虫歯になりやすい人・なりにくい人の違いとは
世の中には、虫歯になりやすい人と虫歯になりにくい人がいます。
毎日同じように歯磨きしているのに、なぜ大きな違いが現れるのか不思議に思われることでしょう。
極端な例を挙げれば、1日1回数分程度の歯磨きしかしていなくても、虫歯にならない人がいますが、どういった理由からそのような違いが現れるのか。
今回はそんな「カリエスリスク」の違いについてわかりやすく解説します。
目次
虫歯になりやすい人の特徴
虫歯になりやすい人には、以下に挙げるような特徴があります。
口腔衛生状態が悪い(=口腔ケアが不十分)
常に歯垢や歯石が堆積しているなど、口腔衛生状態が悪いと当然ですがカリエスリスクが上昇します。
虫歯という病気の根本的な原因である虫歯菌が繁殖し、感染リスクが高まるからです。
口腔衛生状態は、歯磨きを始めとした口腔ケアを徹底することで、誰でも改善できます。
唾液の分泌量が少ない
唾液には、抗菌作用や殺菌作用、自浄作用が期待できます。唾液腺から正常な量の唾液が分泌されていれば、虫歯菌の活動が抑制され、カリエスリスクも減少します。
ですから、虫歯になりやすいと感じている人は、唾液の分泌量にも着目しましょう。
お口の中がよく乾く、ドライマウスに悩まされている場合は、唾液腺マッサージなどで症状を改善する必要があります。
食習慣に問題がある
食事の摂り方もカリエスリスクと密接な関連があります。
まず、虫歯菌のエサとなる糖質の摂取量が多いと、必然的に虫歯のリスクは高まります。
また、食事と摂る回数が多かったり、食事をダラダラと摂る習慣があったりする場合も、口腔内が汚れている時間が長くなり、カリエスリスクが上昇します。
歯質が弱い・やわらかい
私たちの歯は、人体で最も硬いエナメル質で覆われています。
その点は共通しているのですが、歯質の成熟度や石灰化度は人によって異なります。
個々人で体質が異なるように、比較的やわらかい歯質の人もいれば、極めて硬い歯質の人もいるのです。
そうした歯質の成熟度や石灰化度は、フッ素塗布などによって改善可能です。
虫歯になりにくい人の特徴
虫歯になりにくい人の特徴は、虫歯になりやすい人の裏返しです。
・口腔衛生状態が良い(=十分な口腔ケアを行っている)
・唾液の分泌量が多い
・正しい食習慣が身に付いている
・歯質が強い、硬い
これらの特徴は、大人になってからでも努力によって手に入れることができます。
虫歯になりにくい人は、定期検診・メンテナンスを継続的に受けることでカリエスリスクを低下させているのです。
逆に言うと、虫歯予防は何歳から始めても遅いということはないのです。
ただし、1つだけ例外があります。それは1歳半から2歳半にかけての虫歯予防です。
「感染の窓」が開く時期について
1歳半から2歳半の1年間は、「感染の窓」が開く時期と言われています。
生まれたばかりの赤ちゃんは、当然ですが虫歯菌に感染していません。
それがいつしか口腔内に虫歯菌が常在するようになるのですが、多くのケースでこの時期に初感染が生じます。
たくさんの乳歯が生えてきて、歯並びが安定しない時期なので、虫歯菌も住み着きやすくなるのです。
そんな感染の窓が開く時期に虫歯菌の感染を免れると、それ以降、カリエスリスクが大幅に減少することがわかっています。
小さなお子さまがいらっしゃるご家庭では、この点に意識して虫歯予防に努めてください。
まとめ
このように、虫歯になりやすい人と虫歯になりにくい人には、いろいろな点で違いがあります。
これから積極的に虫歯を予防したいと考えている人は、今回ご紹介したポイントを参考してみてください。
西田辺えがしら歯科までご相談いただければ、唾液検査を自費診療で行っておりますので、さらに具体的にアドバイスできるかと思います。
阿倍野区 西田辺えがしら歯科
歯科医師 院長 江頭伸行