口腔機能発達不全症とは?子どもの口ぽかんや食べ方を阿倍野区・西田辺の歯医者が解説

こんにちは。大阪市阿倍野区、西田辺駅前の西田辺えがしら歯科です。
「いつも口が、ぽかんと開いている」「食事に時間がかかる」「あまり噛まずに飲み込んでいる」「発音が聞き取りにくい」
このような子供さんのお口の状態には、「口腔機能発達不全症」が関係していることがあります。
口腔機能発達不全症とは、食べる、噛む、飲み込む、話す、唇を閉じる、舌を動かすといったお口の機能が、年齢に応じて十分に育っていない状態です。
虫歯のような痛みがないため、本人も保護者の方も気づきにくいことがあります。しかし、お口の機能は食事や会話だけでなく、歯並びや噛み合わせ、呼吸にも関係しています。
今回は、阿倍野区・西田辺で子供さんの「口ぽかん」や食べ方が気になっている方へ、口腔機能発達不全症の主なサインや検査、治療について解説します。
目次
口腔機能発達不全症とは
日本歯科医学会では、口腔機能発達不全症を、「食べる機能」「話す機能」「その他の機能」が十分に発達しておらず、専門的な関わりが必要な状態としています。
子供のお口の機能は、生まれたときから完成しているわけではありません。
赤ちゃんは母乳やミルクを吸うことから始まり、離乳食を唇で取り込み、舌でまとめ、歯茎や奥歯で噛み、飲み込むことを少しずつ覚えていきます。
発音も、舌や唇、頬、顎を動かしながら、年齢とともに身につけていきます。
この発達の途中で、適切なお口の使い方が十分に身についていない状態が、口腔機能発達不全症です。

口腔機能低下症との違い
口腔機能発達不全症と似た言葉に、「口腔機能低下症」があります。
口腔機能低下症は、成人や高齢者が、以前はできていた、噛む、飲み込む、話すといった機能を失っていく状態です。
一方、口腔機能発達不全症は子供がこれから身につける、お口の機能が十分に育っていない状態です。
「獲得した機能が衰える」のが口腔機能低下症、「成長の途中で機能が十分に育っていない」のが口腔機能発達不全症です。
口腔機能発達不全症のサイン
子供さんに次のような様子がないか確認してみてください。
- 何もしていないときも口がぽかんと開いている
- 口で呼吸していることが多い
- 寝ているときにいびきをかく
- 食べるのが極端に速い、または時間がかかる
- あまり噛まずに飲み込んでいる
- 食べ物を口からこぼしやすい
- 硬い食べ物を避ける
- 片側だけで噛む癖がある
- 飲み物で食べ物を流し込む
- 飲み込むときに舌が前へ出る
- 指しゃぶりや、唇を噛む・吸う癖が続いている
- 唇をしっかり閉じることが難しい
- 5歳以降も発音の置き換えやゆがみがある
日本歯科医学会の評価では、歯や噛み合わせだけでなく、食事時間、食べこぼし、噛み方、舌の動き、口唇閉鎖、口呼吸、いびきなどを幅広く確認します。
一つの症状だけで診断するのではなく、お口全体の状態を総合的に評価します。
子供の「口ぽかん」は注意すれば治る?
口が開いていると、「お口を閉じなさい」と注意したくなるものです。
しかし、「口ぽかん」には、唇を閉じる力が弱い、舌の位置が安定していない、歯並びや噛み合わせに問題がある、鼻で呼吸しにくいといった理由があります。
そのため、注意を繰り返すだけでは改善しません。
口呼吸やいびきが続いている場合は、鼻やのどの状態も確認する必要があります。
歯医者で診察し、必要に応じて耳鼻咽喉科や小児科と連携します。

