阿倍野区 歯医者 西田辺えがしら歯科

「脂の味」に鈍感になっていませんか?

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人間の味覚には、「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「うま味」の5つが知られていますが、
昨年「脂味」という新しい味覚の存在についての論文が発表されました。

また同時に、その「脂味」には閾値があることも発見されました。

まだまだ可能性の段階ですが、研究が進めば生活習慣病の予防に役立つのではないかと期待が高まっています。

この「脂味」はオーストリアのディーキン大学や連邦化学産業研究機構などが共同研究をおこなって発見したものです。
閾値とは、刺激(量や濃度)がある値以上に強くないと反応しない限界値を意味します。

味覚の閾値の低い、味に敏感な人は、少しの脂肪でも感じられるのに対し、味覚の閾値の高い人、味に鈍感な人は、同量でも脂肪の味を感じられなくなります。

普段から塩分や糖分の多い食事をしているとそれに慣れてしまい、普通の味付けだと味が感じられなくなったりすることがあるかと思いますが、知らないうちに塩分や糖分に対する閾値が高くなってしまっているのです。

「脂味」に対する閾値が低く、脂肪に敏感な人は、微量でも脂肪の存在を認識するため、自然と脂肪の摂取量が少なくなり、体重過多になりにくいという事になります。

実際の研究された結果でも、脂味に敏感な人はBMI(身長と体重から算出される肥満度指数)が低くなっています。この値は長生きできる可能性が高い数値と言われており、日本人のBMIの標準値は男女共に22とされています。

このBMIが高ければ、糖尿病や心臓病などの発病率が正常値の人と比べて、発病率が高くなることが知られています。

よって、この「脂味」に敏感になることは、糖尿病や心臓病といった病気を未然に防ぐことにつながる可能性があります。

昨今、私達は、レストランやファーストフードでの食事や、出来合いのコンビニ食などを多く取るようになりました。脂肪を多く含む食品を摂取する機会が多くなり、知らず知らずに「脂味」に鈍くなっている可能性があります。

「脂味」を敏感に感じるのに良いとされるのは、亜鉛を多く含む牡蠣や肝(レバー)、ココアなどと言われています。

こういった食材を日々の食事に取り入れることも、BMI値を抑えることにより長生きする秘訣になるのかもしれません。

まだ、「脂味」が味覚と認められるには、口にある味覚細胞に受容体があることを証明する必要がありまうすが、今回の研究はそれには至っていませんが、「脂味」の存在を支持する証拠は続々と見つかっていると言う事です。

今後の研究に期待したいものです。

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歯科医師 院長 江頭伸行