やせた歯ぐき治療法 FGG(遊離歯肉移植術)

歯ぐきのやせた女性

歯ぐきがやせて歯の根っこが大きく露出してしまうと、冷たいものが歯にしみたり、歯が長く見えて見栄えも悪くなってしまいます。

「やせた歯ぐきを元にもどすことはできないのでは?」と思っている方も多いようですが、治療法がないわけではありません。

歯科では上記のようなケースにおいて、FGG、CTGといった歯ぐきの移植手術をおこなうことで、やせた歯ぐきを正常の状態に回復させることができます。

今回は大阪市阿倍野区西田辺のえがしら歯科でも治療できる、FGGについて詳しくご紹介していきましょう。

1. FGG(遊離歯肉移植術)とは

FGGはFree Gingival Graftの頭文字を略した呼び名で、医学用語的には「遊離歯肉移植術(ゆうりしにくいしょくじゅつ)」と呼ばれる歯肉移植術です。

〇 FGGは「上皮」と「結合組織」の2層を移植する

私たちの歯ぐきは表面から上皮、結合組織、骨膜の3層構造になっており、FGGはそのうち上皮と結合組織の2層を移植する方法です。

ドナー(移植元)となるのは主に上あご(口蓋)の歯ぐきで、具体的には上の奥歯の裏側あたりから健康な歯ぐきを一部取り出し、不足した歯ぐきの部分に移植します。

歯ぐきの模型

2. FGGの術式

FGGの術式を簡単にまとめると、以下のようになります。

① 移植をおこなう部位に麻酔をおこない、歯ぐきを切り開いて移植に必要な歯ぐきの量を計測する

② ドナーとなる口蓋部にも麻酔をかけ、移植に必要な分の上皮と結合組織を2層まとめて切り取る

③ ①で切り開いた部位に②で取り出した移植片を移植し縫合する。サージカルパックと言われる歯肉の包帯のような役割のもので保護する

④ ②で歯ぐきを切り取ったドナー部をコラーゲンなどでカバーし、縫合する

⑤ 術後1~2週間後、縫合した糸とサージカルパックを取り除く

3. どのような時にFGGをおこなうのか

FGGは歯ぐきが痩せて歯根(歯の根っこ)が広く露出した場合におこなわれる治療法ですが、そのほかに「角化歯肉」と呼ばれる硬い歯ぐきが不足しているケースでもよくおこなわれます。

〇 角化歯肉は「丈夫で硬い歯ぐき」

歯ぐきは性質や構造の違いから「角化歯肉(かくかしにく)」「歯槽粘膜(しそうねんまく)」の2種類に大きく分けられます。

上下の歯を咬み合わせた状態で鏡に向かい、唇や頬を引っ張ったときに一緒に動くのが歯槽粘膜で、引っ張っても動かないのが角化歯肉です。

角化歯肉はコラーゲンが豊富で丈夫なため外部のからの刺激にも強く炎症に対する抵抗力も高いことが特徴です。

一方の歯槽粘膜はコラーゲンが少なく、薄くて柔らかいため歯ブラシなどちょっとした刺激でも傷つきやすい特徴を持っています。

〇 角化歯肉が不足すると歯ぐきが痩せやすい

歯の歯根を覆っている歯ぐきは主に角化歯肉であり、この頑丈な歯ぐきによって食べ物や歯ブラシなどの外部からの刺激から歯の根が守られています。

もしこの角化歯肉が不足していると、歯ブラシの圧などで痛みを感じやすく、ちょっとした刺激でも歯ぐきが痩せて歯肉退縮を起こしやすくなります。

また角化歯肉は奥歯になるにつれて幅が小さくなりますが、角化歯肉の幅が小さすぎると歯ぐきと頬の隙間が狭くなり歯磨きがしづらくなります。

さらに食片の流れも悪くなるため汚れが溜まりやすく、不衛生になりがちです。つまり角化歯肉が少ない場所は虫歯歯周病のリスクが高く、そのままの状態で新しい被せ物を入れたり、インプラント治療をおこなっても良好な状態を維持することは難しくなるわけです。

〇 FGGによって安定した口腔環境が維持できるようになる
FGGは退縮してしまった歯ぐきを回復させるほかに、もともと角化歯肉が不足している部位(上下幅が3mm以下)に新たな角化歯肉を増やしたい場合にも適応される術式です。

FGGによって十分な角化歯肉を得られると歯ブラシが口腔内に入れやすくなるたるため清掃効率もあがり、良好な口腔環境を長期的に保つことが可能になります。

歯磨き指導

以上をまとめると、FGGは以下のような患者様にお勧めしたい治療法といえます。

・歯ぐきが痩せて歯根が大きく露出している方(見栄えが悪い・歯がしみる・虫歯になるなど)
・歯ブラシなどのちょっとした刺激で歯ぐきがすぐに痩せてしまいがちな方
・歯ぐきと頬との間が狭く、特に奥歯にいくほど歯ブラシが当てにくい方

4. FGGができない場合

このFGGは、すべての方が治療を受けれるわけではありません。

歯周病の炎症が強い時、歯が揺れている場合、レントゲンで歯茎の骨が極度に痩せている場合、お口の清掃状態が悪い場合、糖尿病などの全身疾患がある場合など、希望されても処置できない場合があります。

詳しくは歯周病などの検査を行わなければわかりません。
最寄りで歯周病治療を行っている歯科医院で検査を受けご相談ください。

4.最後に…

この度はホームページをご覧頂きありがとうございます。

歯の豆知識ページは、皆様に何かしらの参考やお役に立てればと思い作成させていただいております。

当院では安心してご来院頂けるように、お口の状況・治療内容など詳しく検査し、歯科専門のカウンセラーが説明やカウンセリングした上で、極力、痛くない治療を進めています。
皆様と笑顔で楽しい毎日、そして何でも食べられる喜びを分かち合えるよう、スタッフ一同しっかりサポートさせて頂きます。

お口に関するお悩みやご質問などございましたら、お気軽にご相談ください。

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