ブリッジ治療とは
ひどい虫歯や重度の歯周病などで歯を失った場合、噛む機能を回復させるための治療が必要になります。新しい歯をいれ、見た目や機能を回復手段として、ブリッジ、入れ歯、インプラントの3つの方法があります。
今回は「ブリッジ」について、特徴やメリット、デメリット、費用について触れながらご説明します。
目次
1. なぜ噛む機能を回復させなければいけないのか
ブリッジ治療の説明の前に、なぜ歯を失った場合、早急に噛む機能を回復させる治療が必要なのかをお話します。
ひどい虫歯や重度の歯周病などで歯を残すことができなくなった場合、失った部分をそのままにしておくと、まず噛み合わせに変化が出てきます。
歯は動く性質があるため、失った部分をそのままにしておくことで、失った部分の隣の歯が傾斜してしまいます。
このため噛み合わせが変化し、顎の骨や全身に色々な影響が出てしまいます。
噛み合わせが合わなくなると、顎の骨の関節に負担がかかり、顎関節症を引き起こすことがあります。
また噛み合わせが合わないままの状態でいることで、頭の位置のバランスが崩れてしまいます。
頭のバランスが崩れると、それをカバーしようとするため、今度は姿勢が悪くなり、体のバランスが崩れてしまいます。
そのため頭痛や肩凝り、腰痛などの不快症状に悩まされることになります。
また失った歯の対合の歯が伸びて、噛む力を受ける他の歯の負担が増えます。
これは最終的に、残っている歯の寿命を短くすることになってしまいます。
そして、審美的にも良くありません。
歯を失って時間が経ってしまうと、歯肉が痩せてしまいます。
これは口元の歪み、たるみに繋がり、老けて見えてしまいます。
このように、抜けた部分をそのままにしておくことで、様々な悪影響が出てきてしまうのです。
2. ブリッジ治療について
ブリッジは、失った部分の両隣の歯を削り、それを支え(支台歯)として橋をかけるように人工の歯を被せる方法です。
歯一本失った状態
歯を失った両隣の歯を台形に削り、型を取ります。
削った歯にセメントでブリッジを接着します。
※健康保険治療の場合、奥歯は銀歯になります。
ブリッジ治療が完了です。
ブリッジは、3本以上の人工歯が繋がっており、失った歯の本数により4本、5本のブリッジになります。
取り外し式の部分入れ歯と異なり、セメントで接着するので固定式となります。
3. ブリッジのメリット
ブリッジのメリットとして、以下のことが挙げられます。
ご自身の歯と同じような感覚で噛むことができる
ブリッジを装着した当初は多少の違和感を覚えても、次第に馴染んでご自身の歯と同じような感覚で噛めるようになってきます。
そのためしっかりと噛むことができます。
固定式で違和感が少ない
部分入れ歯は、針金のような金属を歯に引っ掛けて入れ歯の固定に使います。
また、入れ歯は食事時にガタつきや違和感を覚えやすいです。
しかしブリッジは削った歯に被せることでにセメントや接着剤をつけて固定します。
そのため、セメントや接着剤が外れるまでお口の中で動くことがありません。
治療期間が短い
治療期間が長いインプラントに比べると、短期間で噛む機能を回復させることができます。外科的な治療がない。
保険適用が可能
ブリッジは、保険を使った治療ができます。
前歯(4本目まで)のブリッジは、強化プラスチックや表側は白いプラスチック、裏側が金属のものとなります。
奥歯は保険治療の場合は銀歯になります。
強度が強い
ブリッジは部分入れ歯に比べて、しっかりと固定され、強度も強く、しっかりと食事で噛むことができます。
4. ブリッジのデメリット
健康な歯をたくさん削る必要がある
ブリッジの最大のデメリットは、支えとなるご自身の健康な歯をたくさん削らなければならないことです。
健康な歯を削ることは歯の寿命を縮め、将来的に歯を失う可能性が高くなることを意味します。
またたくさん削るため、神経の部分を取らなければいけない場合もあります。
他の歯に負担がかかりやすい
奥歯のブリッジが保険適用の銀歯の場合、強度が高く、対合の歯を痛めてしまう場合があります。
また、ブリッジの適合が悪いと、被せるものと削った歯に隙間や段差ができ、再び虫歯になりやすい。
歯のない部分の歯ぐきが次第に痩せていく
歯がなくなると、その部分の骨が次第に痩せていくことがあります。
ブリッジは支台歯の部分以外はポンティックと呼ばれるダミー部分で、この部分が痩せていくことで歯ぐきとの間に隙間が生じてしまいます。
物が挟まりやすく、口臭の原因になる
部分入れ歯は取り外し式のため、インプラントは独立した人工歯のためにお手入れが行いやすいですが、ブリッジは全て繋がっています。
そのため、歯と歯の間にフロスを通すことができません。
そのため食べかすが残りやすく、口臭の原因になりやすいという欠点があります。
