インプラントの失敗とはどのような状態か?
阿倍野区の西田辺えがしら歯科のインプラントの失敗とはどのような状態か?についての歯の豆知識ページです。
インプラントには外科手術を伴うため、手術が失敗することに大きな不安を抱えている方も少なくありません。
統計的には成功率が極めて高い治療法なのですが、1件でも失敗例を耳にしてしまうと不安に感じてしまうものですよね。
そこで今回は、インプラントの失敗とはどのような状態なのか、具体例を挙げながらわかりやすく解説します。
目次
人工歯根が顎の骨に定着しない
インプラントの失敗例としては、「フィクスチャー(インプラント体)が顎の骨に定着しない」ケースが挙げられます。
フィクスチャー(インプラント体)とはインプラントの本体のことです。
そして、これは歯茎(歯槽骨)に埋め込むチタン製のネジのようなものです。
フィクスチャーを単に歯槽骨へと埋め込めれば良いというわけではありません。
インプラント治療では、フィクスチャーが数カ月をかけて歯槽骨と結合する必要があるのです。
この歯槽骨と結合する現象を専門的には「オッセオインテグレーション」といい、インプラント治療の成否を決める重要な要素となっています。
インプラント手術後すくにフィクスチャーが歯槽骨に定着しなかった場合、次のような原因が考えられます。
ドリリングによるオーバーヒート
インプラント手術時にフィクスチャーを歯槽骨に埋め込むために、歯槽骨にドリルで穴を開けるます。
その際、切削時の摩擦熱によって埋め込む周囲の歯槽骨の細胞が死んでしまうことがあります。
インテグレーション(フィクスチャーと歯槽骨の結合)には、歯槽骨の生きた細胞がフィクスチャー周囲に不可欠です。
ドリリング時の摩擦熱がオーバーヒートとなった場合、フィクスチャーの早期脱落の原因となり、インプラント治療の失敗へと直結します。
摩擦熱が通常よりも温度が高くなる原因は、歯槽骨の硬さやドリルの刃が鈍っていることが挙げられます。
不適切な位置への埋入処置
インプラントを埋め込む位置・深さ・角度が不適切だと、歯槽骨との結合も正常に進みません。
とくに注意が必要なのが「上顎洞への穿孔」です。
上顎のすぐ上には上顎洞と呼ばれる副鼻腔(空洞)が存在しており、人工歯根の埋入位置が深すぎると顎骨を貫通してしまいます。
その結果、上顎洞炎などの合併症を引き起こすこともあります。
インプラントの周りに感染が起こった
インプラント治療は、細菌感染によっても失敗することがあります。
そのリスクは、術中と術後の2つに分けられます。
術中の感染リスク
不衛生な環境でインプラント手術を行った場合は、当然ですが術中の感染リスクが上昇します。
手術に使用する器具の滅菌処理などが不十分であったり、スタッフが感染対策を怠ったりしていると、患部に細菌感染が起こってインプラントが定着しません。
術後の感染リスク
術後の感染リスクは、患者様ご自身のケアに左右されます。
歯やお口の中のセルフケアはもちろんのこと、プロフェッショナルによるメインテナンスやクリーニングを継続することで、インプラント周囲炎などの感染症を防止することができます。
インプラント周囲炎は、完治させることが難しい厄介な病気であり、一度発症してしまうとインプラント治療が失敗する可能性も高まります。
人工歯が外れた・破損した
インプラントの人工歯である上部構造は、アバットメントの締め付けが不十分であったり、噛み合わせが悪かったりすると、破損することがあります。
上部構造の故障だけなら修理も比較的しやすいのですが、アバットメントや人工歯根にまで不具合が生じると、インプラント治療の失敗につながります。
また、インプラントの埋入位置が悪い場合も、人工歯根の破損が起こりやすくなります。
インプラントの失敗を防ぐ方法
上述したようなインプラントの失敗リスクは、豊富な知識や経験を持った歯科医師が適切な方法で検査・診断を行い、衛生管理が徹底された環境でオペすることで低減できます。
インプラント治療で失敗したくないという方は、その点を念頭に置いて歯科医院を選びましょう。
まとめ
今回は、インプラントの失敗について解説しましたがいかがだったでしょうか。
失敗のリスクを具体的に説明されると不安が強まってしまうかもしれませんが、その多くは歯科医院と患者様の努力によって十分回避可能です。
そんなインプラントの失敗を防ぐ方法いついてさらに詳しく知りたい方は、お気軽に当院までご相談ください。
阿倍野区 西田辺えがしら歯科
歯科医師 院長 江頭伸行