予防歯科とは?
「予防歯科とは?」について阿倍野区の歯医者 西田辺えがしら歯科の歯の豆知識ページです。
歯医者さんに通うタイミングと言えば、「虫歯ができた」「歯の調子が悪い」などお口に何らかのトラブルが発生した時が1番多いのではないでしょうか。
しかし歯科医院はただ『歯の治療をする』だけの場所ではありません。
歯は1度トラブルに見舞われると完全に元の状態に戻すことは難しく、また、その時に受けたダメージは今後長い間にわたってお口の環境に影響します。
目次
虫歯や歯周病による5つの悪影響
1、 いろんなものを食べられなくなる…虫歯や歯周病で義歯になると固いものが食べづらくなります。
2、 他の人とコミュニケーションがとりにくくなる…虫歯や歯周病がひどい方は口臭がしたり、お口の見栄えが悪くなり、自信をもって他人とコミュニケーションができません。
3、 肥満になったり、全身の抵抗力が低下する…義歯になると物がよく噛めなかったり、偏食しがちになり栄養のバランスが悪くなります。メタボリックシンドロームになりやすくなります。
4、 早産になりやすい…歯周病にかかっていると早産のリスクが7.5倍になると言われデータがあります。
5、 痴呆になりやすい…噛むことは脳をお活性化する論文があります。虫歯や歯周病で義歯になると物をよく噛むことができなくなり、脳への刺激が少なくなり、痴呆やアルツハイマー型認知症になりやい。
現在、少数の歯科医院では虫歯や歯周病を未然に防ぎ、皆様のお口の健康を生涯にわたってサポートする予防歯科を設けている歯科医院があります。
それでは具体的に予防歯科ではどんなことをするのか、またどうして歯は予防が大切かなどについて詳しくご紹介していきましょう。
予防歯科は何をするところ?
予防歯科で行うことは大きく分けて2つです。
まず1つは健診です。定期的にお口の中をチェックすることで、虫歯ができていないか、歯周病は進行していないかなどを確認し、新たな疾患の早期発見、早期治療へつなげていきます。
そしてもう1つはメインテナンスです。
メインテナンスには「整備・維持」という意味があるように、新たな疾患にかからないように口腔環境を整備し、健康な状態を維持することが歯科におけるメインテナンスになります。
それではこれら2つが具体的にどのように進められるのか、以下に解説していきましょう。
まずはお口のチェックから
予防歯科ではまず、現在のお口の中がどのような状態にあるのかを詳しく検査していきます。
具体的には
- 目視による口腔内のチェック(虫歯や歯周病の有無、清掃状態、噛み合わせなどを確認)
- レントゲン撮影(目には見えない虫歯や歯周病の進行などを確認)
- 歯周病検査(特殊な器具を用いて歯周ポケットを測定・動揺の有無などを確認)
などがあります。
また問診を通して、今抱えているお口の悩みや普段のセルフケアの状況なども把握していきます。
歯科衛生士によるプロフェッショナルケア
【PMTC(プロフェッショナルメカニカルトゥースクリーニング)】
虫歯や歯周病の原因は歯垢(プラーク)内の細菌です。
そのため虫歯や歯周病の予防でまず基本になるのは毎日の歯磨きですが、すべての歯垢や細菌を歯磨きだけで落としきるのは困難です。
そこでクリーニングのプロである歯科衛生士が専用の機械や器具を用いて、細かい部分の歯垢や歯石を取り除き、お口の隅々まで綺麗にしていきます。
さらに歯の表面の凹凸をなくすよう磨き上げることで、歯垢や細菌が付きにくい歯面に仕上げていきます。
【フッ素塗布】
フッ素の役割は歯に直接取り込まれることで歯質を強くすることです。そのため近年では多くの歯磨き粉にフッ素が配合されて、虫歯予防の効果が期待されています。
歯科医院で行うフッ素塗布は、歯磨き粉よりもフッ素濃度の高い薬剤を使用します。これによって歯の中に効率よくフッ素を取り込ませることができ、さらに虫歯予防の効果を高めることができます。
【シーラント】
シーラントとは、歯にある深い溝をあらかじめプラスチック樹脂で埋める虫歯予防法です。
シーラントによって溝が浅くなると食べかすや歯垢が溜まりにくく、また歯磨きがしやすくなります。
シーラントは主に乳歯や生えたての永久歯など、歯質が弱く虫歯になりやすい歯に行います。
特に歯を削る必要もないため、小さなお子様の虫歯予防には最適です。
歯科衛生士によるブラッシング指導や生活習慣指導
虫歯や歯周病を予防するには普段のセルフケアは欠かせません。
予防歯科ではプロの歯科衛生士が歯ブラシの選び方やブラッシングの手技やコツなどを個々に合わせて指導し、ホームケアをより効果的に行えるようサポートします。
また虫歯や歯周病は生活習慣病とも言われ、その予防においては生活習慣の改善も非常に重要です。
予防歯科ではそれぞれのライフステージに合わせて、食習慣や普段の生活で注意すべき点などの指導も行います。
予防歯科の医院を探すポイント7選
1、 予防歯科を受けるあたり、どのような歯科医院を選べば良いのでしょうか?
