保険治療と自費治療の違い
今回は、よく患者様にご質問を受ける「保険治療と自費治療の違い」について、少し書いていきたいと思います。
「健康保険」で何でも治療できるんじゃないの? と思っている方は多いのではないでしょうか。
実は、日本の健康保険制度は日本国憲法の第25条に基づき施行されています。
その第25条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と書かれています。
つまり、「必要最低限の回複」を目的としているため、歯科治療で使用できる素材や治療法が制限されているのです。
その結果、最低限見える範囲にしか白い歯を入れることができなかったり、耐久性の高い素材が使用できなかったり、金属アレルギーのリスクがある銀歯などを使わざるを得なかったりします。
もちろん、治療にかかる費用は保険が適用されなかった場合の3割で済むので治療費を少なく済ますことができるというメリットもあります。(負担割合は年齢や所得により異なります)
次に「自費治療」という言葉を聞くと、どのような印象を持たれるでしょうか?
「一部のお金持ちがするもの」、「贅沢品」というイメージをお持ちの方も多いかと思います。
自費治療においては全額自己負担となるため、保険治療の場合との金額の差が大きく、非常に高額な印象をうけるかと思います。
しかし、自費診療では保険診療のような制約がないため、一人ひとりの症状に適した素材を使用し、高度な技術と共に十分に時間をかけた治療をご提供する事が出来ます。
例えば、白い被せものだと、保険治療ならプラスチック製ですが、自費治療ならセラミックスを使用します。
セラミックスの詰め物や被せものなどは、白く透明感があり天然の歯の色に近く作ることできます。もちろん見た目が良いだけでなく、表面がツルツルで汚れが付きにくい、変色しないなどの長所があります。
プラスチックは透明感が少なく天然の歯に比べると見劣りしますし、初めは白いものの経年的に茶色く変色したり、表面に汚れが付きやすかったりします。
異なるのは素材だけではありません。
型をとる時の材料も違い、自費診療の場合、精度が高い、変形しないシリコンで型をとります。
精度が高いほど、歯と詰め物や被せものとの隙間が少なくなります。
この隙間は人間の目から見ると気になるほどの大きさではありませんが、虫歯菌が侵入することができます。
この隙間から虫歯菌が侵入することで、虫歯が再発リスクする可能性が高まります。
保険診療では、セメント(接着剤)にも制約があります。
接着力が弱いと、歯が欠け、詰め物が外れるなど再治療の原因になります。 歯としっかりと接着し一体化させることで、歯の強度は維持されるのです。
セメントにも色々種類がありますが、例えば保険で使えるセメントを「ボンド」とすれば、「アロンアルファ」を使うには自費診療でしかできないということです。
このように、保険診療で使用できる材料ではこうしたことに限界があり、せっかく治療した歯も数年すると再治療になってしまうケースが非常に多いといえます。自費治療ならば歯を長く保たせる可能性が高いということです。
保険でもいいのではないか、と思われる場合と、保険外治療の方が優れている場合とがあります。
そのどちらがその方にとって最適なのか。
当院をお選びいただいたみなさまには、保険診療、自由診療、それぞれの利点・欠点をお伝えし、最適な方法を一緒に選び、より質の高い生活に向けて少しでも手助けできたらと考えております。
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大阪市 阿倍野区 西田辺 医療法人優伸会 えがしら歯科
院長 江頭伸行