舌の異常について
阿倍野区の西田辺にある西田辺えがしら歯科が舌の異常について解説します。
全身の不調で内科を受診した際には、舌の状態を見られることが多くありませんか?
それは舌が全身の健康状態を、反映しやすい器官だからです。
貧血や血行不良、ある種の感染症などは舌の状態が診断の材料となります。
では、舌そのものが病気になっている場合はどうなるのでしょうか?
実は舌というのは、歯や歯茎以上に病気や異常、できものが生じやすい器官であり、普段からその健康状態には十分配慮する必要があります。
今回はそんな舌の病気や異常について、阿倍野区の西田辺えがしら歯科がわかりやすく解説します。
目次
舌の表面に現れる異常
舌の表面の異常としては、次のような症状が挙げられます。
舌の表面が白っぽい(舌苔)
舌の表面には、舌苔(ぜったい)と呼ばれる汚れが生じます。
舌苔は、細菌や食べかす、白血球の死骸などで構成されており、歯垢との大きな差は見られません。誰にでも生じ得るもので、口臭の原因になりやすいです。
虫歯菌や歯周病菌の温床にもなりますが、病気ではありません。健康な人にもある程度の舌苔は認められますし、心配しすぎるのも良くありません。
舌苔の付着が目立つようであれば、舌ブラシで丁寧に除去しましょう。
舌の表面が白い(口腔カンジダ症)
カンジダは、カビである真菌の一種です。お口の中で繁殖すると、舌を始めとした粘膜にカビが生えてきます。
専門的には口腔カンジダ症と呼ばれるもので、痛みや味覚障害を伴うこともあります。抗真菌薬が配合された軟膏やうがい薬、内服薬などで治療します。
舌の表面が赤や白みがまだら模様(地図状舌)
舌の表面に複数の浅い溝やクレーターができて地図のような模様が現れる状態を指します。
舌の表面が起伏に富み、異常な模様が現れるためにこの名前がついています。
地図状舌は小児や女性に多く見られ、原因は不明。
一般的には病気ではなく、食生活やビタミンB群欠乏、ストレスなどから来るものと考えられています。などと言われています
アレルギー、消化器疾患などの疾患の方によく見受けられます。
舌の表面の舌苔が黄色い
黄色い食品や飲み物(例: キャロットジュース、カレー、ターメリック)の摂取により、舌の表面に着色物質が付着し黄色く見えることがあります。
また、口腔内の細菌の増殖や異常なバランスが生じると、舌苔が黄色く見えることがあります。これは口臭の原因とも関連しています。
喫煙、喫煙者はタバコの成分により、舌の表面に黄色い舌苔が付着しやすくなります。
舌の表面にびび割れ(溝状舌)
舌の表面に深い溝が複数、認められる場合は、溝状舌(こうじょうぜつ)が疑われます。
溝状舌の80%は先天的(遺伝的)な原因があると考えられています。
溝状舌の後天的要因は口腔環境の変化、炎症や感染症、噛み癖や舌の摩擦、他の口腔疾患や全身疾患などです。これらの要因により舌の表面に溝が形成されることがあります。
溝状舌は一般的には健康上の問題を引き起こすものではありません。
しかし、舌の表面の溝が汚れや細菌の蓄積を引き起こし、口臭の原因となる可能性があるため、適切な口腔ケアや舌の清潔を保つことが重要です。
舌のふちがボコボコ
舌のふちがボコボコする原因はいくつか考えられます。
口腔環境の変化や炎症、感染症、舌の異常な摩擦、過度の噛み癖などが要因となることがあります。
舌が痛い(舌痛症)
舌がピリピリもしくはチクチクと痛む場合は、舌痛症(ぜっつうしょう)が疑われます。外見上は目立った異常が見られず、戸惑う方も多いことでしょう。この病気の原因としては、ストレス、口腔乾燥、金属アレルギー、矯正器具による刺激などが挙げられます。
舌の痛みは一過性の場合もあれば、慢性化する場合もあるため、ケースに応じて適切な治療を受ける必要があります。
舌に白や赤の斑点が出来ている(白板症・紅板症)
舌の表面に白色や紅色の斑点が生じている場合は、白板症(はくばんしょう)や紅板症(こうばんしょう)が疑われます。
これらは前癌病変とも呼ばれており、がん化する可能性があるため十分な注意が必要です。
舌に潰瘍やびらん、出血などが見られる(舌がん)
舌に現れた前癌病変が進行すると、舌がんになります。舌の表面に潰瘍やびらん、白い斑点などが認められ、ケースによっては出血を伴います。
舌がんは悪性腫瘍であり、原則としては病変部を外科的に切除します。
必要に応じて放射線療法や化学療法も併用して完治を目指します。
その他の病気・異常
その他にも舌には、地図状舌や黒毛舌、乳頭腫など、さまざまな病気・異常が現れることがあります。
その多くは歯科で診断できるため、舌の表面に異常が認められたらまず歯医者さんに相談しましょう。
治療に関しては、大学病院の口腔外科などで行うことも珍しくはありません。
舌を清潔に
舌を清潔に保つことで舌の異常の発生が少なくなり、舌の異常の発生時も発見が早くなります。
舌の磨き方の基本的な手順を説明します。
舌ブラシ(舌清掃用のブラシもしくはスクレーパー)で奥から手前に動かします。その行動を数回、繰り返してください。
通常の歯ブラシでも舌を磨くことは可能ですが、柔らかすぎて綺麗に汚れが取れない可能性があります。
舌を磨くタイミングは、通常歯磨きの後に行うことが多いですが、歯を磨く前または後のどちらでも大丈夫です。好みに応じて選んでください。
まとめ
今回は、舌の異常や病気について、阿倍野区西田辺の歯医者の西田辺えがしら歯科が解説しました。
皆さんも舌の表面に舌苔以外の異常が認められたら一度、歯医者さんに診てもらいましょう。
舌苔に関しては、セルフケアで改善することが可能です。
阿倍野区西田辺の歯医者の西田辺えがしら歯科に、お気軽にご相談ください。
阿倍野区西田辺の歯医者の西田辺えがしら歯科
IDIA国際口腔インプラント学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
歯科医師 院長 江頭伸行