タービン(歯を削る器具)の滅菌

ヨーロッパ滅菌器滅菌器基準「クラスS」による歯を削る器具の滅菌

大阪市 阿倍野区 西田辺 えがしら歯科 タービン(歯を削る器具)の滅菌

当院では歯科用タービン(歯を削る器具)の滅菌に、ヨーロッパの小型高圧蒸気滅菌器基準EN13060で定義される「クラスS」の規格をクリアーするDACユニバーサル2は、「DAC Universal(ダック・ユニバーサル2) 」(ドイツ製シロナ社)を導入しタービンおよびハンドピースの洗浄・滅菌処理しております。

2014年5月19日、日本の国立感染症研究所 研究班が行った調査の衝撃的な結果が新聞に掲載されました。

平成24年に日本歯科医師会会員を対象に実施されたアンケートでは、患者様ごとに歯を削る器具(タービン)の柄の部分を滅菌している歯科医院は全体の3割のみ。歯科医院によっては患者様のお口に入れた機器を、軽く洗ったりアルコール綿で拭く程度しかしていないということです。

関係者の間では、調査対象でなかったドリル部分も滅菌せずに使い回されているという指摘があるそうで、院内感染が懸念されています。

以下、2014年5月19日の読売新聞より引用。

大阪市 阿倍野区 西田辺 えがしら歯科 以下、2014年5月19日の読売新聞より引用。

歯削る機器 7割使い回し…感染研調査 滅菌せず院内感染懸念

歯を削る医療機器を滅菌処理せずに患者間で使い回している歯科医院が約7割に上る可能性のあることが、国立感染症研究所などの研究チームの調査でわかった。

この医療機器を介して他の治療を受けた人にウイルスや細菌に感染する恐れがある、と研究チームは患者ごとに清潔な機器と交換するよう呼びかけている。

調査対象としたのは、歯を削るドリルを取り付けた柄の部分。歯には直接触れないが、治療の際には口に入れるため、唾液や血液が付着しやすい。

使用後は、高温で滅菌処理した清潔な機器と鋼管することが、日本歯科医学会の診療指針で定められている。

大阪市 阿倍野区 西田辺 えがしら歯科 歯を削るドリル

調査は、特定の県の歯科医療機関3152施設に対して実施した。2014年1月までに891施設(28%)から回答を得た。

滅菌した機器に交換しているか聞いたところ、「患者ごとに必ず交換する」との回答は34%だった。一方、「交換していない」は17%、「時々交換する」は14%、「患者が何らかの感染症にかかっている時だけ交換する」は35%で、計66%で機器を適切に交換していなかった。

同じ調査は07年から13年まで2年ごとに計4回行っており、使い回しの割合は平均で71%だった。
研究チームの泉福英信・国立感染症研究所室長によると、多くの歯科では、人手や費用がかかるため、簡単な消毒や洗浄をしただけで繰り返し使っているとみられるという。

歯科関係者の間では、今回の調査対象ではなかったが、ドリル部分も動揺に滅菌せずに使い回しされているという指摘もある。

引用終わり

それでは、どうして滅菌が徹底されていないのでしょうか。その理由を、私なりに考え以下にまとめてみました。

  • あくまで「指針」であり、法的に義務ではない
  • 現行の健康保険制度では滅菌に対するコストが含まれていない
  • タービンの滅菌には一般的に1時間程度かかる
  • 滅菌中、そのタービンは使用出来ないので、タービンを余分に購入しなければならない
  • 頻繁なタービンの滅菌は、内部部品の耐久性を低下させ寿命が短くなる
  • 洗浄・注油・滅菌には人手が必要で、頻繁に行うと人件費を大幅に増加させる
  • 「一般的な滅菌の機械(オートクレーブ)だけではタービン内を完璧に洗浄・滅菌できない、つまり完全滅菌は不可能」と考えられている
  • 高性能の滅菌器を購入するのは手間であり、多額の費用がかかる。また、維持費もかかる

しかし、みなさんのお口の健康を守るという使命のある歯科医院にとって、滅菌は最も重要なテーマです。治療に使用した器具には、ヘルペス、ヒト免疫不全ウィルス、結核菌、髄膜炎菌、インフルエンザウイルス、B型肝炎ウィルス、C型肝炎ウィルス、梅毒…といった、聞くだけでぞっとするようなウィルスが付着している可能性があるのです!

大阪市 阿倍野区 西田辺 えがしら歯科 滅菌

こういった心配を解消するため、当院では歯科用オートクレーブ滅菌器「DAC Universal2(ダック・ユニバーサル2) 」(ドイツ製シロナ社)を導入しております。

現在多くの歯科医院で使用されているオートクレーブでは、内部に入り込んだ血液や唾液の除去、そして滅菌を完全に行うことができないと言われています。

しかし、このDAC Universal2では精製水を用い、器具の外部だけでなく、手では難しい内部の隅々まで洗浄し、厳密な完全滅菌することができます。ドイツ製というだけあって、日本よりも厳しいヨーロッパ滅菌器基準「クラスS」に基づいています。

また、一般の滅菌器では洗浄、注油、滅菌の行程を行うと一時間以上かかるところを、この機器にタービンをセットしボタンを押すだけで、これらの工程が始まり17分程度で終了させてしまいます。

当院では、こういった時間や手間を短縮することにより、スタッフ一同が患者様のお話をお伺いしたり、丁寧に治療したり、という余裕ができるのは大きなメリットだと考えております。

この機器の導入には数百万円のコストがかかり、メンテナンス料も高いため導入している歯科医院はまだまだ少ないようですが、こういった対策を通して、皆様に健康、そして安心をお届けしたいと思っております。