虫歯菌の種類について
虫歯菌の種類について、阿倍野区の西田辺えがしら歯科の歯の豆知識ページです。
エナメル質や象牙質を溶かす「虫歯菌」にはいくつかの種類があることをご存知でしょうか?
私たちのお口の中には、細かいものまで含めると10種類以上の虫歯菌が生息していますが、今回はその中でも代表的な「ミュータンス菌」と「ラクトバチルス菌」に焦点を当てて詳しく解説します。
虫歯になりやすい人の特徴について詳しくは、こちらのページへ
虫歯菌の出発点となる「ミュータンス菌」
ミュータンス菌は、虫歯菌の代名詞ともいえる細菌なので、皆さんもよくご存知かと思います。
歯垢を住処として繁殖し、歯の表面に感染して歯質を溶かしていきます。
正確には「ミュータンスレンサ球菌という名前が付けられており、顕微鏡などで観察すると“球”のような形をしているのがわかります。
虫歯はこのミュータンス菌が出発点となって病巣が広がっていくのです。
虫歯菌の穴を深くする「ラクトバチルス菌」
ラクトバチルス菌は、乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)の一種です。
“桿(かん)”は、さお状の棒を意味する言葉であり、ラクトバチルス菌を顕微鏡で観察すると本当に棒のような形をしています。
ラクトバチルス菌は見た目においても、ミュータンス菌とは大きく異なるのです。
そんなラクトバチルス菌は、砂糖や炭水化物が使われた食品に含まれているため、お菓子やスイーツが大好きな人は要注意です。
ミュータンス菌は主に唾液を介して感染が広がるのに対し、ラクトバチルス菌は食品を経由することが多いといえます。
また、ラクトバチルス菌は、虫歯菌のスタート地点となることはなく、ミュータンス菌が作った穴に入り込むことで、歯質を溶かすという営みを始めます。
ですから、まだ穴の開いていない初期の虫歯の段階でその進行を止めてしまえば、ラクトバチルス菌による影響も抑えることが可能となるのです。
虫歯菌の数を減らす方法
ミュータンス菌の数を減らすのであれば、歯垢や歯石をため込まないことが何より重要となります。
ミュータンス菌は、歯の表面に汚れが付着していないと繁殖できないからです。
毎日のブラッシングをきちんと行っていれば、歯石はもちろんのこと、歯垢の形成を防ぐことができます。
ラクトバチルス菌の数を減らす場合は、砂糖などがたくさん使われた食品の摂取を控えるよう心がけましょう。
糖質の摂取制限は、ラクトバチルス菌の数を減らすと同時にミュータンス菌の活動を抑えることにもつながります。
さらには、血糖値の急激な上昇などを防止できるため、全身の健康にも良い影響がもたらされることでしょう。
代用甘味料の糖アルコール
虫歯菌になりにくいことで有名なキシリトールは、糖アルコールの1種です。
砂糖であるスクロースと同じ糖質ではあるものの、虫歯菌がエネルギー源として活用できないことから、糖アルコール単独で虫歯になることはまずありません。
そのため最近では、キシリトールやエリスリトール、ソルビトールなどの糖アルコールを使ったお菓子・スイーツが増えてきています。
ちなみに、キシリトールやエリスリトールはスクロースとほぼ同じ甘さを備えていますが、ラクトバチルス菌が増える原因にもなりにくいです。
まとめ
今回は、虫歯菌の種類とそれぞれの特徴を阿倍野区の西田辺えがしら歯科が解説しました。
少し専門性が高いお話になりましたが、皆さんの虫歯予防に役立てていただけたら幸いです。
虫歯の始まりは、虫歯菌への感染なので、その根本から遮断することでお口の健康も維持しやすくなります。
当院までご相談いただければ、もっといろいろな角度から虫歯になりにくい食事のとり方についてお伝えできます。
阿倍野区 西田辺えがしら歯科 院長
IDIA国際口腔インプラント学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
歯科医師 院長 江頭伸行