2、 医院看板やホームページに「予防歯科」の科目の記載がある。または予防について書いてある。
3、 複数の歯科衛生士が在籍している医院が良いでしょう。
4、 滅菌や消毒をしっかりしている。歯科医院が細菌による脅威をしっかりと理解しているかの指標になります。
5、 できるだけ削らないための器具がる。細かい所まで見える拡大鏡や口腔内CCDカメラ使って治療している。
6、 検査機器が充実している…レーザーで虫歯の深さを確認できるダイアグノデントや位相差顕微鏡(細菌検査)などの機器がある。
7、 受診してからのポイントは、お口の中の写真やレントゲンをしっかり撮り初期の状態をしっかりと検査をして、今後の治療についてカウンセリングしてくれる。
なぜ虫歯や歯周病は予防が大切なのか?
1.歯の本数が多いほど健康寿命は延びる
歯と全身の健康とには強い相関性があり、歯の本数が多いほど健康寿命が延びることがわかっています。
その理由は、
・よく噛めることで食べ物のバラエティにも富み、栄養バランスが良くなる。
・よく噛めることで消化器官への負担を減らすことができる。
・しっかり噛むことは脳の満腹中枢を刺激するため、肥満の予防や解消にも効果がある。
・歯は会話をするうえでも重要な器官で、歯の本数が多い人ほどコミュニケーション能力が高まる
などが挙げられます。
つまり1本でも歯を多く残すことが、健康的に長生きする秘訣になります。
虫歯や歯周病は歯を失う原因となる二大疾患です。
そのため生涯にわたって1本でも多く歯を維持するためには、子供の頃から虫歯と歯周病を予防することが大切です。
2.虫歯は削ってしか治療できない
虫歯は治療をすれば治る疾患です。しかし今は歯を削るしか虫歯を治す方法はありません。
歯は一度削ってしまうと元に戻すことはできず、またそのダメージはその歯の今後を左右します。そのためまずは虫歯にならないことが、歯を守るうえでとても重要です。
またどんなに完璧な治療を受けても、その後の管理を怠れば再び虫歯になり歯を削らざるをえません。さらに治療を重ねれば重ねるほど、歯が受けるダメージは大きくなります。
近年の歯科治療の進歩は目覚ましく、治療後の見た目や噛み心地も本来の歯に近い状態に復元できるようになってきています。しかしその状態をいかに長く維持できるかは、治療後のメインテナンスがとても重要な鍵となるのです。
3.歯周病は全身の病気とも関わりがある
近年注目されているのが、歯科疾患と全身疾患との関係です。特に歯周病はその原因となる細菌の刺激によって動脈硬化のリスクを高め、心臓疾患や脳血管疾患を招く危険性が報告されています。
また妊婦が歯周病になると、早産や低体重児出産のリスクが高くなります。その他にも歯周病は、糖尿病や誤嚥性肺炎、アルツハイマー病のリスクを上げる原因になることが様々な研究で明らかになっています。
このように今や歯周病は口腔内だけにとどまる疾患ではありません。歯周病を予防することは、生活習慣病や全身疾患を予防するうえにおいても重要な要素の1つなのです。
体の健康はお口の健康からはじまる(まとめ)
今ではどの疾患においても「早期発見・早期治療」の重要性が指摘されています。また近年の健康ブームとともに、生活習慣病などの予防意識も次第に高まりつつあります。
一方で歯科における予防意識はまだ高いとは言えません。欧米などと比較しても、歯科医院を受診する理由は未だに「予防・健診」よりも「治療」の割合が多いのが実状です。
しかし虫歯や歯周病などの歯科疾患はお口の中だけの問題にとどまらず、私たちの健康をも大きく左右します。
歯科疾患の予防こそが、生涯を通して健康な体を維持する第一歩といっても過言ではありません。そのため、今後ますます歯科医院における予防歯科の役割は重要になるでしょう。
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当院では、痛みを極力少ない治療を心掛け、最新の設備と技術を習得しております。また、安心してご来院頂けるように、お口の状況・治療内容など詳しくご説明した上で治療を進めていきます。
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阿倍野区の歯医者 西田辺えがしら歯科
歯科医師 院長 江頭伸行