歯の本数で噛めるものが変わる?
歯の本数で噛めるものが変わる?について、の阿倍野区の歯医者 西田辺えがしら歯科の歯の豆知識ページです。
私たち歯科医療従事者は、患者さんに天然歯の大切さを伝える機会が多いです。
厚労省や歯科医師会も「8020運動」を推進する形で、1本でも多くの歯を残しましょうと働きかけています。
現在は、失った歯を歯根から回復できるインプラント治療もあるため、なぜそこまで歯を残す事にこだわるのだろう、という疑問が生じているかもしれませんね。
そこで今回は、歯の本数で噛めるものが変わることについて解説することで、天然歯の重要性をお伝えしたいと思います。
歯は何本あるか知っていますか?
大人の歯である永久歯は、親知らずを除くと全部で28本生えてきます。
人によっては過剰歯や先天性欠損があることで、27本だったり29本だったりしますが、ここでは標準的な28本を前提として、お話を進めていきます。
なんでも噛める歯の本数は?
当然ですが、28本の歯がある場合は、どんな食べ物でも不自由なく噛むことができます。
歯並びや噛み合わせが悪いと、噛みにくいと感じる場面も出てくるかと思いますが、基本的には好きなものを好きなだけ食べられる状況にあるのです。
虫歯や歯周病などで歯を失っていくと、咀嚼(そしゃく)能率も低下していくことから、噛めるものにも制限が加わります。
咀嚼(そしゃく)とは、食べ物をを細かく噛み砕いて飲み込みやすいかたまり(食塊)にすること。
そこでひとつの目安となる残存歯数が「20本」です。少なくとも20本の歯が残っていれば、なんでも噛めると考えられています。
80歳まで20本の歯を残しましょうという「8020運動」のスローガンもその考え方が根拠となっているのです。
かたいものが噛めなくなる本数は?
歯の本数が20本以下になると、かたい食べ物が噛みにくくなります。
具体的には、スルメイカや堅焼きせんべい、フランスパンなどを噛むことが難しくなるでしょう。
ただし、残っている歯が6本を下回らなければ、れんこんやせんべい、おこわなど、ある程度の硬さを備えた食べ物でもなんとか咀嚼(そしゃく)ことができると考えられています。
やわらかいものしか噛めなくなる本数は?
残存歯数が0~5本となると、噛み応えのある食べ物はほとんど口にできなくなります。
うどんやバナナ、ナスの煮つけくらいであれば、頑張って咀嚼(そしゃく)することができるでしょう。
けれども、それだと食生活が単調になるだけでなく、栄養にも偏りが生じてしまいます。
何より食べ物を噛んで味わう喜びが失われてしまいます。そうしたことから、天然の歯はできるだけ残した方が良いといえるのです。
なんでも噛めることの幸せを再確認
虫歯治療や親知らずの抜歯などで、一時的に食事制限がかかることがあります。ケースによっては、おかゆしか食べられない日が続くでしょう。
そのような経験がある人は、その時に感じた辛さを忘れないでください。
歯の本数が減っていくと、好きな食べ物を自由に食べられない日が延々と続くことになります。それは人生の質そのものを大きく変えてしまるくらいの損失となることでしょう。
ただ、毎日のセルフケアをしっかりと行い、プロフェッショナルによるケア・メンテナンスを定期的に受けていれば、歯を失うことはそうそうないです。
実際、予防の考え方が広まり始めた日本では、8020運動の達成者が徐々に増えています。皆さんも頑張って天然歯を残して、80歳になっても好きなもの自由に食べられる生活を送りましょう。
まとめ
今回は、歯の本数で噛めるものが変わることについて、阿倍野区の歯医者 西田辺えがしら歯科が解説しました。
失った歯は、入れ歯やブリッジ、インプラントなどで補うことはできますが、天然歯の機能を完全に再現できるわけではありません。
そのことを正しく理解していると、口腔ケアの重要性にも気づきやすくなるかと思います。
阿倍野区の西田辺にある歯医者 西田辺えがしら歯科
IDIA国際口腔インプラント学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
歯科医師 院長 江頭伸行