乳歯の虫歯放置していいの?
大阪市阿倍野区西田辺えがしら歯科
歯科医師 院長 江頭伸行
子供の歯(乳歯)はいずれ永久歯に生え変わるから、虫歯になっても放置しておいていいよね。
「痛がってないから、しばらくこのまま様子を見よう。」
そう思っている保護者の方いらっしゃいませんか?
子供の歯の健康を守るための、豆知識をご紹介します。
<乳歯の生える時期>
乳歯は、お母さんのお腹の中で胎生7週頃(妊娠3ヶ月頃)から出来始めます。乳歯は、生後6ヶ月頃に下の前歯から生え始めるのが一般的です。(生える時期や順番には個人差があります。)
1歳児では8ー12本、1歳6ヶ月児では12ー16本の乳歯が生えています。
2~3歳児では、乳歯20本すべてが生えそろってきます。
永久歯は6歳前後から生え始め、12ー13歳で乳歯から永久歯へと全て生え変わります。
<乳歯の特徴>
永久歯に比べ、乳歯は一回り小さく、青白い色をしています。
エナメル質(歯の表面を覆う非常に硬い層)が1/2と薄く、また歯の質は永久歯に比べ柔らかいので、虫歯菌の生み出す酸の影響を受けやすく、虫歯の進行が早いです。
※生えたばかりの永久歯(幼若永久歯)も、エナメル質が未成熟で虫歯に対する抵抗性が低いです。
また、完全に生えるまでは歯肉がかぶさっており、ブラッシングが難しく不十分なため、虫歯にならないよう注意が必要です。
お子様が痛みを訴えるようになり、歯医者さんを受診するころには、虫歯が歯の内部の神経まで達してしまっていることもあります。
<乳歯の役割>
①食べ物を噛む。
前歯では食べ物を噛みちぎる、奥歯では食べ物をすりつぶすという働きがあります。
しっかりと食べ物を噛むことで、栄養素の吸収を助け、あごの発達を助けます。
②顔の形を整える
しっかりと噛むことであごやお口の周りの筋肉の発達を促し、顔の形が整います。
③発音を助ける。
たくさんの言葉を覚えていく時期。乳歯が生えることで、舌が位置を覚え、言葉を正しく発音することができるようになります。
④永久歯を正しい位置に誘導する。
永久歯に生え変わる時期、乳歯の根の部分が吸収され抜け落ちると、そのスペースを目印に永久歯が生えてきます。
虫歯などで乳歯を抜くことになってしまった場合は、このスペースが不足し、永久歯がずれたところから生えて歯並びが悪くなることがあります。
乳歯の虫歯を放置しておくと‥
★乳歯の下で、生え変わりを待っている永久歯に影響する。
乳歯の根っこの病巣が永久歯に影響して、エナメル質の形成を不十分にしていしまい、変色した永久歯が生えてくることがあります。
★顎の発達に影響する。
違和感や痛みがあり、いつも同じ側で噛んでいたり、硬い食べ物を避けるようにして食事をしていると、正常な顎の発達が出来ず、歯並びにも影響してきます。
★歯並びに影響する。
虫歯の進行した乳歯が早く脱落してしまうことによって、できたスペースに周囲の歯が寄ってきてしまうため、永久歯がまっすぐ生えるスペースがなくなって、ずれたところから生えてきたりします。
子供の歯には、定期健診や予防処置が重要です。
気になるところがなくても、虫歯になる前から、歯医者さんでチェックしてもらいましょう。
大阪市阿倍野区西田辺えがしら歯科
歯科医師 院長 江頭伸行