歯列接触癖 TCH 歯ぎしり 食いしばり 阿倍野区 西田辺えがしら歯科

歯が痛いのに虫歯じゃない?歯列接触癖(TCH)が原因かも

歯列接触癖 TCH 歯ぎしり 食いしばり 阿倍野区 西田辺えがしら歯科

「歯が痛いのに、虫歯ではないと言われた」
「噛みしめると違和感がある」
「歯が浮いたような感じがする」
「朝起きると顎が痛い」

このような症状で来院される方は、少なくありません。

歯が痛いと聞くと、多くの方はまず虫歯を心配されます。
もちろん、虫歯が原因で歯が痛くなることはよくあります。
また、歯周病や歯の根の病気、歯のヒビ、詰め物や被せ物の不具合などが関係していることもあります。

ただ、検査をしても大きな虫歯が見つからない、レントゲンでもはっきりした異常が確認できない、それでも歯や顎の違和感が続く。
そういった場合に、確認しておきたいことのひとつが「歯列接触癖」です。

歯列接触癖は、TCHとも呼ばれます。
TCHは「Tooth Contacting Habit」の略で、食事や会話をしていない時にも、無意識のうちに上下の歯を触れ合わせている癖のことです。

「歯を食いしばっているわけではないから、自分には関係ない」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
けれども、TCHは強い食いしばりだけを指すものではありません。
ご本人が気づかないくらいの弱い力で、上下の歯が長い時間触れている状態も含まれます。

この「弱いけれど長く続く歯の接触」が、歯や歯ぐき、顎の筋肉、顎関節に負担をかけることがあります。

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本来、上下の歯は少し離れています

患者さんとお話ししていると、「口を閉じている時は、上下の歯も触れているのが普通だと思っていました」と言われることがあります。

実は、リラックスしている時は、唇を閉じていても上下の歯は少し離れているのが自然です。
日本歯科医師会の解説でも、何もしていない時には上下の歯の間に2〜3mmほどのすき間がある状態が望ましいとされています。

歯が触れるのは、食事をしている時や飲み込む時、会話の一部などです。普
段からずっと上下の歯が触れているわけではありません。
通常、上下の歯が接触している時間は、1日のうち十数分程度といわれています。
歯科領域では10〜12分程度、あるいは15〜20分程度と説明されることもありますが、いずれにしても、歯が触れている時間は1日の中ではごく短い時間です。

ところが、パソコン作業をしている時、スマートフォンを見ている時、家事をしている時、運転している時、細かい作業に集中している時などに、無意識に歯が触れている方がいます。

一度、ご自身でも確認してみてください。
今この文章を読んでいる瞬間、上下の奥歯は触れていませんか。
もし触れていたら、そっと顎の力を抜いて、歯と歯を離してみてください。

このように、普段の何気ない時間に歯が触れていることがあります。
TCHの難しいところは、強い痛みや音が出るわけではないため、自分ではなかなか気づきにくい点です。

強く噛んでいなくても、負担になることがあります

TCHは、夜間の歯ぎしりや強い食いしばりとは少し違います。

歯ぎしりの場合は、歯がすり減っていたり、ご家族から「寝ている時にギリギリ音がしている」と言われたりして気づくことがあります。
強い食いしばりの場合は、朝起きた時に顎が疲れている、こめかみのあたりが重い、奥歯に強い力がかかっている感じがする、という方もいます。

一方でTCHは、もっと静かです。
弱い力で上下の歯が触れているだけなので、ご本人には「噛んでいる」という自覚がないこともよくあります。

しかし、弱い力でも長く続けば、歯や顎には負担になります。軽い荷物でも、長時間ずっと持ち続けていると腕が疲れるのと似ています。
短い時間なら問題になりにくいことでも、それが毎日長く続くと、歯を支える組織や顎まわりの筋肉が休みにくくなります。

その結果、歯が浮いたように感じたり、噛んだ時に違和感が出たり、顎がだるく感じたりすることがあります。

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TCHと関係することがある症状

歯の痛みや違和感には、いろいろな原因があります。
TCHがあるからといって、すべての症状がTCHだけで起こるわけではありません。
虫歯、歯周病、歯の根の病気、歯のヒビ、噛み合わせ、知覚過敏など、他の原因が隠れていることもあります。

そのうえで、TCHがある方では、次のような症状と関係していることがあります。

  • 虫歯ではないのに歯が痛い、歯が浮いたように感じる
  • 噛んだ時に違和感がある
  • 歯がしみるように感じる
  • 顎が疲れやすい、顎まわりがだるい
  • 口を開けにくい、顎を動かすと違和感がある
  • 噛み合わせが気になって、何度も歯を合わせてしまう

