コンポジットレジンによる治療法
小さな虫歯や歯が欠けてしまった場合、削った部分および欠けた部分を補う「コンポジットレジン」という歯科材料を使用した治療を行います。
このコンポジットレジンによる治療は、保険適用が可能なこともあり、虫歯治療時など歯科治療の中でも比較的よく行われる治療です。
今回はこのコンポジットレジンの特徴や種類、治療についてお話をします。
目次
コンポジットレジンとは、コンポジットレジンの特長
まず、コンポジットレジンとは何なのかをお話しします。
コンポジットとは「混合の/複合の」、レジンとは樹脂（プラスチック）を意味し、コンポジットレジンは、レジンにガラスやジルコニア、セラミックなどの微細な粒子を混ぜた複合物のことを言います。
簡単に言うと、コンポジットレジンとは「強度プラスチック」です。
ガラスやジルコニア、セラミックなどの粒子を混ぜることでレジン（樹脂：プラスチック）単体よりも強度がアップし、透明感を出すことができるため、歯科治療に適した素材です。
このコンポジットレジンを用いた治療は、CRやレジン充填などと歯科医院では呼ばれています。
型取りを行いません。
虫歯を削ったあと、エッチング（接着強化処理）を行い接着用ボンドを塗ったあと歯に直接、粘土状のコンポジットレジンを充塡し、光（紫外線）を当てて固めます。
なおコンポジットレジンによる治療は保険適用にものと自費のものがあります。
歯科材料のメーカーがそれぞれ製造しており、コンポジットレジンは日本でも数十種類ほどが厚生労働省から認可が降りています。
現在、日本の歯科医院のほぼ全てで、コンポジットレジンによる治療を受けることができるでしょう。
下の表のようにコンポジットレジンは色の種類も多く、ある程度、その人の歯に合った色をあわせることが可能です。
保険のものも白く自然に仕上がりますが、自費のものは、より強度や審美性、耐久性に優れています。
コンポジットレジンは様々な歯科メーカーから色々な種類が出ており、患者様の歯の色に合わせた色調を選ぶことができます。
そのため一見すると、コンポジットレジンで治療した部分と、天然の歯との境目がほぼわかりません。
また一本の歯が全て同じ色とは限らないため、一本の歯の治療に対し、何色かを使うこともあります。
そのため違和感のない、ごく自然な見た目に仕上がります。
2.コンポジットレジンを使った治療の種類
次に、コンポジットレジンを使った治療についてご紹介します。
2-1.虫歯治療（保険コンポジットレジン治療）
主に小さな虫歯や欠けてしまった部分の修復処置としてよく使われます。
また、以前治療した箇所が茶色く変色してきた場合の修復も行われます。
コンポジットレジンは透明感があり、審美性に優れているため小さな前歯の虫歯や、笑ったときに見える小臼歯などの部位によく使われます。
特に歯と歯の間にわずかな隙間があるすきっ歯や、笑うと目立つ銀歯の部分を白くしたいときなど、歯の隙間や銀歯にコンプレックスをお持ちの方に向く治療法です。
歯に直接レジンを充填し光（紫外線）で固めるため、型取りを行って歯に詰める処置（インレー）よりも密着性に優れていることが特徴です。
またコンポジットレジンは型取りを行う必要がないため、最短1回の処置で治療を終えることが可能です。
このように非常に簡単な治療なので希望される方は多いのですが、
奥歯に詰める場合は、噛む力の強さによりコンポジットレジンではすり減ったり、割れてしまう時があります。
接着剤により接着しているので、コンポジットレジンは取れたり、外れたりします。
さらにコンポジットレジンは劣化により変色や欠け、摩耗してしまい短期間での再治療を余儀なくされることがあります。
コンポジットレジンの寿命は、金属やセラミックによる治療より比較的に短命なことが多いです。
短命なコンポジットレジンは何度も治療をすればいいじゃないか、と考えるかもしれません。
しかし、コンポジット レジンを再治療を繰り返すと、当初治療して削った虫歯の穴の大きさがだんだん大きくなっていきます。
多くの範囲を覆うような場合や奥歯など噛み合わせの負担が強くかかる部位には、金属やセラミックの方が良い場合もあります。
コンポジットレジンによる治療が適切なのかは、歯科医師の判断によります。
コンポジットレジン治療で対応可能かどうか歯科医師に相談してみて下さい。
このように、虫歯治療や歯が欠けた部分を補うコンポジットレジンによる治療は保険が適用できることもあり、短期間で自分の歯と近い見た目に仕上がることが大きな特徴です。
