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断乳・卒乳の時期と虫歯の関係

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「早く断乳・卒乳しないと虫歯になる」と聞いた事はないでしょうか?

断乳は、職場復帰や次の子の妊娠などの理由でお母さん側から授乳を辞めさせること、卒乳は、子どもが自然に飲まなくなる時期を待つことで、ややニュアンスは違いますが、授乳と虫歯の関係についてお話する上では、同じと考えていただいていいでしょう。

一般的に歯科業界では、2歳までに授乳をやめていないと虫歯になる可能性がかなり高くなる、と言われています。

あくまでも可能性の話ですが、厚生労働省の統計では2歳児の約20%程度が虫歯を有しています。

小児歯科医は臨床経験上、その20%に該当する小児のほとんどが、断乳・卒乳の時期が遅かったと考えています。

つまり2歳時点で授乳(特に夜間授乳)が継続しているか、もしくはすでに断乳はしているけれど遅かった(具体的には1歳6ヶ月過ぎ)かのどちらかであると言うことです。

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ちなみに2歳時に授乳が継続している子どもは20%という統計結果も出ています。偶然かもしれませんが、2歳児で虫歯のある子どもの割合20%と一致しています。

さらに学術的な研究結果からも、低年齢児の最大の虫歯の原因は、遅すぎる断乳時期であることも言われています。

では、どうして母乳で虫歯ができるのでしょうか?

以前の院長ブログでも書いたように( 母乳と虫歯について )、母乳には基本的には菌がいないので虫歯の原因になることはほとんどありません。

授乳に加えて、離乳食や通常の飲食を行ったりしているといると虫歯になる可能性があります。

母乳は糖質が多く虫歯菌が好むといわれていて、虫歯になりやすい口腔内環境を作ると言われています。

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その理由は、母乳が唾液の本来持っている2つの虫歯を防ぐ作用を阻害してしまうからです。

一つ目は、唾液の自浄作用で、唾液が流れるとお口の中を洗い流してくれるのですが、母乳がお口に残っていると唾液よりも粘性が高く自浄作用が発揮されにくくなります。
もう一つは唾液のもつ緩衝作用です。

唾液にはお口の中の酸を中和し中性に保つ働きがあるのですが、母乳は糖質が高いので、これを阻害します。

断乳・卒乳の時期については、色々な立場の人間がそれぞれの見解を持っており、「虫歯」だけの観点から一方的に早期の断乳を勧めることはしたくありません。

最近は、母乳育児が推進されており、「特に止める理由がなければ、自然に卒乳するまでおっぱいはあげるべき。」という考え方が主流なようです。

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他のブログでも書いていますが、一般的に健康で元気な赤ちゃんであれば、多少お手入れを怠っていても虫歯になりにくかったり、逆に不健康な赤ちゃんであれば、入念にお手入れしていても虫歯のリスクは高まります。

そのため、「絶対に虫歯になるから早く断乳しないと!」と躍起になる必要もないかと思います。

ただし、上記のように遅すぎる断乳・卒乳が虫歯を生み出す大きなリスクであることも、知識として知っておいていただきたいと思います。

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大阪市 阿倍野区 西田辺 医療法人優伸会 えがしら歯科

院長 江頭伸行