電動歯ブラシの選び方、使い方
電動歯ブラシ、正しく使えていますか?
電動歯ブラシが日本に普及しはじめたのが1990年代ごろ。
以後、各メーカーから様々な機種が販売され、いまでは日本人の5人に1人が電動歯ブラシを愛用しています。
一方で電動歯ブラシを購入してみたものの「うまく使えない」「磨けている感じがしない」といった理由で、手動の歯ブラシに戻ってしまったという方もいらっしゃるようです。
ただそのような方の多くが、購入した電動歯ブラシの性能をよく理解していなかったり、マニュアルを読まないまま何となく使っていたりします。
そこで今回は改めて、電動歯ブラシの選び方や機能や正しい使用法について詳しくお話したいと思います。
まだ電動歯ブラシをお持ちでない方や、電動歯ブラシはいいんですか?と思っている方に、これからの購入の参考にしてください。
目次
1. 電動歯ブラシは「振動」の違いで汚れの落とし方が異なる
電動歯ブラシは、ブラシのついたヘッド部分が振動することで汚れを落としていきます。
ただ「振動」と一口にいっても、それぞれの電動歯ブラシによって振動のメカニズムや汚れの落とし方が異なります。
電動歯ブラシを使用する前に、まずはそれぞれの特徴をよく理解しておきましょう。
音波歯ブラシ:振動数2~3万回/分
音波歯ブラシは高速振動による物理的な力でプラークを落としていきます。
歯科医院で取り扱う高性能電動歯ブラシはこのタイプです。
ブラシ自体に上下左右、回転などの動きがあるので、手磨きのようにゴシゴシ横に動かす必要はなく、ブラシを歯に当てるだけで汚れを落とすことができます。
超音波歯ブラシ:振動数120万回/分
超音波歯ブラシは毛先の細かい振動でプラークを破壊しながら汚れを落としていきます。
他の電動歯ブラシと比べて振動数は圧倒的に大きいのですが、振動が細かすぎるので目で確認できるようなブラシの動きはありません。
そのため手磨きのような動きがある程度必要となります。
その他の電動歯ブラシ:振動数3~7千回
その他の電動歯ブラシも、基本的にはブラシの振動で汚れを落としていきます。
しかし振動数が非常に小さいため、しっかり磨くためには手磨きと同じように歯ブラシを動かさなければなりません。
2. 電動歯ブラシは高機能なものを選ぼう
上記の3つ目に挙げた「その他の電動歯ブラシ」の中には、わずか数百円で購入できるものがあります。
しかし安いのにはそれなりの理由があり、例えばブラシが粗造であったり、振動が激しくて使いづらかったりすることもしばしばです。
そのような電動歯ブラシは汚れを十分に落としきれないばかりか、かえって歯や歯ぐきを痛めてしまうことにもなりかねないため、使用はおすすめできません。
近年はヘッドが振動する以外に、ブラシが強く当たりすぎるのを防ぐセンサーや、磨き時間を知らせるタイマーなど、様々な機能をかねそなえた電動歯ブラシが販売されています。
電動歯ブラシを購入するのであれば、このような高性能電動歯ブラシがおすすめです。
3. 当院のおすすめの電動歯ブラシ
大阪市阿倍野区西田辺のえがしら歯科が虫歯や歯周病の予防でお勧めする電動歯ブラシは「フィリップス・ソニッケアー」シリーズで音波歯ブラシです。
音波歯ブラシのソニッケア―は音波振動で汚れを落とすだけでなく、その振動がお口の中で「音波水流」を作り、毛先の届きにくい細かいすき間の汚れもかき出してくれます。
この音波水流はソニッケア―独自のもので、お口のすみずみまでプラークを落とすことができます。
3. 電動歯ブラシでうまく磨けない5つの理由
電動歯ブラシがいまいち使いこなせていないのは、もしかしたら次のような点に原因があるのかもしれません。
もう一度ご自身の電動歯ブラシの性能やマニュアル等を確認してみましょう。
① 手動の歯ブラシと同じように動かしている
音波歯ブラシに代表される高性能電動歯ブラシは、ブラシが上下左右に振動することで汚れを落としていきます。
したがって手磨きのように歯ブラシを横にゴシゴシと動かす必要はありません。
正しい使い方は、磨きたい部位にブラシを「あてるだけ」。
歯の並びに沿って、ゆっくりブラシを移動させていきましょう。
② ブラシを歯に強く押し付けている
「電動歯ブラシを使ったら、歯ぐきが痩せてしまった」という方は、ブラシをあてる力加減に問題があります。
電動歯ブラシは振動が歯に伝わる程度の力で、十分に汚れを落とすことができます。
強く押しあててしまうと、歯や歯ぐきを傷つけてしまうので注意しましょう。
高性能電動歯ブラシの多くは、押しあてすぎを防止する「過圧防止センサー」が内蔵されています。
初めて使用する方は、このような機能を備えた電動歯ブラシがお勧めです。
③ 自分に合うヘッドの大きさや毛質を選んでいない
電動歯ブラシも手動歯ブラシと同じように、ヘッドによって大きさや毛の硬さが異なります。
何も考えずに購入したままのヘッドをお使いであれば、一度別の種類のヘッドと交換してみましょう。
④ ヘッドを交換していない
どんな高機能電動歯ブラシでも、毛束が開いたブラシでは汚れはきれいに落ちません。
電動歯ブラシのヘッドも消耗品ですので、3ヶ月1度を目安に新しいものと交換しましょう。
⑤ 歯磨き粉を使っている
電動歯ブラシを使用する時は、普通の歯磨き剤でなく歯磨きジェルをつかいましょう。
電動歯ブラシは、通常、手磨きで使用するチューブタイプの白い歯磨き粉は不向きです。
この歯磨き粉には泡立ち成分(発泡剤)が含まれるため、飛沫が散ってかえって磨きにくくなります。
また研磨剤が歯や歯ぐきを傷つける恐れもあるため、使用は控えてください。
左は通常の歯磨き剤 右が歯磨きジェル
もし電動歯ブラシで歯磨き剤を使用したい場合は、飛び散りにくいジェルタイプや液体歯磨きを選びましょう。
また、電動歯ブラシ専用の歯磨き剤もお勧めです。