歯茎にできる「歯肉がん」の見分け方(画像あり)
歯茎にできる「歯肉がん」の見分け方についての、阿倍野区の西田辺えがしら歯科の歯の豆知識ページです。
歯茎である歯肉(しにく)には、いろいろなデキモノが生じます。
口内炎程度なら大きな問題にはなりませんが、歯の根のあたりに膿の袋ができたり、悪性腫瘍が発生したりした場合は早急に治療を受ける必要が出てきます。
ただ、口腔粘膜は身体の大部分を覆っている皮膚とは特徴が異なるため、何が異常で何が正常のか見分けにくいのが現実ですよね。
そこで今回は、歯肉に生じる最も深刻なデキモノともいえる「歯肉癌」の見分け方について阿倍野区西田辺の歯医者 西田辺えがしら歯科が解説します。
目次
そもそも歯肉癌って?
歯肉がんとは、文字通り歯茎である歯肉にできる悪性腫瘍です。
口腔がんの中では舌癌に次いで2番目に多く、全体の25%を占め、上顎より下顎に生じやすいという特徴があります。
すべてのがんの中で口腔がんが占める割合は2%なので、胃がんや肺がんと比べるとかなり稀な病気であるといえます。
歯肉がんの特徴
歯肉がんは悪性腫瘍の一種なので、歯肉に広く浸潤するような症状が認められます。
進行すると粘膜のただれや出血、痛みなども伴います。リンパ節に転移した場合は、口腔周囲にしこりが認められることもあります。
口内炎との違いは?
単なる口内炎との違いには、どんな違いがあつのでしょうか。
2週間以内に治るなら口内炎?
初期の歯肉がんと口内炎は、一般の人が見分けることができません。
そこでまずは口内炎の治り方に注目しましょう。
何らかの理由で口内炎ができて2週間以内に治ったのであれば、歯肉がんの可能性もかなり低くなります。
2週間以上経過しても治らず、むしろ症状が悪化していくようであれば、何らかの異常が考えられます。
ただし、合わない入れ歯や矯正器具などが原因で口内炎が生じている場合は、2週間経っても治癒することはないため、それぞれの装置の異常を改善することから始めましょう。
肥大化したり硬化したりする部位がある
歯茎のデキモノで組織が肥大化したり、部分的に硬くなったりしているようであれば要注意です。
口内炎でそのような症状が現れることはなく、歯肉がんなどの悪性腫瘍が疑われます。
病変の範囲が広く、白色や紅色を呈している
一般的な口内炎では、発赤や腫脹などが局所的に現れます。
そうした症状が広範囲に認められ、白いレース状の模様や紅色の変化が現れているような場合は要注意です。
悪性腫瘍の可能性が高いといえるでしょう。
食べ物が噛みにくい・飲み込みにくい
歯肉にできた口内炎では、基本的に食べ物が噛みにくかったり、飲み込みにくかったりすることはありませんよね。
もちろん、口内炎ができた場所によっては噛んだ時に病変が刺激されて痛いと感じることはありますが、嚥下まで阻害されることは稀といえます。
一方、歯肉がんは浸潤性の病気であり、見た目以上に広く進展しているケースも珍しくありません。
その結果、噛んだり飲み込んだりする際の運動が阻害されて、食べ物が噛みにくい・飲み込みにくいという症状に悩まされることもあるのです。
根尖病巣との違いは?
虫歯を重症化させると、根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)という病気が誘発されることがあります。
歯の根の先に膿の塊ができる病気で、歯茎にもポッコリと膨らんだデキモノが確認できます。
その見た目は明らかに悪性腫瘍とは特徴が異なるため、一般の人でも見分けるのは容易といえます。
まとめ
今回は、歯茎にできる悪性腫瘍である「歯肉がん」の見分け方について阿倍野区西田辺の歯医者 西田辺えがしら歯科が解説しました。
誰もがかかるような病気ではありませんが、発症した場合は早急な処置が求められますので、日頃から十分に注意するようにしましょう。
毎日鏡の前でご自身のお口の中をチェックするだけでも、歯茎の異常を発見しやすくなりますよ。3ヵ月に1回程度の定期検診を受けていればなお良いでしょう。
何かございましたら、阿倍野区西田辺の歯医者 西田辺えがしら歯科までお気軽にご連絡ください。
阿倍野区西田辺の歯医者 西田辺えがしら歯科
歯科医師 院長 江頭伸行