子供の永久歯の歯並びを整える歯科矯正とは?必要性や費用について
お子さんの歯並びについて気になることがあると、歯科矯正を行うべきかどうか迷う親御さはが多いのではないでしょうか。
歯並びの良さは、見た目の印象が良いことはもちろん、体の健康にも大きく影響します。歯並びを整えることで得るメリットはたくさんありますが、どのくらい費用がかかるのか、どんな治療を行うのかわからないと、なかなか歯列矯正に踏み切れませんね。
ここでは乳歯から始められる顎の骨の成長を促す装置(矯正装置)による矯正治療と、永久歯になってからの治療法など、歯並びと歯列矯正について詳しくお話しします。
目次
なぜ矯正治療(治療)が必要なのか
歯列矯正は、見た目の美しさだけが目的ではありません。
なぜ歯列矯正が必要なのか、その理由は次のとおりです。
・永久歯の歯並びを整えることで、体の機能を整え、脳の発達を促す
乱れた歯並びを整えることは、同時に噛み合わせを整えることにも繋がります。
言い換えれば、歯並びの乱れは噛み合わせの異常を引き起こしてしまいます。
正しい噛み合わせはしっかり噛むという最も大切な機能を果たし、固い繊維質のものなど、なんでもしっかり噛むことで体の健康を作り出します。
また正しく噛むことは脳細胞に刺激を与え、脳の発達を促すという、とても大切な役割があります。
・永久歯の歯並びを整えることで、虫歯や歯周病になりにくい歯を作り出す乱れた歯並びを整えるもうひとつの目的は、口の中を虫歯や歯周病になりにくい状態にすることです。
歯並びが悪いと歯ブラシの毛先が届きにくいため、歯と歯の間の汚れが残りがちになります。
残った汚れがやがてプラーク(歯垢)となり、虫歯菌の温床になって虫歯を作り出します。またプラークはやがて歯石となり、歯周病を引き起こす原因になってしまいます。
歯周病は大人の病気と思われがちですが、子どもは歯ぐきの腫れや出血など、歯肉炎となってよく現れます。
乱れた歯並びのままで歯肉炎を起こしていると、大人になって歯周病になるリスクが高くなってしまいます。
歯列矯正を行うことで正しいブラッシングができるようになるため、虫歯や歯周病などのトラブルを起こりにくくします。
永久歯の噛み合わせと歯列矯正の関係性
先に述べたように、歯並びの乱れは、同時に噛み合わせの異常も引き起こします。
噛み合わせは健康な体を維持するうえで大変重要な役目を持っており、嚙み合わせが乱れることで体の不調に繋がります。
永久歯に全て生え変わった後では抜歯の必要性も生じるため、できる限り早めに矯正治療(治療)を始めることが望ましいでしょう。
矯正治療(治療)が必要な永久歯の歯並びとは
歯並びの乱れや咬合異常はいろいろありますが、子どもによく見られる歯並びの異常は次のとおりです。
・ 上顎前突(出っ歯)
いわゆる「出っ歯」と呼ばれるもので、上の前歯または上顎全体が前に出ている状態の歯並びです。見た目の問題や、正しく咀嚼することが難しいため、子どもの健康面に影響が出ることが考えられます。
また口を閉じにくいため、口呼吸になりやすく口腔内が乾燥します。
このことにより細菌が増殖しやすく、虫歯や歯肉炎になるリスクも高くなります。
反対咬合(受け口)
一般的に「受け口」と言われるもので、下の歯が上の歯よりも出ているため、噛み合わせが反対になっているものを言います。
早期に矯正治療(治療)を行わないと、だんだん顎が前に出てしまって見た目にもコンプレックスを感じてしまいます。
叢生(乱食い歯)
デコボコした歯並びで、「乱食い歯」とよく呼ばれます。
永久歯が並ぶスペースが足らなかったため、歯と歯が重なるなど永久歯が乱れて生え揃った状態を言います。
歯みがきがし辛く、虫歯をはじめとしたトラブルを引き起こしやすい歯並びです。
開咬(オープンバイト)
奥歯で噛んだ時に、前歯が閉じずに隙間が空く噛み合わせの異常です。