特に、
「虫歯ではないと言われたのに痛みが気になる」「治療した歯の違和感がなかなか取れない」「噛み合わせがずっと気になる」という場合には、歯そのものの問題だけでなく、歯にかかる力の影響も考えていく必要があります。

歯の根の周りには、歯根膜という薄い組織があります。
歯根膜は、噛んだ時の感覚を受け取る大切な部分です。
上下の歯が長時間触れ続けていると、この歯根膜にも負担がかかり、歯が浮いたような感じや、噛んだ時の違和感につながることがあります。

「痛い=必ず虫歯」とは限りません。
だからこそ、歯の状態だけでなく、日常生活の中で歯にどのような力がかかっているかを見ることも大切です。

なぜTCHが起こるのでしょうか

TCHは、特別な人だけに起こる癖ではありません。日常生活の中で、誰にでも起こり得ます。

たとえば、パソコンやスマートフォンを長時間使っている時は、姿勢が前かがみになりやすくなります。
顔が少し下を向き、顎まわりに力が入りやすい姿勢になると、上下の歯が触れやすくなることがあります。

また、仕事や勉強に集中している時や緊張している時、考え事をしている時、細かい作業をしている時にも無意識に歯を触れ合わせていることがあります。

ここで大切なのは、TCHがあるからといって「気にしすぎ」や「性格の問題」と考えないことです。
多くの場合、TCHは無意識の習慣です。自分を責める必要はありません。

まずは、「自分はどんな時に歯が触れているのか」に気づくことが大切です。気づくことができれば、少しずつ力を抜くきっかけを作ることができます。

ご自身でできる確認方法

TCHは無意識に起こるため、普段はなかなか気づけません。
そこで、生活の中で何度か確認する時間を作ってみてください。

スマートフォンを見ている時やパソコン作業をしている時、料理をしている時、車を運転している時、テレビを見ている時など、ふとした瞬間に「今、上下の歯は触れているかな?」と確認します。

もし奥歯が触れていたら、そっと離してみましょう。強く口を開ける必要はありません。
唇は軽く閉じたままで、上下の歯が触れないように顎の力を抜くだけで十分です。

日本歯科医師会の解説では、タイマーを使って確認する方法も紹介されています。
一定の時間ごとにタイマーを鳴らし、その時に歯が触れているかどうかを確認する方法です。
何度も歯が触れていることに気づく場合は、日中の歯の接触が習慣になっている可能性があります。

ただし、これはあくまで「気づくための方法」です。
歯の痛みや違和感が続いている場合は、自己判断だけで済ませず、歯科医院で検査を受けることが大切です。

TCHの対処法や治療

気づいた時に、そっと歯を離しましょう

TCHへの対応でまず大切なのは、「上下の歯は普段、離れているもの」と知ることです。

歯が触れていることに気づいたら、顎の力を抜いて、上下の歯をそっと離します。
肩に力が入っている場合は、肩の力も抜き、ゆっくり息を吐いてみてください。
それだけでも、顎まわりの緊張が少しゆるむことがあります。

パソコンの画面の近く、洗面所、キッチン、デスクまわりなど、よく目にする場所に「歯を離す」「力を抜く」と書いたメモを貼っておくのもよい方法です。
大事なのは、頑張りすぎないことです。

「絶対に歯を触れさせてはいけない」と思いすぎると、かえって顎に意識が向きすぎて疲れてしまうことがあります。
完璧を目指す必要はありません。
気づいた時に離す。その繰り返しで十分です。

TCHは、長く続いてきた習慣であることもあります。
すぐに変わらなくても、少しずつ気づける回数が増えていけば、それは大切な変化です。

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マウスピースだけで解決するとは限りません

歯ぎしりや食いしばりがある方には、歯を守るためにナイトガードというマウスピースを使用してもらうことがあります。
中の歯ぎしりが疑われる場合や、歯のすり減りが強い場合などには、このナイトガードが役立つこともあります。

ただし、TCHは日中の無意識な歯の接触が関係していることが多いため、マウスピースを作ればすべて解決する、というものではありません。

もちろん、必要に応じてマウスピースを検討することはあります。
けれども、それと同時に、日中に歯が触れていることに気づき、歯を離す習慣を身につけることも大切です。

また、歯の痛みや違和感の原因が本当にTCHと関係しているのか、他の病気が隠れていないかを確認することも欠かせません。
自己判断で「きっとTCHだろう」と決めつけてしまうと、必要な治療のタイミングを逃してしまうことがあります。

