歯の数について
歯の数について、の阿倍野区の西田辺えがしら歯科の歯の豆知識ページです。
私たちの歯の数(歯の本数)は大人と子供によって異なります。
また、年齢が上がっていくと虫歯や歯周病、ケガなどによって歯を失う機会が増えて、徐々に歯の本数が減っていくのが一般的です。
今回はそんな私たち日本人の歯の本数や食事との関係について詳しく解説します。
目次
乳歯と永久歯の歯の本数
乳歯は全部で20本
子供の歯である乳歯は、生後6~8ヵ月頃から生え始めます。
一般的には下の前歯から生えてきて、3歳になるくらいまでには上下の乳歯がすべて生えそろいます。
その乳歯の数は合計で歯の本数は20本です。
4~5歳になっても歯の本数が20本の乳歯が生えそろっていなければ、何らかの異常が疑われますので一度、歯医者さんに診てもらった方が良いと言えます。
もともと歯の本数が少ない「先天欠如(せんてんけつじょ)」や顎の骨に埋まっていてなかなか生えてこない「萌出遅延(ほうしゅつちえん)」などが起こっているのかもしれません。
永久歯の歯の本数は全部で28本(親知らずを除く)
大人の歯である永久歯は、6歳頃から生え始めます。
前から6番目の第一大臼歯は「6歳臼歯」とも呼ばれる奥歯で、永久歯が生えてくる時期を覚えるのに重宝しますよ。
その後、前歯から乳歯との生え変わりが始まり、歯の萌出が順調に進めば、前から7番目の第二大臼歯が12歳くらいに最後に生えてきて、全部で歯の本数は28本からなる永久歯列が完成します。
これも「12歳臼歯」と呼ばれているので、永久歯が生えそろう年齢も覚えやすいかと思います。
ちなみに、永久歯にはあと4本「智歯(ちし)」という奥歯が生えてきますが、大人の歯としてカウントしないことの方が多いです。
これは、一般的には親知らずと呼ばれる奥歯で、そもそも1本も生えてこない人もいます。
日本人の歯の年齢別本数
上述した歯の本数はあくまで正常な状態であり、増えることはありませんので、さまざまな理由で1本、また1本と歯の本数は減っていきます。
そこで気になるのが日本人の歯の年齢別本数ですね。
厚生労働省が定期的に実施している歯科疾患実態調査の最新版(平成28年度)では、日本人1人あたりの歯の本数の平均値は以下のような数値が報告されています。
【15~24歳】 28.4本
【25~34歳】 28.7本
【35~44歳】 28.2本
【45~54歳】 27.0本
【55~64歳】 24.5本
【65~74歳】20.8本
【75歳~】 15.7本
44歳くらいまでは合計で歯の本数が28本の歯を維持できている人が多いようですね。
それが45歳以降になると大きく減少し始め、70代になると歯の本数が20本を下回ろうとしています。
8020運動について
ここでもうひとつ気になるのが皆さんも一度は耳にしたことがある「8020運動」です。
歯の本数が20本は無理なく日常の食事をとれるいう平均本数です。
80歳になったときに20本以上の歯を残せるよう頑張りましょうという、国と歯科医師会が掲げたスローガンですが、実はこの平成28年度に何とか目標を達成することができました。
つまり、80歳で20本以上の歯がある人の割合が50%をわずかに超えたのです。
令和2年度の歯科疾患実態調査はコロナの影響で中止となったため、平成28年度のデータが最新となっていますが、次回の調査でどのような結果が出るのか楽しみですね。
歯の本数で食べられるものが決まる?
歯の本数と食事というのは、密接なかかわりがあります。
永久歯が28本ある状態だと、食事の際に不自由することはありませんよね。
それは20本まで減ったとしても変わりはないと言われています。
これが8020運動の根拠となっている考え方です。
その後、虫歯や歯周病などで歯を失い歯の本数が20本を下回るようになると、フランスパンやたくあん、堅焼きせんべいなどを食べるのが難しくなります。
そして歯の本数が5本以下になると、バナナやうどん、ナスの煮つけくらいしか食べられなくなってしまうのです。
まとめ
今回は、歯の本数についていろいろな角度から解説しました。
当然ですが歯の本数は少なくなるほど生きていく上で不自由を感じることになりますので、日頃から虫歯・歯周病予防に努め、80歳になっても歯の本数を20本の歯を残せるよう努めていくことが大切です。
阿倍野区 西田辺えがしら歯科
歯科医師 院長 江頭伸行