見た目のコンプレックスだけでなく、口を閉じることができないため、前歯で食べ物を噛むことができません。
また顎関節症を引き起こすリスクが高く、体の健康に悪影響を及ぼしやすい噛み合わせです。そして隙間のために、発音が不明瞭になってしまいます。
空気が漏れてしまうような発音に聞こえてしまうことから、相手が言葉を聞き取りにくく感じてしまいます。早期に矯正治療(治療)を行うことが望ましいでしょう。
このように、噛み合わせの異常(不正咬合)は見た目だけでなく、歯の健康や体の健康に悪い影響を与えるため、早めの矯正治療(治療)を考えることが望ましいでしょう。
乳歯および永久歯の歯列矯正を行うメリットとデメリット
子どものころに歯列矯正を行うと、抜歯の必要性が少なく、早期に噛み合わせなどを正しく導くことが可能です。
矯正治療(治療)を行うメリットは以下のとおりです。
抜歯の可能性が少ない
永久歯が全て生え揃い、顎の骨の成長が止まったあとに矯正治療(治療)を行うと、抜歯を伴うケースが多々あります。
しかし、早い時期から顎の骨の成長を促す矯正治療(治療)などは抜歯をする必要が少なくなります。
顎の骨の成長を促すことができる
乳歯と永久歯の混在する時期を第1期と言いますが、この第1期では顎の骨の成長を促すことを目的とした矯正治療(治療)を行います。顎の骨が成長することで歯並びだけでなく、正しい噛み合わせや咀嚼機能を整えることができます。
費用を抑えることができる
永久歯に生え揃ってからから始める歯列矯正は大人とほぼ同じ費用となり、高くなりがちですが、顎の骨の成長を促す治療法の場合、費用を抑えることが可能です。
矯正治療(治療)の種類と費用と治療期間は?
子どもの矯正治療(治療)には乳歯と永久歯の混在する第1期と、永久歯に生え変わったあとの第2期があります。
それぞれの治療の特徴や費用、治療期間などについて説明します。
第1期の費用と治療期間について
床(しょう)矯正による永久歯への生え変わりのための歯列矯正
第1期では、永久歯がきちんと並ぶスペースを確保するために、顎の骨の成長を促す治療を行います。
顎が小さく、乳歯が隙間なく生え揃っている場合、永久歯に生え変わる際に歯並びが乱れる可能性が非常に高くなります。
この時期の治療法は、取り外し式の装置(矯正装置)を一日14時間以上装着し、週に一度ネジを回して装置(矯正装置)を広げ、顎の骨を成長させることで永久歯の並ぶスペースを確保することを目的としています。
この治療法は、装置(矯正装置)を使うと同時に、前歯を使って固いものをしっかりと噛むなど、普段の食生活にも気を付けながら顎を発達させていきます。
この床矯正のメリットは、取り外しが可能な装置(矯正装置)のため、食事のときに取り外しができることです。
また歯みがきを行いやすいため、虫歯になるリスクが比較的低いことも大きなメリットです。
この床矯正の費用は自費治療のため歯科医院により異なりますが、検査費用、型取り、調整料などを含めて30~50万(上下顎)が相場と言われています。
治療期間は開始時期や顎の状態、治療過程により個人差がありますが、2~4年くらいかかると見込んでおいたほうがよいでしょう。
第2期以降の装置(矯正装置)と費用について
一般的に矯正治療(治療)の第2期とは、永久歯が全て生え揃い、第1期より引き続き装置(矯正装置)を行う時期のことを意味します。
ここからの矯正治療(治療)は、永久歯を動かして歯並びを整える治療になります。
床矯正で永久歯が正しく並ぶように導いたあと、ブラケットとワイヤーを用いて正しい噛み合わせと歯並びを綺麗に整えることを目的としています。
第1期から続いて装置(矯正装置)を行う場合、費用は30~50万くらいが相場と言われています。
床矯正を行わず、第2期治療のみ行う場合の治療法と費用は次の通りです。
ブラケット+ワイヤー矯正による歯列矯正と費用
