歯周病菌はどこからうつる?その種類と殺菌法を解説
歯周病菌はどこからうつる?その種類と殺菌法についての阿倍野区の歯医者、西田辺えがしら歯科の歯の豆知識ページです。
歯周病は、虫歯と同じ細菌感染症ですが、どこからうつるのか気になりますよね。
近年は、虫歯よりも歯周病を発症する人が増えているだけでなく、歯を失うリスクが高かったり、全身の病気を誘発したりするなど、注意点が多い病気といえます。
今回はそんな歯周病の原因となる細菌の感染経路や種類、殺菌方法などについて、阿倍野区の西田辺えがしら歯科がわかりやすく解説をします。
歯周病菌の感染経路について
はじめに、「歯周病菌はどこからうつる?」という疑問にお答えしましょう。歯周病菌の主な感染経路は「唾液」です。
歯周病を発症している人の唾液には、驚くほど多くの歯周病菌が含まれており、それが何らかの理由で口腔内に入り込むことで感染が広がります。
具体的には、次のような感染経路が考えられます。
・家族やパートナー間のキス
・家族内での食器や歯ブラシの共有
・食べ物の口移し
これらは一般的な家庭でよく見られる行為であるため、家族内に1人でも歯周病を放置している人がいたら、あっという間に細菌がうつってしまうことでしょう。
ただし、「歯周病菌がうつる=歯周病を発症する」というわけではありませんので、その点は誤解のないようにお願いします。
お口の中に歯垢や歯石が堆積しておらず、衛生的な環境を維持できている人なら、仮に歯周病菌が侵入したとしても、悪さをするほどまでに繁殖することはないのです。
とはいえ、細菌を周りの人にうつさないに越したことはないので、歯周病にかかっている人は治療が完了するまで、上記の感染経路を意識的に断つことをおすすめします。
歯周病菌の種類について
歯周病菌にはたくさんの種類が存在していますが、その中でも注意が必要なのがポルフィロモナス・ジンジバリス(P.g菌)、トレポネーマ・デンティコラ(T.d菌)、タンネレラ・フォーサイセンシス(T.f菌)の3種類です。
この3つの細菌は病原性が極めて高く、歯周病を成立させる上で重要な役割を担っていることから、専門的には「レッドコンプレックス」と呼ばれています。
それぞれの細菌に異なる特徴があり、顕微鏡で観察した時の形にも違いが見られますが、歯茎や顎の骨に炎症反応を引き起こすという点は共通しています。
とりわけ「トリプシン様酵素」という消化酵素を産生して、歯周組織を溶かしていく作用が厄介といえるでしょう。
歯周病菌を殺菌する方法
歯周病は細菌感染症なので、殺菌することで病気を根本から治せそうなものです。
実際、歯科医院で使用する診療器具は、高温高圧下で滅菌しているため、歯周病菌がうつるおそれはありません。
けれども、口腔は粘膜で構成されたデリケートな器官であることから、滅菌や極端な殺菌を行うことは不可能です。
ただ、殺菌作用が期待できる洗口液や歯磨き粉程度なら、日常的に使用しても何ら問題はありません。
具体的には、塩化セチルピリジニウム、グルクロン酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノールなどには、歯周病菌を殺す作用が期待できますが、現実的には繁殖を抑える程度にとどまります。
歯周病菌を減らす努力をする
口腔内の歯周病菌を死滅させることは不可能なので、その数を減らすことに注力することが大切です。
つまり、歯周病菌の住処となる歯垢・歯石を毎日のブラッシングや歯科医院でのクリーニング、スケーリングで除去できていれば、歯茎に悪影響を与えることもなくなります。
さらには、パートナーや家族に歯周病をうつすリスクも減らせることでしょう。
まとめ
今回は、歯周病の感染経路や歯周病菌の種類、殺菌する方法について、阿倍野区の西田辺えがしら歯科が解説しました。
歯周病は唾液を介してうつる病気で、キスや食器の共有などで感染が広がります。
口腔内の歯周病菌を十分に殺菌する方法は存在していないことから、歯周病を治すためには歯科医院での治療が必須となっている点にご注意ください。そんな歯周病の症状に悩まされている、家族にうつりそうで不安、という方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。
しっかりと検査した上で、最善といえる治療法をご提案します。
阿倍野区の西田辺の歯医者 西田辺えがしら歯科
IDIA国際口腔インプラント学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
歯科医師 院長 江頭伸行