なぜ、虫歯の痛みが突然治まったのか?
虫歯の痛みがある日と突然治まる日があるのはなぜ?について、の阿倍野区の歯医者 西田辺えがしら歯科の歯の豆知識ページです。
虫歯は、風邪やインフルエンザ、感染性胃腸炎などと同じ感染症の一種ではありますが、特殊な点が多々あります。
それは「自然治癒しない」「硬組織に感染が起こる」「経過が長い」といった点です。また、痛みに関しても“ムラ”がある点に戸惑う方が多いかと思います。
虫歯は痛みが強い日もあれば、弱い日もあります。
ある日突然、痛みがゼロになることも珍しくありません。
今回はそんな虫歯の痛みにムラがある理由について、阿倍野区の西田辺えがしら歯科がわかりやすく解説します。
虫歯の痛みと全身状態との関係
虫歯による痛みは、疲れやストレスがたまっていたり、睡眠不足であったりすると強くなりやすいです。
全身状態が悪いことで免疫力が下がり、細菌の活動が活発化するからです。
風邪などの病気にかかっている時も全身の免疫力が下がっていることから、虫歯による痛みも強くなりやすいです。
虫歯の痛みと自律神経との関係
虫歯の痛みは、時間帯によっても変化します。例えば、一生懸命に仕事をしている日中は、虫歯の痛みに悩まされることは少ないです。
これは自律神経の一種である交感神経の働きが優位になっているからです。
事故などでケガをした瞬間は交感神経によって体の緊張が高まることで痛みを感じにくくなりますが、落ち着いてから副交感神経が優位になると痛みが強くなります。
それと同じメカニズムで虫歯の痛みも1日の中で推移していきます。
ですから、心も体もリラックスする就寝前には虫歯の痛みに注意する必要があるといえるのです。
虫歯の痛みがある日突然、治まる理由
虫歯の痛みは1日の中でも変動があることはご理解いただけたかと思います。
それとは異なる症状で、ある日突然、痛みがゼロになることもあります。
これまで悩まされていた歯痛が嘘のように消えてなくなるため、多くの人は「虫歯が治った」と感じることでしょう。
風邪や胃腸炎による頭痛、腹痛も2~3日で消失するケースがほとんどですからね。
それは本当に病気が治ったからなのですが、虫歯は例外です。
病気が治ったのではなく、むしろ進行したことによって痛みが消えてなくなるからです。
歯の神経が死ぬと痛みが消える
虫歯の進行度は大きく4つに分けられます。
専門的にはC1~4に分類され、歯の神経にまで感染が広がる「C3」まで至ると、これまでにないほどの歯痛に悩まされるようになります。
夜間に歯がジンジンと痛み出して、眠れない夜があるという方は、おそらく虫歯がC3まで進行しています。その状態を放置していると、歯の神経が細菌によってボロボロにされて死んでしまいます。
これを歯髄(しずい)の失活(しっかつ)と呼び、これまで生じていた歯痛がきれいに消失する原因となっています。
痛みが消えることは良いこと?悪いこと?
C3の虫歯治療では、歯痛を取り除くためにも、歯髄を抜き取ります。
その結果、歯の神経がない失活歯となるのですが、その後は根管治療を行って土台を作り、詰め物・被せ物を装着します。
一方、虫歯を放置することによって歯髄が失活した場合は、感染した組織が根管内に残存しているため、これからさらに深刻な症状へと発展しかねません。
根管内の病巣を放置すると、歯を失うだけではなく、根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)や顎骨骨髄炎(がっこつこつずいえん)などを誘発することもあるため、できるだけ早く歯科を受診しましょう。
つまり、虫歯による歯痛が自然に消えることは、患者さんにとって悪いことといえるのです。
まとめ
今回は、虫歯の痛みにムラがある理由と、ある日突然、痛みが治まる仕組みについて、阿倍野区の歯医者の西田辺えがしら歯科が解説しました。
虫歯に伴う痛みというのは、その他の感染症とは異なる経過をたどります。
その点も踏まえた上で、虫歯という病気と向き合いましょう。
阿倍野区の西田辺の歯医者 西田辺えがしら歯科
IDIA国際口腔インプラント学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
歯科医師 院長 江頭伸行