歯科口腔外科についてのQ&A
当院で実際に患者さんから歯科口腔外科について受けた質問をQ&A形式で記載しました。
Q:口腔外科は歯医者さんですか?それともお医者さんですか?
【ANSER】
口腔外科は歯医者さんです。
口腔外科は、大学病院などの大きな医療施設に設置されていることが多く、医科の診療科のひとつとして思われがちです。
また、「歯科口腔外科」といったようにわざわざ“歯科”という表記がされていることから、医科にも口腔外科が存在しているようにも思えますよね。
実際は、歯科にしか存在しておらず、そこで働く人も皆、歯科医師です。
ただし、外科処置がメインとなる点においては、その他の歯科の診療科とは大きく異なります。
Q:親知らずはなぜ抜歯しなければならないのですか?
【ANSER】
親知らずは生え方が悪く、周囲の組織に悪影響を及ぼしやすいからです。
親知らずの治療で、抜歯が適応されるケースは極めて多いです。
これは親知らずの生え方が悪いことに起因しています。例えば、親知らずが虫歯や歯周病にかかり、通常の治療を行ったとしても清掃性が悪いため、すぐにまた再発してしまうことも珍しくないのです。
また、生え方が悪い親知らずは、手前の歯を圧迫して歯根吸収を引き起こしたり、全体の歯ならび・かみ合わせを乱したりすることから、抜歯が第一選択となりやすくなっています。
Q:抜かなくてもいい親知らずはありますか?
【ANSER】
正常に生えている親知らずは抜く必要がありません。
真っすぐ正常に生えていて、トラブルを起こしていない親知らずは抜かずに保存した方が良いです。
将来、歯を失った際の移植歯として使用できたり、ブリッジの支台歯に用いたりすることが可能だからです。
親知らずもかけがえのない天然歯のひとつであることに変わりはありません。
Q:親知らずの抜歯は痛いですか?
【ANSER】
処置中は麻酔が効いているので痛くありません。
親知らずの抜歯をする際には、必ず麻酔をかけます。一般的には局所麻酔を施しますが、口腔外科ではより効果の高い伝達麻酔を行うこともあります。
いずれにせよ、親知らずを抜いている最中に強い痛みを感じることはありません。
ただし、治療後に麻酔の効果が切れると痛みが生じることがありますので、適宜、処方された痛み止めを飲むようにしましょう。
Q:親知らずの抜歯はどれくらい腫れますか?
【ANSER】
術後の腫れはケースによって大きく異なります。
親知らずを抜いた後は、少なからず顎が腫れます。患部は外傷を受けた状態と変わりないため、人によっては大きく腫れることもありますが、数日で症状は治まります。
処方された腫れ止めを飲むことで、顎の腫脹を最小限に抑えることができます。
Q:親知らずの抜歯で気を付けることはありますか?
【ANSER】
抜歯直後にうがいをしすぎないようにしてください。
親知らずの抜歯直後は、傷口から出血が認められるため、不快な気持ちになるかと思いますが、繰り返しうがいをするようなことは避けてください。
お口の中を何度もゆすいでしまうと、傷口にかさぶたができず、治りが遅くなります。
最悪なケースでは、傷口で細菌感染が起こり、顎の骨が一部露出するような症状が現れます。
これを専門的には「ドライソケット」といいます。患部を歯ブラシで強く磨くようなことも避けてください。
Q:顎がカクカクなるのはなぜですか?
【ANSER】
顎関節に異常があり、お口の開け閉めを妨げているからです。
口を開け閉めする際に顎がカクカクと鳴る音を「クリック音」といいます。
顎の関節に存在している「関節円板(かんせつえんばん)」がズレているため、口の開閉時に雑音が生じます。
そのまま放置すると症状が悪化するおそれがあるので、一度、口腔外科で診てもらうことをおすすめします。
Q:顎関節症はどうやって治すのですか?
【ANSER】
マウスピースを使用するスプリント療法が一般的です。
顎関節症が「歯ぎしり・食いしばり」といった悪習癖に由来する場合は、マウスピースを用いたスプリント療法が有効です。就寝前にマウスピースを装着して、歯ぎしりによる顎への負担を緩和します。
その他、かみ合わせの調整や顎の筋肉のマッサージなどによって、顎関節症の症状を和らげることもあります。
Q:顎関節症を放置するとどうなりますか?
【ANSER】
症状がなくなる人と、重症化する人にわかれます。
顎関節症は、人によって進行の仕方が変わります。
30代になると症状が自然と消失する人もいれば、次第に重症化していく人もいます。
大切なのは専門家に診てもらい、現状を正確に把握することですので、気になる症状がある方は口腔外科を受診しましょう。
Q:顎関節症の原因は何ですか?
【ANSER】
歯ぎしりやストレス、頬杖をつく癖などさまざまです。
顎関節症の原因は、極めて多岐にわたります。
多くの患者さまにかみ合わせの悪さや歯ぎしり・食いしばりといった悪習癖が認められますが、ストレスが大きな原因となることもあります。
そのため、顎関節症を根本から治療するとなると、それなりに時間がかかります。
Q:口内炎は歯医者さんで治療できますか?
【ANSER】
お口の専門家である歯科で診断・治療できます。
歯医者さんは、歯だけでなく舌や歯茎も含めたお口全体の専門家ですので、口腔粘膜に生じる口内炎の診断、治療も行えます。
Q.「のう胞」とは何ですか?
【ANSER】
身体の中に生じる袋状の病的な構造物です。
お口の中では、歯根のう胞や含歯性のう胞、粘液のう胞などが生じます。
それぞれ原因や症状が異なるため、まずは精密に検査する必要があります。
唇や舌、頬といった軟組織にできるのう胞なら、当院でも手術が行えます。
Q:良性腫瘍と悪性腫瘍の違いを教えてください。
【ANSER】
悪性腫瘍は周囲の組織に転移し、臓器などをボロボロに破壊します。
良性腫瘍は、転移するリスクが極めて低いので、切除や摘出を容易に行えます。
そのため、当院では比較的小さな良性腫瘍の治療にも対応しております。
悪性腫瘍の治療は、大学病院のような専門医療機関でなければ、安全に治療することができません。