
歯が痛い時に飲む薬(歯痛薬)
歯が痛い時に飲む薬(歯痛薬)について、阿倍野区の西田辺えがしら歯科の歯の豆知識ページです。
虫歯や歯周病など歯の痛みというのは、頭痛や腰痛などとはまた違った感覚があり、我慢することが難しいケースも珍しくありません。
そんな時に役に立つのが痛み止めですね。
歯の痛み止め、いわゆる消炎鎮痛剤には、歯痛を和らげる効果が期待できるものもあるため、すぐに歯医者に行けない時などには重宝します。
ここでは歯が痛い時に使うことが多い歯の痛み止め(消炎鎮痛剤)の種類や特徴、副作用の違いなどをわかりやすく解説します。
消炎鎮痛剤とは?
消炎鎮痛剤(しょうえんちんつうざい)とは、文字通り炎症反応を抑え、痛みを和らげる効果が期待できる「痛み止め薬」のことです。
内科を受診した際にも消炎鎮痛剤が処方されることは多く、風邪やインフルエンザなどにかかった際にはカロナールやロキソニン、ボルタレンを処方されることが良くあると思います。
また皆さんも風邪や頭痛、生理痛などの際には、薬局ドラッグストアなどでロキソニンSやバファリン、EVE(イブ)を購入しますよね。
消炎鎮痛剤は一般の人にとって最も身近な医薬品のひとつといえるでしょう。
消炎鎮痛剤の作用・効果
消炎鎮痛剤にはいろいろな種類がありますが、炎症および痛みを抑えるという点において作用や効果が共通しています。
ですから、歯痛には必ずこの消炎鎮痛剤を使わなければならないということはなく、頭痛や腰痛、筋肉痛、怪我などにも有効です。
ご自身の体質に合った薬剤や鎮痛効果など、を考慮して選ぶことが重要といえます。
まず指標となるのが「副作用」です。
ロキソニン・カロナール・ボルタレンの副作用の違い
歯が痛い時にも聞く消炎鎮痛剤としては、ロキソニン・カロナール・ボルタレンの3つが主に挙げられますが、これらには副作用も含めて少しずつ違いがあります。
ロキソニンの特徴
ロキソニンは、「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」の代名詞のようなもので、日本の家庭でも広く使用されています。
ロキソニンにはNSAIDs(エヌセイズ)の中でも即効性が高いのが特徴で、できるだけ早く歯の痛みを抑えたいという方におすすめです。
ただ、人によってはロキソニンによってお腹が緩くなるなどの消化器障害が現れるため、体質に合わないという場合もあります。
鎮痛効果は中等度で比較的強い薬剤ですが、ボルタレンよりも鎮痛効果は弱めです。
妊婦の方や乳幼児、小児に使われることはまずありません。
カロナールの特徴
カロナールも消炎鎮痛剤の一種ですがNSAIDs(エヌセイズ)ではなく「非ピリン系解熱鎮痛剤:アセトアミノフェン」に分類されます。
NSAIDs(エヌセイズ)が炎症や痛みを引き起こす物質を抑えるのに対し、非ピリン系解熱鎮痛剤は、中枢神経や体温調節中枢に作用して炎症や痛みを抑制します。
NSAIDs(エヌセイズ)よりも副作用が現れにくい薬剤ですが、発疹や食欲不振といった症状が認められることもあります。
ロキソニンと比べると作用は緩やかであり、副作用のリスクも低いことから、妊婦の方や幼児、小児にも使うことができます。鎮痛効果は弱めです。
話はかわりますが、インフルエンザや新型コロナウイルスの鎮痛剤には、この中枢神経に作用するカロナールが良いとされています。
ボルタレンの特徴
ボルタレンもロキソニンと同じNSAIDs(エヌセイズ)の一種で、ステロイドは使われていないものの比較的強い効果が期待できる痛み止めです。
数あるNSAIDs(エヌセイズ)のなかでもボルタレンが最も強い消炎鎮痛効果を発揮すると言われており、それなりに強い副作用を伴います。
具体的にはロキソニンと同じ消化器障害なのですが、副作用の出現率は明らかにボルタレンの方が多くなっているのです。
そうした背景もあり現状、ボルタレンの薬は市販されていません。
医師による処方のみです。錠剤の他に座薬もあります。
体に貼り付けるテープ剤、ローション剤、スプレー剤などが市販されています。
鎮痛効果は強いです。
鎮痛効果はカロナール、ロキソニン、ボルタレンの順に強くなります。
しかし、それぞれの薬を飲む量でも鎮痛効果は変わります。
ロキソニン2錠とボルタレン1錠ならば、個人差もありますが、ロキソニン2錠の方が鎮痛効果が強いです。
ボルタレンがよりも鎮痛効果の強い薬剤はありますが、副作用の面で、これ以上に強い鎮痛剤はおすすめできません。
一般的に、一般開業医や歯科で処方する鎮痛剤は、ボルタレン2錠が最大でしょう。
まとめ
今回は、歯が痛い時の薬について、ロキソニン、カロナール、ボルタレンを例に挙げて解説しました。
それぞれに異なる作用と副作用がありますので、ご自身の体に合ったものを選ぶことが大切です。
ただし、鎮痛剤はあくまで対症療法であり、虫歯などの根本的な原因を取り除かない限り歯痛は持続するため、できるだけ早く歯科を受診するようにしてください。
阿倍野区 西田辺えがしら歯科
歯科医師 院長 江頭伸行