2-2.知覚過敏症のコンポジットレジン治療
虫歯ではないものの、歯の磨きすぎや食いしばり、歯ぐきが下がったための歯根露出による知覚過敏の治療として、コンポジットレジンによる治療を行うことがあります。
象牙質がむき出しになってしまっているため、冷たいものなどがしみる知覚過敏が起きてしまうため、エナメル質の代わりとしてコンポジットレジン治療を行います。
2-3.自費のコンポジットレジン治療（ダイレクトボンディング）
ダイレクトボンディングとは、自費治療専用のコンポジットレジンを使って歯と歯の間の隙間を埋めたり、歯の形を修正する治療法です。
特に審美や美容目的の場合は歯をほとんど削ることなく、歯に直接コンポジットレジンを盛って修復、形成していきます。また、セラミック治療のように歯をたくさん削る必要もほぼありません。
なお症例にもよりますが、奥歯をダイレクトボンディングによる治療を行う場合、強度を上げるために白いグラスファイバーコアを立ててからダイレクトボンディングを行うこともあります。
同じコンポジットレジンを使った治療でも、このダイレクトボンディングは機能面ではなく、審美的に美しくすることを重視した治療のため、保険適用ではなく、自費治療となります。
自費治療のコンポジットレジンの材質の保険治療のものとは違い、審美性や摩耗、変色などの耐久性に優れている材質を使います。
時間が経っと違いはどんどん明らかになっていきます。
また保険適用のものに比べ、強度や色調に優れた耐久性のある材料が使われます。
そのため費用が高くなり、部位や使った量などにより差が出ますが、一歯につき1万～5万くらいと言われています。
詳しい費用は、歯科医院に直接尋ねてみて下さい。
ダイレクトボンディングは、歯科医師の腕の差がはっきりと出ます。
腕の良い歯科医師によるダイレクトボンディングは、形も美しく、色調も自然で一見すると天然歯のように見えます。
しかし周りの歯の色と比べて明らかに色味が違う、形がおかしいなど腕が未熟であると、当然ながら仕上がり具合も落ちてしまいます。
このように、経験が多くダイレクトボンディングを得意としている歯科医師と、経験値が少なくあまり得意ではない歯科医師とでは、腕の差が比較的ハッキリと出てしまいます。
ここはセンスとキャリアの差が物を言うため、ダイレクトボンディング治療を希望する方は、よく調べたほうがよいでしょう。
また虫歯などが大きく歯の欠損部分が多い場合（約半分程度歯が無い場合は）、ダイレクトボンディングではなく、土台を立てて銀歯やセラミックなど、被せ物による治療が行われます。
コンポジットレジンの強度は銀歯やセラミックなどに比べて劣るため、被せ物を装着する治療のほうが安心です。
3.使用用途が多く、自然に見せることができる
今回は、コンポジットレジンについて色々お話をしました。小さな虫歯をはじめとした、様々な治療で非常によく使われています。
自然な見た目など色々とメリットが多いコンポジットレジンですが、強度の問題で部位や歯の状態により難しい場合もありますので、歯科医師とよく相談して下さい。
大阪市 阿倍野区西田辺のえがしら歯科では、患者様のお口の状態に合った治療を提供させていただきます。
以前治療したコンポジットレジン変色が気になる、銀の詰め物を何とかしたいなど、お口の中のお困りごとは、ぜひご相談ください。
4.最後に…
この度はホームページをご覧頂きありがとうございます。
歯の豆知識ページの歯科治療において、皆様へ何かしらの参考やお役に立てればと思い作成させていただいております。
「美しい歯」は何よりも代えがたいものがあります。
一度悪くしてしまっても、最良の治療を行えば「美しい歯」は取り戻せます。
わたしたちも、そんな思いを十分に理解しており、皆様の期待にお答えすべく、日々研修を行いセミナーに参加参加しトレーニングを行っています。
また、当院では安心してご来院頂けるように、お口の状況・治療内容など詳しく検査し、歯科カウンセラーがご説明した上で、極力、痛くない治療を進めています。
皆様と笑顔で楽しい毎日、そして何でも食べられる喜びを分かち合えるよう、スタッフ一同しっかりサポートさせて頂きます。
お口に関するお悩みやご質問などございましたら、お気軽にご相談ください。
厚生労働省認可 再生医療施設
医療法人 優伸会 えがしら歯科 審美・歯周・インプラントセンター併設
院長 江頭伸行 スタッフ一同
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