顎の筋肉の緊張が強い場合は、ボツリヌス療法を検討することもあります

TCHがある方の中には、日中の歯の接触に加えて、食いしばりの力が強い方や顎の筋肉が常に緊張しやすい方もいらっしゃいます。
特に、咬筋と呼ばれる奥歯を噛みしめる時に使う筋肉が強く働いている場合、歯や顎関節に負担がかかりやすくなることがあります。

そのような場合、症状やお口の状態によっては、顎の筋肉に対するボツリヌス療法を選択肢のひとつとしてご提案することがあります。
ボツリヌス療法は、筋肉の過度な緊張をやわらげることで、強い食いしばりによる負担を軽減することを目的とした治療です。

ただし、ボツリヌス療法はTCHそのもの、つまり「上下の歯を無意識に触れ合わせる癖」を直接なくす治療ではありません。
そのため、治療を行う場合でも、日中に歯が触れていることに気づき、歯を離す習慣を身につけることは引き続き大切です。

また、すべての方に必要な治療ではありません。
まずは虫歯や歯周病、歯の根の病気、噛み合わせ、歯ぎしり・食いしばりの状態などを確認したうえで、必要性を慎重に判断します。
患者さんの症状や生活背景を伺いながら、マウスピース、セルフケア、生活習慣の見直し、ボツリヌス療法などの中から、適した方法を一緒に考えていきます。

「顎の筋肉が疲れやすい」「食いしばりが強いと言われた」「マウスピースを使っていても顎のだるさが気になる」という方は、診察時にお気軽にご相談ください。

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西田辺えがしら歯科で大切にしていること

西田辺えがしら歯科では歯の痛みや違和感がある場合、まず虫歯や歯周病、歯の根の状態、詰め物や被せ物の状態、噛み合わせなどを丁寧に確認します。

そのうえで、歯そのものに大きな問題が見つからない場合でも、歯にかかる力や日常の癖が関係していないかを考えながら診察を行います。

TCHが疑われる場合には、患者さんの生活の中で、どのような場面で歯が触れやすいのかを一緒に確認していきます。
そして、無理なく取り組めるセルフケアや、歯を離すための意識づけについてお伝えします。

必要に応じて、知覚過敏への対応、歯周病の管理、噛み合わせの確認、マウスピースの検討などを行うこともあります。

歯の症状は、原因がひとつとは限りません。
虫歯や歯周病、歯の根の病気、歯ぎしり、食いしばり、TCHなど、いくつかの要因が重なっている場合もあります。
症状だけを見て判断するのではなく、お口全体を確認することが大切です。

「虫歯ではない。」と言われても、不安な時はご相談ください

「虫歯ではありません」と言われても、痛みや違和感が残っていると不安になると思います。

でも、虫歯がないからといって、症状が気のせいというわけではありません。
歯や顎の不調には、目で見える虫歯以外にも、さまざまな原因があります。

TCHのような日常の癖は、ご本人が気づきにくいものです。
スマートフォンを見ている時、仕事に集中している時、家事をしている時、ふとした瞬間に上下の歯が触れていないか、ぜひ一度確認してみてください。

歯の痛み、噛んだ時の違和感、顎の疲れ、歯が浮いたような感じが続く場合は、我慢せずに歯科医院で確認することをおすすめします。
TCHが関係している場合もあれば、別の原因が見つかる場合もあります。

大切な歯を長く守るためには、虫歯や歯周病の予防だけでなく、毎日の生活の中で歯にかかる負担を減らすことも大切です。

大阪市阿倍野区の西田辺えがしら歯科では、患者さんのお話を丁寧に伺い、できるだけわかりやすく現在の状態をお伝えすることを心がけています。
歯が痛いのに原因がわからない、顎が疲れやすい、食いしばりが気になるという方は、お気軽にご相談ください。

阿倍野区の西田辺の歯医者 西田辺えがしら歯科
IDIA国際口腔インプラント学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
歯科医師 院長 江頭伸行

参考元

公益社団法人 日本歯科医師会「お悩み相談!教えて先生|テーマ:TCH」
Sato F, Kino K, Sugisaki M, et al. “Teeth contacting habit as a contributing factor to chronic pain in patients with temporomandibular disorders.” Journal of Medical and Dental Sciences, 2006.
一般社団法人 日本顎関節学会「顎関節症初期治療診療ガイドライン 2023 改訂版」
厚生労働省 e-ヘルスネット「歯ぎしり」

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