唾液検査とは


唾液検査システム「SMT」

歯磨きが不十分でお口の中が汚れていると、虫歯歯周病になりやすいことは皆さまもご存じでしょう。

ただ「虫歯のなりやすさ」「歯周病のなりやすさ」を決めるのは、お口の汚ればかりとは限りません。

例えば唾液も「なりやすさ」を左右する要因の1つ
唾液を調べれば、その方の現在のお口の状態や将来にわたる虫歯や歯周病のリスクを把握することができます。

唾液検査はサリバテストとも呼ばれ、唾液の「量」や「質」を客観的な数値化して知ることができるWHO(世界保健機構)や北欧(予防先進国)で多く導入されている検査の一つです。

今回は虫歯予防や歯周病予防に有効な唾液検査(サリバテスト)について紹介します。

1. 唾液の「量」や「質」に問題があると、虫歯や歯周病になりやすい

唾液は人によって分泌される量や性質に違いがあり、「虫歯のなりやすさ」「歯周病のなりやすさ」を決めるカギを握っています。

例えば唾液の量

1日に約1~1.5リットルも分泌される唾液は、お口の中を清潔に保つうえでクリーニング剤としての役割を担っています。

その唾液の量が少ないと、食べカスや細菌などが洗い流されないままお口の中に残り、清掃状態が悪くなります。

つまり唾液の量が少ない人ほど、虫歯や歯周病になるリスクが高くなるというわけです。

虫歯や歯周病の治療

そしてもう1つ、唾液には虫歯菌が出した酸を中和する働きがあります。

これは唾液の「緩衝能(かんしょうのう)」という機能で、食事によって一時的に「酸性」になるお口の中を、緩衝能を持つ唾液が徐々に「中性」へと戻していきます。

しかし緩衝能が弱いと、お口の中が「中性」に戻るまでの時間が長くなります。
エナメル質は酸に弱い性質がありますから、酸にさらされる時間が長いほど溶けだしやすく、虫歯になるリスクが高くなるのです。

このように「唾液が虫歯や歯周病を防ぐ力=唾液力」は人によって異なるため、唾液力の弱い人が強い人と同じケアをおこなっていても、予防効率は悪くなります。

唾液検査ではこの「唾液力」を判定し、個々にあった予防プログラムを立案していきます。

2. 見えないリスクがわかる「唾液検査」

唾液の中には「唾液力」以外にも、疾患のリスクに関する様々な情報がつまっています。

例えば唾液の中に含まれる虫歯菌の数を調べれば、将来虫歯になる可能性を予想することができます。

また歯周病菌の感染によって発生する物質が唾液中に含まれていれば、今は歯ぐきに異常が出ていなくても歯周病菌にすでに感染している可能性が高いことがわかります。

以上のことは、通常の健診やレントゲン検査などでは確認することができません。

唾液検査はこのような「見えないリスク」を判定することで、将来にわたる疾患の予防へつなげる有効な手段となります。

唾液検査でわかること

3.当院の唾液検査「サリバリー・マルチ・テスト(SMT)」とは

大阪市阿倍野区西田辺のえがしら歯科では、ライオン株式会社の「サリバリー・マルチ・テスト(SMT)」を導入し、皆様のお口の健康にまつわるリスク診断をおこなっています。

一般的な唾液検査は虫歯リスク(唾液の量・緩衝能・虫歯菌の数)のみを判定しますが、SMTは虫歯以外に、歯周病や口臭に関するリスク診断もあわせておこなうことができます。

では実際の検査項目や検査方法について、詳しくご紹介していきましょう。

3-1. 検査項目

SMTでは以下の6つの項目について検査をおこいます。

①虫歯菌
お口の中にいる虫歯菌の量を測定します。
お口の中に虫歯菌が多いとプラークが付着しやすく、虫歯になるリスクが高くなります。

②酸性度
唾液の酸性度を測定します。
唾液の酸性度が高いと虫歯菌が活発に動き出すほか、酸でエナメル質が溶けやすくなるため、虫歯リスクが高くなります。

③緩衝能
酸性になったお口の中を中和する働きが十分であるか測定します。
緩衝能の働きが弱いと、虫歯になるリスクが高くなります。

④白血球
唾液中に含まれる白血球の量を測定します。
歯と歯ぐきの間に細菌が増えると、体の免疫機能が活発になり白血球の数が増えます。

白血球の量を調べることで、歯ぐきの炎症の有無や歯周病になるリスクを判定することができます。

⑤タンパク質
お口の中に細菌が増加すると、その影響を受けて唾液中のタンパク質の量が増加します。
SMTではこのタンパク質量を測定し、現在の歯周病リスクを判定していきます。

⑥アンモニア
唾液中のアンモニア濃度を測定することで、お口の汚れ具合や口臭のリスクを判定できます。

唾液検査の結果

3-2. 検査方法

唾液検査は、方法によって結果がでるまで5日~1週間程度かかるものもあります。
しかし、SMTは検査から判定まで5分程度

検査したその日に、患者様に結果をお渡しすることができます。

患者様に実際におこなっていただくのは、検査用の洗口用水(5ml)をお口に含み、全体にいきわたらせるように10秒間ゆすいで吐きだすのみ

あとは吐きだした液を専用の試験紙に塗布して、機器の判定を待ちます。

唾液検査の検査方法

結果シートには項目ごとに3段階(高め・平均レベル・少なめ)の判定が記載され、患者様が一目みてわかりやすいよう工夫されています。

過去の検査結果との比較もしやすく、一定期間ごとに状態の変化を確認することも可能です。

これまで歯医者さんの説明だけでは、あまり実感できなかった虫歯や歯周病のリスク。
それが数値やグラフなど目に見える形で示されることで、皆さまの毎日のケアに対する意識も大きく変わります。

唾液検査で一歩進んだ予防歯科をはじめていきましょう。

現在の日本での唾液検査は全て健康保険適応外となっております。

当院では唾液検査システムSMTを使用した唾液検査(サリバテスト)を行っています。
その検査費用は1.500円(税別)となっております。

4.最後に…

この度はホームページをご覧頂きありがとうございます。

歯の豆知識ページでは歯やお口の中歯科治療において、皆様へ何かしらの参考やお役に立てればと思い作成させていただいております。

虫歯になりにくい人、なりやすい人の違いは、歯磨きの回数や方法だけではなく飲食の回数、唾液のもつ性質や虫歯菌の数などが大きく関わります。

唾液の性質をよく知ることが、将来、虫歯や歯周病にならないための大切なステップです。

※唾液検査は保険外診療となりますので、検査には別途費用がかかります。

当院では安心してご来院頂けるように、お口の状況・治療内容など詳しく検査し、歯科カウンセラーがご説明した上で、極力、痛くない治療を進めています。

皆様と笑顔で楽しい毎日、そして何でも食べられる喜びを分かち合えるよう、スタッフ一同しっかりサポートさせて頂きます。

歯やお口に関するお悩みやご質問などございましたら、お気軽にご相談ください。