれば除去しています。

不安や疑問があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
患者さんの安全と安心を第一に、丁寧にご説明・ご提案いたします。

阿倍野区の西田辺の歯医者 西田辺えがしら歯科
IDIA国際口腔インプラント学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
歯科医師 院長 江頭伸行

参考

参議院「歯科用水銀アマルガムに関する質問主意書

https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/153/syuh/s153002.htm

大阪大学歯学部同窓会「歯科用アマルガム(に含まれる水銀)に関する Q & A 集
https://www.ousda.jp/cmsdesigner/data/entry/saisin_news/saisin_news.03922.00000002.pdf