歯のメインテナンス
目次
歯のメインテナンスとは
まず、メインテナンス(maintenance)を英和辞典で引くと「持続・維持」「補修管理・整備」という言葉がでてきます。
日本語ではメンテナンス、もしくはメンテとも呼ばれ、建物や自動車などの点検や整備、維持というニュアンスで使われ、イメージすることが多いでしょう。
歯科のメインテナンスでは、歯のチェック(点検)と歯のクリーニング、フッ素塗布で虫歯や歯周病になりにくいお口の環境づくり(整備)おこない、点検や整備により生涯に1本でも多くの歯を残していくこと(維持)がメインテナンスの目的です。
なぜ定期メインテナンスが必要なのか?
例えば皆さんがマイホームを建てたとしましょう。
家は建った瞬間がゴールではなく、そこからいかに長く住めるようにするかが重要になります。
そのために必要なのがメインテナンスです。
マイホームの中をきれいに保つための毎日の掃除、年に数回の大掃除をかかさずおこなっていても、それだけでは家を維持し続けることはできません。
太陽の熱や風雨にさらされる外壁は傷みやすいため、5年毎、10年毎の定期的な点検や修繕が必要です。
さらに家の土台となる床下ともなれば、そのチェックや整備も絶対におろそかにはできません。
お口の中もマイホームと同じく、治療終了がゴールではありません。
毎日の掃除=歯磨き、年に数回の大掃除=歯科でのクリーニングだけでは、今の状態をずっと維持していくのは難しくなります。
歯も家と同様に毎日使い続けるものですから、必ず経年劣化を起こします。
まして一度、虫歯や歯周病になった歯は、これまで以上に管理をしっかりしないと再び傷んでしまう可能性が高いのです。
常に外界にさらされ、無数の細菌が生息し、毎日食べ物が入り込み、それを咬み続けるお口の中は、まさに「嵐の中に立っている家」そのもの。
そんなお口の健康を守るには、個々のお口に合わせたメインテナンスは欠かせないのです。
2.虫歯は治療をしても「治る」わけでなはない
よく「治療をして虫歯が治った」といいますが、それは果たして本当でしょうか?
確かに治療によって虫歯はきれいに取り除かれます。
しかし切り傷が元の皮膚に戻るように、骨折した骨がひっついて元に戻るように、歯が再生し昔と同じ形態に戻ることはありません。
つまり「治る」ということが病気やケガをした以前の状態に戻ることを意味するならば、虫歯になった歯は一生治ることはないのです。
治療で削って部分は、歯の代替として人工の詰め物や被せ物が入ります。
これらは天然の歯より強度や耐久性に劣り、一度でも削られた歯は以前と比べて確実に弱くなってしまうのです。
また、歯と詰め物や被せ物との間にはわずかな段差やすき間があり歯垢やプラークもたまりやすく、そこからまた虫歯が発生してしまいます。
そのため虫歯を治療した歯はこれまで以上に徹底した管理をしていかなければ、再び虫歯に侵されてしまうのです。
3.歯周病は再発する
歯と同じく、歯周病によって失われた歯茎の骨も自然と元通りに戻ることはありません。
歯周病治療によって歯茎の腫れや痛みはおさまるものの、そこには「歯周ポケット」という病気の跡が残ってしまいます。
そして厄介なことに、歯周ポケット内の汚れは歯ブラシで落とすことができません。
そのため歯周病はちょっとでも管理を怠ると再発しやすく、また再発のリスクは歯周病が進行するほど高くなります。
歯周病はいわば治療に終わりのない病気です。
一通りの治療が終了したあとは、日々のホームケアと定期的なメインテナンスによって再発を防いでいかなければなりません。
4.メインテナンスのメリット
それでは定期にメインテンナンスをおこなうと、具体的にどのようなメリットがあるのかご紹介していきましょう。
① 繰り返す虫歯や歯周病の原因がわかる
「歯が痛くて歯医者さんに行ったら、別の場所にも悪いところが見つかった」
「治療が終わってからしばらくして、また新しい虫歯ができた」
このように何度歯医者に通っても虫歯や歯周病を繰り返してしまうのは、そうなる原因をしっかり把握しきれていないからです。
虫歯や歯周病になる原因やそのリスクは、人によってそれぞれ異なります。
メインテナンスでは皆様のお口の中に潜むあらゆるリスクを探り出し、個々のお口の環境にピッタリの予防法をご提案していきます。
② 歯の寿命が延びる
定期的なメインテナンスを受けている人と、そうでない人とでは生涯に残る歯の数に差が生じることは、様々な調査において明らかになっています。
また、その差は、60代、70代、80代と歳を追うごとに大きな開きをみせていきます。
メインテナンスの良さをすぐには実感できなくても、歳を重ねるごとにその効果ははっきりあらわれてくるでしょう。
③ 体の健康も維持できる
生涯に残っている歯が多い人ほど健康状態は良く、寝たきりや認知症のリスクも低くなります。
これはしっかり咬むことが栄養状態を良くし、体のバランスも整いやすいこと、また咬むことが脳を刺激することで認知機能にも良い影響を与えるからと考えられています。
お口の定期メインテナンスによって歯を1本でも多く残していくことは、全身の健康維持、そして生涯にかかる医療費の軽減にもつながることは明白です。
5.当院の定期メインテナンス
最後に、大阪市阿倍野区 西田辺えがしら歯科でおこなっている定期メインテナンスの内容についてご紹介していきます。
①問診: 普段のセルフケア(歯磨きなど)、生活習慣、食生活などについてお聞きします。
定期メインテナンスでは、はじめにセルフケアやお口の中のことでお困りのこと、普段の生活状況などをお尋ねします。
特に虫歯や歯周病のリスクは毎日の生活習慣や食生活に大きく左右されるため、お話しを聞きながらお口の中に影響する問題点などを探っていきます。
②検査: 虫歯・歯周病のチェックをおこないます
新たな虫歯ができていないか、歯周病が再発していないかを検査で確認しいきます。
また必要に応じてお口の中の歯周ポケットや細菌検査、レントゲン写真、口腔内写真も撮影します。
③検査結果の報告:検査結果から、今後のケアのアドバイスをおこないます
各種チェック項目の結果をお知らせし、今後のホームケアのアドバイスなどをおこないます。
もし治療が必要な個所が見つかれば、その治療計画についてお話ししていきます。
③ブラッシング指導:個々のお口に合った歯磨きの仕方を指導していきます
汚れ具合をチェックし、磨き残しの多い部位があれば適切なブラッシング法を指導していきます。
④クリーニング:普段落としきれない汚れを徹底的に取り除きます
ホームケアでは落としきれない汚れを、専用の機器を使ってお口のすみずみまで落としていきます。
⑤フッ素塗布:虫歯になりにくい歯に仕上げます
クリーニングが終了したら、仕上げに虫歯予防のフッ素を塗布してメインテナンス完了です。
フッ素塗布は虫歯リストの高い方にのみ行っています。
大阪市阿倍野区 西田辺えがしら歯科では、治療を終了した患者様に定期にメインテナンスをご提案しています。
「やっと歯の治療が終わった」と思ったのに」
と少々がっかりされる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、せっかく治療した歯を今後もずっと使い続けていくために、そして生涯に1本でも多く歯を残すために、ぜひ定期的なメインテナンスを受けていただきたいと考えています。
阿倍野区の歯医者 西田辺えがしら歯科
歯科医師 院長 江頭伸行
大阪市阿倍野区西田辺 医療法人優伸会 えがしら歯科 審美・歯周・インプラント
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