スーパーフロスと呼ばれる特殊なフロスや、歯間ブラシを使って清掃する必要があります。
5. 保険診療と自費診療を混ぜたブリッジは不可能
欠損部分が多く、前歯から奥歯にかけて長いブリッジが必要となった場合、前歯部分をセラミックにして、奥の部分を保険の銀歯にできないかという質問がたまにあります。
これは現在、健康保険のルール上、混合診療となり、それらのブリッジは不可能なのです。
保険診療では素材、構造、治療可能な部位が決められているため、たとえ一箇所でも保険外のものを希望する場合はすべて自費になります。
6. 自費のブリッジについて
ブリッジで自費治療を選択すると審美治療となり、奥歯でも白いブリッジを作ることができます。
素材として、オールセラミック、ジルコニア、セラミック・メタルボンドなどがあり、どれも強度と白さに優れています。
また、汚れや歯垢(プラーク)が付着しにくいので、長持ちする素材です。
なおジルコニアは白く、強度にも優れていますが、自然な白さのセラミックに比べて透明感が少ないため、人工的な白さを感じてしまうかもしれません。
奥歯のブリッジ治療に向いているでしょう。
セラミック・メタルボンドは内側に金属を使用しているため、金属アレルギーや経年劣化による歯ぐきの黒ずみなどのデメリットがあります。
強度にも優れジルコニア素材が登場するまで奥歯もブリッジ治療はセラミック・メタルボンドのブリッジが主流でした。統計的にも安定して長持ちする治療です。
7. 治療費について
〇 保険適用となる場合のブリッジ治療費
両隣の歯を削り→型どり→装着の段取りになります。
両隣の歯の状態により、治療方法が変わるので削たり、型どりの費用は多少異なる場合があります。
前歯で欠損数が1歯であり、ブリッジの3歯ともプラスチックの白い歯であれば、3割負担の方で装着時の費用は18.000円程度です。
奥歯が1歯の欠損の3本と銀歯の場合は、3割負担の方で装着時の費用は約9.000円程度になります。
通常素材する金属は、金銀パラジウム合金を使用します。銀合金やニッケルなどを使用する場合は上記の治療費より安くなります。
しかし、金属アレルギーを起こしやすいので少し高くても金銀パラジウム合金を使用してもらった方が安心です。使用する金属について毎回、説明している歯科医院はほとんどありません。
しかし、上記の金額より安いようであれば一度聞いてみると良いでしょう。
自費治療の場合のブリッジ治療費
自費治療のブリッジの金額は、両隣の歯を削り→型どり→装着まで合計で15万ー36万といわれています。これは1歯の欠損で3歯分の場合の金額です。
またブリッジの本数が1本増えるごとに料金も変わってきます。そして材質によっても金額は異なります。
ブリッジは隣の支台の歯を含めても最低3本は必要です。ハイブリッド・セラミックで3本連結の場合5万×3歯=15万、オールセラミックで12万×3歯=36万となります。
連結本数が増えるごとに各種本数分の金額が必要です。
8. 今後の歯の健康を考え、いちばん良いと思われる選択を
ブリッジは入れ歯と並ぶ、一般的な治療法です。
短期間でしっかり噛めるという機能回復にはとても適していますが、歯をたくさん削る、また他の歯に影響が出やすいなど、将来的な歯の健康を考えるとリスクのある治療法とも考えられます。
歯科医師や歯科カウンセラーとよく相談し、ご自身にとって最も良いと思われる治療を選ぶことが大切です。
大阪市阿倍野区西田辺駅前のえがしら歯科では、患者様のお口の中の健康をサポートするため、患者様の不安や悩み、治療の方法など、どんな小さなことでもご相談をお受けいたします。歯のことでお悩みの方は、当院にお気軽にご相談ください。
9. 最後に…
この度はホームページをご覧頂きありがとうございます。
当院では、保険治療や自費治療にこだわらず、患者様に合った治療をカウンセリングにて、ご提案しております。
また、痛みを極力少ない治療を心掛け、最新の設備と技術を習得しております。
また、安心してご来院頂けるように、お口の状況・治療内容など詳しく検査し、ご説明した上で治療を進めていきます。
地域の皆様と笑顔で楽しい毎日、そして何でも食べられる喜びを分かち合えるよう、スタッフ一同しっかりサポートさせて頂きます。
この歯の豆知識ページの歯科治療において、皆様へ何かしらのご参考なれば思い作成させていただいております。
お口に関するお悩みやご質問などございましたら、お気軽にご相談ください。
大阪市阿倍野区西田辺えがしら歯科
院長 歯科医師 江頭伸行
大阪市 阿倍野区 西田辺 医療法人優伸会 えがしら歯科 西田辺インプラントセンター併設
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