歯の表面にブラケットと呼ばれる小さなボタンを着け、ワイヤーを通して少しずつ歯を動かしていきます。
また床矯正を行わず、永久歯に生え変わってから装置(矯正装置)を行う場合も、このブラケットとワイヤーを使った装置(矯正装置)が行われます。
この治療法はどんな症例にも対応可能で、最もポピュラーな治療法です。
ブラケットの素材ですが、メタルブラケットは金属素材の装置(矯正装置)で、透明なものに比べると費用は安いですが、口を開けると金属が目立ってしまうことがデメリットです。
またワイヤーが通してあるために歯と歯の間の汚れが落としにくく、虫歯になるリスクが高まります。費用は成人と同等になり、50~100万円くらいが一般的な相場と言われています。
メタルではなくセラミックのボタンを使って装置(矯正装置)を行う場合はもっと高くなりますが、口を開けた時に目立たないというメリットがあります。
? リンガルブラケットによる歯列矯正と費用
リンガルとは舌側のことで、ブラケットを歯の裏側に着けて行う治療法です。
裏側に着けることで目立たず装置(矯正装置)を行えることが最も大きなメリットです。特に上の前歯の矯正に適しています。
費用は通常の装置(矯正装置)よりも高くなり、80~130万くらいが相場です。
マウスピース矯正、インビザラインによる歯列矯正と費用
透明なマウスピースを装着して歯並びを整えるマウスピース矯正やインビザラインも治療法として挙げられます。
この装置(矯正装置)は取り外し式のため、口腔内の衛生環境を整えやすく、食事時に取り外すことができることがメリットです。
マウスピースやインビザラインによる治療は症例によっては難しく、どちらかというと子どもの装置(矯正装置)ではあまり行われません。費用は20-70万くらいかかります。
永久歯の歯並びを整えるためには、歯科医院で早めの相談を
子どもの歯並びが気になったら、できる限り早めに歯科医院を受診し、相談をすることが大切です。
治療開始が遅くなるほど、ブラケット装着期間が長くなり、子どもの負担が大きくなります。装置(矯正装置)は本人の頑張りと家族の協力が欠かせません。
良い結果を得るためにはまず信頼のできる歯科医師のもとで信頼関係を築くことが大切です。お子さんの歯と体の健康のためにも、是非早めの受診をお勧めします。
最後に…
歯科医院の選ぶポイントは、一概に言えませんが、「矯正歯科」をメインに「小児歯科」を科目に入れている歯医者さんはポイントが高いです。
小児のみ歯列矯正を行っていたり、マウスピース矯正の主に行っている歯科医院はおすすめできません。
綺麗な歯並びは見た目の美しさだけでなく、全身の健康にもつながっています。
噛み合わせの悪さが頭痛や肩こりの原因となったり、しっかり噛めないため、柔らかい食物を好み栄養のバランスが悪くなったり、あまり噛まずに飲み込むことで消化不良を引きおこすことがあります。正しい噛み合わせは全身の健康を促進しています。
親の役目として、子供が一生健康に健やかに毎日を過ごすことができるように考えてみてはいかがでしょうか。
この度はホームページをご覧頂きありがとうございます。
お子様をはじめ皆様のお口や全身の健康増進につながればと思い執筆させていただきました。
当院では、矯正治療を行っておりませんが、矯正が必要かどうかの診断はできます。そして、近隣のおすすめの矯正歯科医院をご紹介することも可能です。
皆様と笑顔で楽しい毎日、そして何でも食べられる喜びを分かち合えるよう、スタッフ一同しっかりサポートさせて頂きます。
お口に関するお悩みやご質問などございましたら、お気軽にご相談ください。
阿倍野区の歯医者 西田辺えがしら歯科
歯科医師 院長 江頭伸行
大阪市 阿倍野区 西田辺 医療法人優伸会 えがしら歯科 西田辺インプラントセンター併設
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