初期虫歯とは?症状と検査、治療法を解説
初期虫歯とは?症状と検査、治療法を解説、の阿倍野区の歯医者 西田辺えがしら歯科の歯の豆知識ページです。
発生して間もない虫歯を「初期虫歯」といいます。
初期虫歯は、歯のエナメル質(歯の表面の硬い層)における初期段階の脱灰や組織の破壊を指します。
歯の脱灰(だっかい)は、歯の表面や内部の硬い組織であるエナメル質からミネラルが失われる現象を指します。
脱灰は酸によって引き起こされ、虫歯や歯の感覚過敏の原因となることがあります。
初期虫歯は、進行した虫歯とは異なる症状が見られ、検査方法や治療方法にも違いがあることから、患者さまも戸惑ってしまうかもしれませんね。
今回はそんな初期虫歯について詳しく解説します。
目次
初期虫歯について
初期虫歯は専門的に「CO(シーオー)」と表現されます。COは、「Caris Observasion」の略称で日本語では「要観察歯(ようかんさつし)」と呼んでいます。
定期検診などの口腔内診査でシーオーという言葉を耳にしたら、初期虫歯が発見されたと理解しましょう。
初期虫歯の見た目と特徴
- 色の変化 : エナメル質の表面に白い斑点や薄い茶色の斑点、線が現れることがあります。
- 痛みの欠如 : 初期段階では一般的に痛みを伴いません。
- 感覚過敏 : 冷たい、熱い、甘いなどの刺激による歯の感覚過敏が起こることがあります
初期虫歯の症状
初期虫歯は、歯の表面に白いシミができるのが特徴です。
通常の虫歯のように歯に穴があいて黒ずむようなことはまずありません。
専門的には白濁(はくだく)や白斑(はくはん)と表現され、歯ブラシなどで擦っても取り除けないため、歯垢や歯石との判別も容易であるといえます。
歯の感覚過敏が起こることもあります。
初期の虫歯の構造・発生メカニズム
虫歯というと、歯に穴があいて黒ずみが生じるものですが、初期虫歯では逆に白くなるので、どのような構造になっているのか気になりますよね。
初期虫歯は「表層下脱灰(ひょうそうかだっかい)」という特殊な現象が起こることで、歯が白濁します。
具体的には、歯の中でカルシウムなどのミネラルが溶け出している状態で、エナメル質特有の透明化が失われて白く濁って見えるようになるのです。
初期の虫歯の検査方法
初期の虫歯が歯の表面のわかりやすい部分にできていたら、視診でも簡単に見つけられますが、奥歯の溝にできた初期虫歯などは、進行度も含めて正確に診断するのは難しいです。
そこで有用なのが「ダイアグノデント」です。歯にレーザー光を当てるだけで虫歯の進行度を評価できる装置で、積極的な治療が必要かどうかを判断する際に有益な情報が得られます。
初期虫歯の予防
①正しい歯磨き
適切な歯磨きの方法を学び、歯ブラシとフロスを使って歯と歯の間のプラークを除去します。
②健康的な食生活
砂糖や粘着性の食品の摂取を制限し、バランスの取れた食事を心掛けましょう。
③フッ素の利用
フッ素入りの歯磨剤やフッ素洗口液の使用は、歯のエナメル質を強化し虫歯のリスクを減らす助けとなります。
④定期的な歯科検診
歯科医師の定期的なチェックアップを受け、早期の虫歯を発見し治療することが重要です。
初期虫歯の治療
発生して間もない初期の虫歯は、基本的に削る必要はありません。歯の内部でミネラル成分が溶け出してはいるものの、フッ素によって再石灰化を促し、適切な口腔ケアを実施することでその進行は止められます。
ただし、歯の表面に穴があいてしまうとフッ素で治すことは困難となることから、初期の虫歯は可能な限り早期に発見するのが望ましいといえます。
初期虫歯の早期に発見するために
初期虫歯は、毎日お口の中を鏡でチェックすることで早期に発見できます。
歯周病やその他のお口の病気・異常も発見しやすくなるため、お口の中のチェックは習慣化させることをおすすめします。
もちろん、セルフチェックにも限界がありますので、初期虫歯を早期に発見したい方は、歯科検診を定期的に受けることも必須といえます。
虫歯を確かめる方法(セルフチェック)と虫歯を見つけた時の対策について
標準的には3ヵ月に1回、もともと虫歯リスクが高い人は2ヵ月に1回くらいの頻度でプロフェッショナルによるチェックを受けるようにしてください。
定期検診で通院していれば、歯のクリーニングやフッ素塗布、ブラッシング指導も受けられるため、そもそも初期虫歯にもかかることが少なくなりますよ。
まとめ
今回は、初期虫歯の症状や検査、治療方法などを詳しく解説しました。
初期虫歯(CO)は歯を削らずに治せることが多いですが、歯の表面に穴があくC1に移行すると、切削処置が必須となりますので十分にご注意ください。
そんな初期虫歯の症状である白濁・白斑が認められたら、いつでもお気軽に当院までご相談ください。
ダイアグノデントを用いた検査を実施して、最善と言える治療法をご提案します。
阿倍野区の歯医者 西田辺えがしら歯科
歯科医師 院長 江頭伸行