阿倍野区歯医者 西田辺えがしら歯科

骨粗しょう症と歯科治療ついて

阿倍野区歯医者 西田辺えがしら歯科

骨粗しょう症という病気の名前を聞かれたことがあるかと思います。

骨量(密度)が低下して骨の強度が弱まり、脆くなって骨折しやすくなる病気です。

女性に多く、加齢により進んで行くため、高齢で足を骨折してしまうと、そのまま寝たきりになってしまうことも少なくありません。

人間の体で骨量(密度)は20歳台でピークを迎え、その後減っていく一方だと言われています。

また、人工的に全身の骨量(密度)を増やすことは今のところ出来ません。

現在の骨粗しょう症治療は、薬物治療運動療法食事療法を並行して行われています。

骨粗しょう症の薬は大きく3種類あります。

骨吸収を抑制する薬骨を増やすのでなく、骨が減らないようにしていく薬です。

整形外科などでは、骨量(密度)は低下した人はもちろん、低くなり始めた人に治療薬を出して予防しています。

骨の形成を促進する薬…活性型ビタミンD3製剤、ビタミンK2製剤、テリパラチド(副甲状腺ホルモン)などは骨形成を促進する作用や新しい骨をつくる骨芽細胞を活性化させる作用があります。

カルシウム製剤…カルシウムは骨をつくる主成分の補給

そして、これらの骨粗しょう症の治療のなかで骨吸収を抑制する薬でビスホスホネート製剤という薬があります。

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これが歯科治療との関連があります。

骨粗しょう症と歯科治療には、一見共通点がないように見えますが、実はこの薬は歯の治療に深く関係しています。

抜歯したり、歯周病の治療、インプラントなど、お口の中で外科的な処置をした場合や入れ歯での歯茎の深い傷などで問題を起こすことが報告されています。

全身的には考えにくいですが、口腔内の治療では歯槽骨呼ばれる歯茎の骨(顎の骨の一部)が度々、露出することがあります。

口腔内は全身の中でも治癒速度が速く、特に問題なく治癒しくことが多いです。

しかし、ビスホスホネート製剤には、骨粗しょう症の進行を遅らせる、ために骨の吸収を抑制する作用があり、それが歯槽骨の治癒を遅らせてしまうのです。

そのため、外科的処置後の治癒が遅れ、口の中の細菌による感染が起こりやすくなってしまいます。

感染がひどくなると、露出している部分の骨が壊死、つまり骨が腐っていく顎骨壊死症(がっこつえししょう)と言う病気を引き起こします。

これは、顎の骨のみに発生する病気です。

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西田辺えがしら歯科に来院される患者様の中にも、たまにこの症状をお持ちの方がいらっしゃいます。

顎骨壊死症が起こった場合、通常その骨の部分を削り取り縫合しますが、怖いのは、その腐った骨を削り取っても、また、削り取った淵の部分から、また腐っていき、限りなく骨が腐っていくことがあるところです。

完全に治癒しづらく、長期の痛みを訴える病気です。この病気は最悪、死亡してしまうケースもあります。

リスクや副作用の話ばかりしていますが、もちろんこの薬は骨粗しょう症により骨折する患者さんを半分に減少させることが可能であると証明されていることから、とても有効な薬です

しかし、歯科治療時に問題がおこることはあまり知られておりません。

えがしら歯科でも、歯周病などの治療前に骨粗しょう症についてお伺いすると、「何か関係があるのですか?」と驚かれる患者様がほとんどです。

骨のお薬だから、歯の治療とは関係ない」と思わず、服用されているようであれば、治療時に前もって歯科医師に伝えることが重要です。

また、この薬を飲んでも問題を起きないように、前もって歯の治療したり、予防をしたりして口の中の環境を整えておくことも大切です

薬には一長一短があり、良い面があれば必ず悪い面もあるということを認識し、どんどん開発される新しい薬に対して、最大限の薬効を得られるようにしていきたいものです。

阿倍野区の歯医者 西田辺えがしら歯科
歯科医師 院長 江頭伸行

歯科口腔外科

インプラントとは?