仮歯の役割
仮歯の役割について、阿倍野区の歯医者 西田辺えがしら歯科の歯の豆知識ページです。
一般的な治療で、仮の装置を装着する機会というのはあまりありませんよね。
例えば歯科治療における「仮歯」というのは、一般の人からすると位置づけが難しい装置といえるかもしれません。
おそらく、多くの人は一時的にはめるだけの人工歯という認識しかないかと思います。けれども、実は仮歯にはいくつか重要な役割が課されているのです。
今回はそんな仮歯の役割について、阿倍野区の西田辺えがしら歯科がわかりやすく解説をします。
そもそも仮歯とは?
仮歯は、被せ物やブリッジ、インプラントなどの治療過程で必要となる装置です。
文字通り“仮の歯”なので、使い捨てであることは間違いありません。
また、皆さんが想像するように、治療期間中の見た目を良くするために装着するものでもあります。ですから、仮歯を装着すること自体に疑問や不満を感じる方はいらっしゃらないかと思います。
ただ、仮歯が担っているその他の役割まで理解しておかないと、さまざまなトラブルや誤解を招きかねないため、十分な注意が必要といえます。
仮歯が担う4つの役割
仮歯には、次に挙げる4つの役割があります。
役割1:審美性の回復(一時的)
上でも述べたように、仮歯には歯がない状態を改善する役割があります。
最終的な修復物・補綴物ほど美しくはありませんが、欠損部に仮歯があるだけで、口元の審美性が大きく低下するのを防げます。
役割2:患部の保護
仮歯を必要とする段階は、歯がとても不安定な状態となっています。
外からの刺激を受けやすいことから、そのままの状態で放置していると、細菌に感染したり、歯質が欠けたりするかもしれません。
歯の神経に温熱刺激が加わって、歯髄炎を引き起こすこともあるのです。仮歯には、そうしたトラブルを未然に防ぐ目的で、患部を保護する役割も与えられているのです。
役割3:歯の移動を防ぐ
歯列内に欠損があると、残った歯はそこに向かって倒れ込んだり、伸びてきたりします。仮歯で欠損部を埋めれば、歯の移動も防止しやすくなります。
役割4:歯茎の状態や清掃性を評価する
被せ物やブリッジ、インプラントといった治療では、必ず最終的な人工歯を設置しますが、仮歯の期間を挟むことで、本当にその形で良いのかどうかを判断しやすくなります。
仮歯が歯茎の形に馴染んでいて、清掃性も悪くなければ、そのまま最終的な人工歯を作ることができます。その結果、精度の高い修復物・補綴物に仕上げられるのです。
仮歯の注意点
このように仮歯には、見た目を良くすること以外にも、重要な役割があるため、外れた時は早急に主治医へ連絡するようにしましょう。
お口の中の状態によっては、すぐ再装着しなければならないかもしれません。
また、仮歯はあくまで一時的に装着する者であり、最終的な人工歯はまったく別のものです。見た目が良いからといって仮歯のまま治療をやめるようなことは絶対に控えてください。
仮歯は食べ物をしっかり噛めるようにできていませんし、長期間、歯を守ることも不可能です。
必ず最終的な人工歯を装着して、治療を終えるようにしましょう。
まとめ
今回は、仮歯の役割について、阿倍野区の西田辺えがしら歯科が解説しました。
仮歯には、審美性を回復する、患部を保護する、歯の移動を防ぐ、歯茎との適合や清掃性を評価する、といった役割があります。
皆さんが考えている以上に重要な装置ですので、決して軽視はせず、適切に取り扱うようにしましょう。
とくにブリッジやインプラントといった補綴装置の仮歯となると、その重要性はさらに高くなることでしょう。そんな仮歯で何か困ったことがあれば、いつでも当院までお問い合わせください。
阿倍野区の西田辺の歯医者 西田辺えがしら歯科
IDIA国際口腔インプラント学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
歯科医師 院長 江頭伸行