
歯が欠けた・折れた時の治療法
大阪市 阿倍野区 西田辺えがしら歯科
私たちの歯はエナメル質というとても硬い組織に覆われていますが、外傷によって強い衝撃が加わると、欠けたり折れたりすることがあります。
とくに永久歯はもう生え変わることがないので、折れた時には慌ててしまいますよね。
今回はそんな歯の破折の対処法・治療法について、重症度別にわかりやすく解説します。
歯の一部が欠けた場合
歯の辺縁が少しだけ欠けたり、エナメル質内にとどまるような破折であったりするのであれば、治療も比較的容易です。
◎治療法
・コンポジットレジンによる修復
外傷による歯の欠損が軽度であれば、欠けた部分の形を整えた上で、コンポジットレジンを充填します。
コンポジットレジンは成形しやすい材料なので、元々の歯の形も再現できます。
型取りが不要、光を照射して固めるだけなので、治療も即日終わることが多いです。
・ラミネートベニア
歯が欠けた部分が前歯で、審美性に大きな問題が生じているのであれば、ラミネートベニアも治療の選択肢として挙げられます。
ラミネートベニアとは、セラミック製のチップを歯の表面に貼り付ける治療法で、ちょっとした歯の欠けや変色、形態の異常などを改善することができます。
エナメル質を0.5mm程度削るだけでチップを装着できるため、歯にかかる負担も最小限に抑えられます。
歯がやや大きく欠けた場合(露髄なし)
歯の頭の部分である歯冠(しかん)がやや大きく欠けたけれど、神経の露出が見られないようなケースでは、被せ物を装着するのが一般的です。
◎治療法
・セラミッククラウン
セラミック製の被せ物です。
歯の色や質感、透明感、光沢などを忠実に再現できることから、欠けた歯質の修復に適した装置です。とく前歯の治療では最適といえます。
その他、レジンやハイブリッドセラミック、歯科用合金などの材料でクラウンを製作することもできます。
歯が大きく欠けた・歯が抜けた場合
歯が大きく欠けて神経がむき出しになった(露髄した)場合は、歯の状態によって治療法もいくつかに分けられます。
◎露髄したけれど歯根は正常な場合の治療法
歯冠が折れて神経が汚染されてしまったけれど、歯根が正常であれば保存的な治療を選択できます。まずは抜髄(ばつずい)をして、歯の根の中をきれいにお掃除します。
いわゆる“根管治療”が完了したら、土台を形成したのち被せ物を装着します。
◎歯根までひびが入った・折れた場合
外傷による衝撃が強く、歯冠だけでなく歯根までひびが入ったり、折れたりした場合は保存的な治療が難しくなります。
多くのケースでは抜歯適応となり、欠損補綴で失った歯を補います。
◎欠損補綴の種類
・ブリッジ
ブリッジは、欠損部の両隣の歯を支えとして、人工歯が複数連結した装置を装着する治療法です。
支台歯を大きく削ることになりますが、外科手術が不要な固定式の装置です。
・インプラント
インプラントは、欠損部にチタン製の人工歯根を埋め込む治療法です。
噛んだ時の力を顎の骨で支えることができるため、硬い物でもしっかり噛めます。
また、顎の骨が痩せていかない、健康な歯を削る必要がないなどのメリットがあると同時に、外科手術が必須というデメリットもある補綴治療です。
まとめ
このように歯が欠けたり、折れたりした場合は、重症度に応じて治療法も大きく変わります。
いずれにしても受傷後はできるだけ早く歯科を受診するようにしましょう。
歯の外傷は処置が遅れるほど、さらに大きなトラブルへと発展しやすいです。
一見すると正常に見えても、実は歯根が破折していた、というケースも珍しくないので、少しでも不安に感じることがあれば当院までご連絡ください。
大阪市 阿倍野区 西田辺えがしら歯科