奥歯にインプラントをするメリットとデメリット
阿倍野区の歯医者 西田辺えがしら歯科の奥歯にインプラントをするメリットとデメリットついての歯の豆知識ページです。
奥歯は咀嚼(そしゃく)機能の主体となる歯であり、何らかの理由で失った場合には、できるだけ早く治療を受けた方が良いといえます。
今回はそんな奥歯の欠損に対してインプラントをする、メリットとデメリットをわかりやすく解説します。
目次
そもそも奥歯とは?
奥歯とは、前から4~7番目の歯を指し、専門的には「臼歯(きゅうし)」と呼ばれています。
食べ物を噛み砕く・すり潰すのが主な役割です。
とくに6~7番目の大臼歯が担っている役割は大きく、虫歯や歯周病、外傷などで失った際には速やかに補綴治療を受けることがすすめられます。
奥歯にインプラントするメリット・デメリット
奥歯の欠損に、入れ歯やブリッジではなく、インプラントを入れる場合、次に挙げるようなメリットとデメリットが生じます。
【メリット】
◎天然の奥歯のようにしっかり噛める
天然歯で噛む力を100%とすると、部分入れ歯で噛む力は30~40%程度にとどまるといわれています。
人工歯根があるインプラントであれば、噛む力を100%に近いところまで回復させることが可能です。
これは咀嚼(そしゃく)機能の主体となる奥歯の治療法としては、非常にメリットが大きいといえます。
◎噛み合わせを調整しやすい
インプラントは、人工歯根と人工歯(=上部構造)から成る装置で、その構成は天然歯とほぼ同じです。
余計なパーツが付随しておらず、残存歯とのバランスがとりやすいです。全体の歯並び・噛み合わせを乱すことも少ないです。
◎顎の骨が痩せにくい
失った奥歯をブリッジや入れ歯で補う場合、欠損部の骨は徐々に痩せていきます。
欠損部にはポンティックなどの人工歯が配置されているのですが、噛んだ時の力は残った歯が支えることから、歯のない部分の骨は役割を終えたものと判断して退化していってしまうのです。
これが奥歯の骨で起こると、全体の咀嚼(そしゃく)機能低下にもつながります。
その点、インプラントには人工歯根があり、噛んだ時の力が顎の骨に伝わるため、経年的な顎骨の吸収を最小限に抑えられます。
【デメリット】
◎手術を伴う
インプラント治療には、必ず手術を伴います。
とりわけ奥歯のインプラント手術には、神経麻痺や上顎洞への穿孔といったリスクを伴う点に注意が必要です。
下の奥歯の近くには、「下顎管(かがくかん)」と呼ばれる管が存在しており、その中には口唇周囲の知覚を司る神経が収められています。
術中にそれを傷つけてしまうと、術後に神経麻痺などの症状が残ります。上の奥歯の直上には「上顎洞(じょうがくどう)」と呼ばれる空洞があり、インプラントがそこに突き出ることによって、上顎洞炎などの合併症を誘発します。
いずれも、精密な検査と精度の高い処置を施すことで予防可能です。
◎保険が適用されない
インプラントは施術部位に関わらず、原則として保険が適用されません。
保険内で作るブリッジや入れ歯と比較すると、費用負担が大きくなります。
ただし、噛む装置としてのインプラントは寿命が明らかに長いことから、長期的な観点に立つ場合は、インプラントは経済的に優れているともいえます。
◎治療期間が比較的長い
インプラント治療には、顎の骨にインプラントを埋め込み、顎骨と結合するまで待機しなければならない期間が含まれているため、ブリッジや入れ歯よりも治療期間が長くなっています。
抜歯をして何カ月も経って治癒していると2~3カ月で完了しますが、抜歯をしてすぐの場合は上部構造の装着まで含めると、4~12ヶ月程度の期間を要する時があります。
まとめ
今回は、奥歯にインプラントを入れる場合のメリットとデメリットをご紹介しました。
従来のブリッジや入れ歯とは大きく異なるメリット・デメリットがあることに驚かれた方も多いことでしょう。
そんな奥歯のインプラント治療についてもっと詳しく知りたい、入れ歯とどちらにしようか迷っている、という方はいつでもお気軽に当院までご相談ください。
阿倍野区 西田辺えがしら歯科
歯科医師 院長 江頭伸行