どうして口腔機能発達不全症になるの?
口腔機能発達不全症には、複数の要因が関係しています。
虫歯の痛みで片側だけを使っている、歯並びや噛み合わせによって前歯で噛み切れない、唇や舌の力が十分に育っていないといった状態があります。
指しゃぶり、舌で歯を押す癖、唇を噛む・吸う癖なども、お口の機能や歯並びに影響します。
離乳期では、食べ物を唇で取り込めているか、スプーンを舌で押し返していないか、食材の大きさや硬さが発達段階に合っているかを確認します。
口腔機能発達不全症は、保護者の方の育て方や、子供さんの努力不足だけで起こるものではありません。
歯、舌、唇、頬、顎、鼻、姿勢、食べ物などを確認し、どの機能を支える必要があるのかを判断します。
よく噛むことが大切な理由
噛むことには、食べ物を細かくし、唾液と混ぜ、飲み込みやすい形にまとめる役割があります。
厚生労働省の健康情報では成人を対象とした調査で、速く食べる習慣がある人には肥満者が多い傾向が報告されています。また、ゆっくりよく噛むことは、肥満対策の行動療法の一つとされています。
子供の食事では噛む回数だけを増やすのではなく、年齢に合った食べ物を適切な量で口に入れ、奥歯で噛み、舌でまとめて飲み込めることが大切です。
硬いものを無理に食べさせるのではなく、お口の発達に合った大きさや硬さを選びます。
口腔機能発達不全症をそのままにするとどうなる?
お口の機能が十分に育たない状態が続くと、食事、発音、歯並び、噛み合わせに影響します。
食事では、食べるのに時間がかかる、噛まずに飲み込む、食べ物をこぼす、片側だけで噛む、飲み物で流し込むといった癖が残ります。
舌や唇を適切に動かせない状態では、発音の置き換えや省略、ゆがみが続きます。5歳以降も発音の聞き取りにくさがある場合は、舌や唇の動き、歯並びを確認します。
「口ぽかん」や口呼吸が続く場合は、唇を閉じる力だけでなく、舌の位置、歯並び、鼻やのどの状態を調べます。
また、歯の位置は、舌、唇、頬から受ける力のバランスによって保たれています。舌で前歯を押す、指しゃぶりが続くといった癖は、歯並びや噛み合わせに影響します。
日本小児歯科学会も、口腔機能が適切に獲得されない状態が続くと、顔つきや歯並び、噛み合わせに影響すると説明しています。
成長の途中でお口の状態を確認することで、食べ物の形や硬さを変える、舌や唇の練習を始める、鼻や歯並びを検査するといった必要な対応を早めに始められます。

歯医者で行う検査
口腔機能発達不全症の診察では、食事時間、食べこぼし、噛み方、口呼吸、いびき、指しゃぶりなど、普段の様子を保護者の方に伺います。
その後、虫歯、歯の生え方、歯並び、噛み合わせ、唇や舌の形と動きを確認します。
専用の機器を使い、唇を閉じる力である「口唇閉鎖力」や、舌を上あごへ押しつける力である「舌圧」を測定することもあります。
口腔機能発達不全症は、学会のチェックリストを使い、複数の項目を総合して診断します。
口腔機能発達不全症の治療
治療内容は子供さんが、苦手としている動きによって異なります。
虫歯が痛くて噛めない場合は、虫歯を治療します。食べ物の大きさや硬さ、一口の量、食べる姿勢に問題がある場合は、ご家庭での食べ方を見直します。
唇や舌の動きが十分でない場合は、唇、頬、舌を動かす練習を行います。
日本小児歯科学会では、口腔機能発達不全症の治療として、虫歯の治療、正しい食べ方の指導、お口の周りの筋肉や舌の訓練などを挙げています。
必要な練習は、子供さんによって異なります。歯医者で現在の状態を確認し、その子に合った方法を選ぶことが大切です。

口腔機能発達不全症の治療と矯正治療の違い
口腔機能発達不全症の治療と歯列矯正は、目的が異なります。
口腔機能発達不全症の治療は、食べる、飲み込む、話す、舌を動かす、唇を閉じるといった機能を育てることが目的です。
歯列矯正は、装置を使って歯を動かし、歯並びや噛み合わせを整える治療です。
歯並びや噛み合わせに問題がある場合は、口腔機能の管理とあわせて矯正治療を検討します。
健康保険は使えるの?
口腔機能発達不全症は、診断基準と保険診療上の条件を満たす場合、健康保険による継続的な管理や指導の対象になります。
お口の機能を評価し、管理計画を立て、その計画に沿って機能の改善を支えていきます。
検査や指導内容、年齢、診断結果によって費用が異なります。詳しくは診察時にご説明します。
ご家庭では、叱るよりも観察してください
食事が遅い、噛まない、口が開いていると、つい注意したくなるものです。
しかし、できないことには理由があります。
食べるときにどちら側を使っているか、食べ物をこぼしていないか、飲み込むときに舌が出ていないか、普段から口が開いていないかを観察してみてください。
睡眠中のいびきや口呼吸も、歯医者へ相談するときの大切な情報になります。

阿倍野区・西田辺で口腔機能発達不全症が気になる方へ
口腔機能発達不全症は、食べる、噛む、飲み込む、話すといったお口の機能が、年齢に応じて十分に育っていない状態です。
「口ぽかん」、口呼吸、いびき、食事に時間がかかる、噛まずに飲み込む、食べ物をこぼす、舌が前へ出るといった様子は、歯医者へ相談する目安になります。
大阪市阿倍野区・西田辺周辺で、子供さんの口腔機能発達不全症、口ぽかん、食べ方、飲み込み方、発音が気になる方は、西田辺えがしら歯科へご相談ください。
子供さんのお口の状態と成長段階を確認し、ご家庭でできることも含めてわかりやすくご説明します。
参考資料
日本歯科医学会 「口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方」
公益社団法人 日本小児歯科学会 「口腔機能発達不全の治療に関する重要なお知らせ―口腔機能を育てる治療と矯正治療との関係について―」
厚生労働省「速食いと肥満の関係―食べ物をよく『噛むこと』『噛めること』」
阿倍野区西田辺の歯医者 西田辺えがしら歯科
IDIA国際口腔インプラント学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
歯科医師 院長 江頭伸行

