歯周病の検査について


歯周病で歯茎が腫れている女性

成人の8割がかかっているといわれる歯周病は、ある程度進行しないと症状があらわれないという非常にやっかいな病気です。

そのため大阪市阿倍野区西田辺のえがしら歯科では歯周病の予防、そして病状の悪化を防ぐため、定期的に歯周病検査をおこなうことをお勧めしています。

とはいえ、「歯周病の検査って具体的にどんなことをするの?」と疑問をお持ちの方も多くいらっしゃることでしょう。

そこで今回は、歯周病検査でおこなう具体的な項目とその方法についてご紹介したいと思います。

1. 歯周病の検査項目

歯周病では、以下の8つの項目についての検査をおこないます。
①歯周ポケット検査(プロービング検査)
②BOP(出血歯数)
③歯の動揺度検査
④プラークコントロール・レコード
⑤レントゲン検査
⑥咬み合わせの検査
⑦細菌検査
⑧唾液検査

これら8つの検査結果を総合的に診査し、現在の歯周病の状態を判定していきます。

歯周病の状態

それではそれぞれの検査について、以下に詳しく解説していきましょう。

2. 歯周ポケット検査(プロービング検査)

歯周ポケットの深さを測定します。
歯周病の初期の状態からあらわれるのが、歯と歯茎の間に生じる『歯周ポケット』と呼ばれるすき間です。
歯周ポケットはその深さが深いほど歯周病が進行していると判断できます。

歯周ポケットの深さの測定では『プローブ』と呼ばれる目盛りのついた器具を使用するため、この検査を歯周ポケット検査、又はプロービング検査といいます。

プローブ

プローブ

測定は基本的に1本の歯に対して6か所おこない、プローブを歯周ポケットに挿入し、歯茎の入り口からポケットの底までの深さを測ります。

このとき術者は、25グラム程度の軽い力で歯周ポケットに挿入し計測します。

健康な歯茎のポケットの深さは1-2mm程度です。
それよりも深く4mm以下であれば軽度、4-6mmであれば中等度6mm以上で重度歯周病と診断されます。

このプローブを歯周ポケットに挿入するとき、「チクチク」した感じがあります。

もしこのチクチク感が、「痛み」に感じるようなら、既に歯周病にかかっているかのしれません。
健康な人ほど痛みを感じません。

実際の歯周ポケット検査

歯周ポケット検査

3. 歯茎からの出血の程度を調べる検査(BPO:出血歯数)

プロービング検査の際、同時に検査したポイントの出血の有無を確認します。
プローブを挿入した場所から出血が見られるということは、その部位の歯周病菌の活動が活発で炎症が強いことをあらわしています。

BOPではさらに全体の検査部位に対する出血部位の割合をBOP率として算出します。
例えば32本すべての歯が生えそろっている場合であれば32×6=192で出血部位の数を割り、100をかけたものがBOP率です。
BOP率は目標として20%以下に抑えるのが理想的といえます。

歯周病の検査

4. 歯の揺れを調べる検査(動揺度検査)

歯周病は歯を支える骨(歯槽骨)が壊されていく病気であるため、進行すると歯が次第に揺れ始めます。

動揺度検査では、ピンセットを使用して歯の揺れ具合を1本1本調べていきます。
検査の結果は以下のように、揺れの度合いを4段階に分けで分類していきます。

・0度:歯の揺れが0.2mm以内(正常範囲)
・1度:歯の左右(唇舌方向)に0.2~1.0mm程度とわずかに動揺
・2度:歯が左右(唇舌方向)に1.0~2.0mm揺れ、前後(近遠心方向)にも揺れがみられる
・3度:歯が左右(唇舌方向)、前後(近遠心方向)に2.0mm以上揺れ、垂直方向(歯軸方向)にも揺れが見られる

5. プラークコントロール・レコード(歯磨きの達成具合を調べる検査)

プラークコントロール・レコードとは、簡単にいえば歯磨きの達成具合を数値化する検査です。
プラーク(歯垢)を赤く染め出す溶液を使用し、汚れがきれいに落とせているかを判定していきます。

具体的には歯茎に接している歯の表面を4面(頬側・舌側・近心・遠心)に分け、磨き残しのある部位が何面あるか数え、それを測定した面数の合計で割り100をかけます。

32本の歯があれば32×4=128面が総面数となり、そのうち64面が磨けていなければプラークコントロール・レコードは64÷128×100=50%です。

歯周病の予防や治療においては、このプラークコントロール・レコードが20%以下になるように目標を定めていきます。

6. レントゲン検査

レントゲン検査では、歯槽骨などの歯の周囲の骨が破壊された度合い歯の根っこの病巣(根尖病巣)の有無などを確認していきます。

また1つの歯に対して複数の根っこを持つ奥歯に関しては、根と根の間(根分岐部)にある骨にまで歯周病が進行していないか、またどの程度進行が進んでいるのかを診断していきます。

レントゲン検査

7. 咬み合わせの検査

咬み合わせが直接歯周病の原因となることはありませんが、場合によっては進行を早める要因となる可能性があります。

また歯周病の進行によって歯が揺れ始めると、その歯の動きによって咬み合わせが悪くなってしまう場合もあります。

このため歯周病の検査では、歯周病の進行や状態の悪化の要因になる咬み合わせの異常がないかも、細かくチェックしていく必要があります。

嚙み合わせ検査

8. 細菌検査

細菌検査ではまず、患者様の唾液や歯垢の中にどのような種類の細菌が含まれているのか位相差顕微鏡を使って確認していきます。

位相差顕微鏡で見える細菌の状態はモニターに映し出すことができるため、患者様にも自身のお口の中の状態を直接目で見て確認していただくことが可能です。

細菌検査ではその他に、リアルタイムPCR法という検査によってお口の中に生息する歯周病菌の種類や数を特定していきます。

歯周病菌はその種類によって悪性度が異なるため、悪性度の強い歯周病菌に感染しているほど重症化する可能性が高いと判断されます。

9. 唾液検査

唾液検査では唾液中に含まれる成分を分析し、虫歯歯周病になるリスクを判定していきます。

歯周病に関しては唾液中に含まれる『白血球』と『タンパク質』の量を調べていきます。
どちらも歯周病菌の影響によって増加する成分であり、唾液中にこれらの成分が多く見られるということは、歯周病が進行している可能性が高いということになります。

唾液検査

10. 最後に…

この度はホームページをご覧頂きありがとうございます。

歯の豆知識ページの歯科治療において、皆様へ何かしらの参考やお役に立てればと思い作成させていただいております。

歯周病は初期症状が少なく、症状が現れる頃には重度の歯周病になっている
ことが多々あります。

あなたも歯や歯茎に痛みがなくても、歯磨き時の出血や口臭など些細なことでも歯周病かな?と思うことがあれば歯周病治療を行っている歯科医院を受診しましょう。

歯周病は軽度、中等度、重度と、その段階に応じた処置が必要です。

先ず自分がどのレベルの歯周病にかかっているのかを、きちんと歯周病の検査し診査診断を受けてから治療を行ってもらうようにしましょう。

当院では安心してご来院頂けるように、お口の状況・治療内容など詳しく検査し、歯科カウンセラーがご説明した上で、極力、痛くない治療を進めています。

皆様と笑顔で楽しい毎日、そして何でも食べられる喜びを分かち合えるよう、スタッフ一同しっかりサポートさせて頂きます。

お口に関するお悩みやご質問などございましたら、お気軽にご相談ください。

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