義歯・入れ歯の治療において、今まで当院で多く質問のあった事項をQ&Aとしてまとめました。
Q:入れ歯を作るメリットは何ですか?
【ANSER】
失った歯の審美性・機能性を回復させることができます。
歯を失うと、歯列内に欠損が生じて見た目が悪くなります。
そしゃく能率も低下して、食べ物が噛みにくくなります。さらには、全体の歯並びが悪くなったり、発音しにくくなったりするなどの症状が現れてきます。
ご自身に合った入れ歯を作り、毎日装着することで、そうしたトラブルを回避することが可能になります。
Q:入れ歯がズレる・外れるのはなぜですか?
【ANSER】
入れ歯の適合性が悪いからです。
入れ歯は、患者さまご自身で着脱する装置であり、もともと不安定になりやすい点にご注意ください。
ブリッジのような固定式の装置ではないため、強い力がかかるとズレたり、外れたりしてしまいます。
ただし、型取りや入れ歯の製作を精密に行うことで適合性が高まり、入れ歯がズレたり外れたりすることも少なくなります。
今現在お使いの入れ歯でも、調整を加えることで不快な症状を緩和できます。
Q:虫歯で歯を失ったのですが、ブリッジと入れ歯どちらが良いですか?
【ANSER】
失った歯の本数によって最善といえる治療法は変わってきます。
ブリッジと入れ歯は、適応症に大きな違いがあります。例えば、歯を1本だけ失った場合は、ブリッジの方が適しています。
両隣の歯を大きく削る必要がありますが、歯列に内にしっかり固定できるため、安定性の高い人工歯が手に入ります。
ちなみに、どうしても健康な歯を削りたくないという人は、1本の欠損でも入れ歯を製作することができます。
歯を3本以上失った場合は、ブリッジで補うのはなかなか難しいので、入れ歯の方が適しているといえます。
Q:保険の入れ歯と自費の入れ歯は何が違いますか?
【ANSER】
使用できる材料と仕上がりが大きく異なります。
保険の入れ歯では、原則としてプラスチックであるレジンしか使用できません。
レジン歯と、アクリルレジンで作られた義歯床(ぎししょう)で構成されており、審美性・耐久性・機能性は自費の入れ歯に劣ります。
部分入れ歯に関しては、金属製のクラスプが付随することになります。
自費診療では、セラミックの人工歯を用いたり、クラスプのない部分入れ歯を設計したりすることが可能で、審美性・耐久性・機能性を追求することができます。
Q:作ったばかりの入れ歯が合わないのですが不良品でしょうか?
【ANSER】
入れ歯は調整を加えながら使っていくものです。
入れ歯はとても複雑な装置なので、完成直後からぴったり適合させるのはなかなか難しいです。
試適の段階で装着感が良くても、食べたり、しゃべったり、笑ったりすることで起こる口腔組織の動きに上手く適合できないことがあるからです。
とはいえ、不具合がある部分を少しずつ調整することで、装着感も改善されていきますので、それほど心配する必要はありません。
Q:入れ歯を着けたまま眠っても問題ありませんか?
【ANSER】
基本的には眠る前に外してください。
入れ歯は、特別な理由がない限り、就寝前に外してください。
入れ歯をつけたまま眠ると、顎が疲れるだけでなく、口腔衛生状態も悪くなります。
眠る前にお掃除をして、入れ歯洗浄剤や保存液に浸けましょう。歯科医師からの指示がある場合、入れ歯を着けたまま眠っても問題ありません。
Q:金属の入れ歯だとどうして食事が美味しくなるのですか?
【ANSER】
食べ物の温度が伝わりやすくなるからです。
自費診療では、金属床(きんぞくしょう)の入れ歯を作ることができます。
金属は丈夫なので、床を薄くすることができ、装着時の違和感・異物感を最小限に抑えられます。
また、金属は熱伝導率が高いことから、食べ物の温度が伝わりやすいので、食事がさらに楽しくなります。
Q:入れ歯治療にはどのくらいの期間がかかりますか?
【ANSER】
一般的には1~2ヶ月で完成します。
入れ歯の製作期間は、保険診療と自費診療で大きく異なります。
使用できる材料や時間に制限がある保険診療では、1ヶ月程度で入れ歯が完成しますが、審美性や機能性を追求する自費診療では、2ヶ月程度の期間を要することも珍しくありません。
Q:入れ歯を着けると老けて見えるようになりませんか?
【ANSER】
入れ歯を着けると若く見える人の方が多いです。
失った歯を放置すると、お顔が老けて見えるようになります。これは歯の欠損によってかみ合わせが深くなったり、お口周りの筋肉が衰えたりするためのです。
入れ歯を装着することでそうした症状を改善でき、結果として若々しく見えるようになります。
Q:入れ歯は痛くないですか?
【ANSER】
適合の良い入れ歯は痛くないです。
入れ歯は大型の装置なので、適合が悪いといろいろな部位に不快症状が現れます。
痛みのような強い症状が出ている場合は、調整することで改善できます。
Q:入れ歯を装着するとしゃべりにくくなりそうで不安です。
【ANSER】
入れ歯によるしゃべりにくさは慣れによって改善されます。
入れ歯は、失った歯の機能を補ってくれる優れた装置ですが、あくまで異物であり、しゃべりにくさを感じることはあります。
それは発音する際に重要な役割を担う舌の動きが制限されるからです。
けれども、そうした発音障害は、入れ歯に慣れることで少しずつ改善されていきますのでご安心ください。
Q:入れ歯に慣れるまではどのくらいの期間が必要ですか?
【ANSER】
1~2週間で徐々に慣れてきます。
入れ歯に慣れるまでの期間には個人差がありますが、装着から1~2週間経過すると、徐々に慣れてきます。
場合によって1ヶ月程度かかるかもしれませんが、焦らずじっくり頑張っていきましょう。